Azure Media Services の Live Monitoring Dashboard をオープン ソースでリリース

執筆者: Dwyane George (Program Manager, Azure Media Services)

このポストは、1 月 11 日に投稿された Azure Media Services Live Monitoring Dashboard open-source release の翻訳です。

 

マイクロソフトは、Azure Media Services (AMS) の Live Monitoring Dashboard (英語) を GitHub でオープン ソースとしてリリースしました。

Live Monitoring Dashboard は、Azure Media Services (AMS) ユーザーが自身のチャネルと配信元のデプロイメントの正常性を確認できる .NET C# Web アプリです。このダッシュボードでは、取り込みやアーカイブ、エンコード、配信元の状態のテレメトリ エンティティがキャプチャされるため、ユーザーは低いレイテンシで各サービスの正常性を定量化することができます。また、ビデオ ストリームの取り込みの受信側データ転送速度、ストレージ アーカイブで欠落したデータ、エンコードのデータ処理速度、配信元の HTTP エラーのステータス コードおよびレイテンシに関するデータも提供されます。

このプロジェクトに協力してくれた Prakash Duggaraju (英語) に感謝の意を表します。

ダッシュボードの概要

下の画像は、Live Monitoring Dashboard のアカウント レベルのビューです。左上のウィンドウには、各デプロイメントの正常性がステータス コード別の色で示されています。テレメトリ エンティティについては、取り込みが「i」、アーカイブが「a」、配信元が「o」、エンコードが「e」と、それぞれ略号で示されています。インジケーターの色は、その時点でエンティティがどの程度影響を受けているかを大まかに表しています。たとえば、緑は「正常」、オレンジは「影響あり」、赤は「異常」、グレーは「非アクティブ」を意味します。各フラグのしきい値は、ストレージ アカウントの JSON 構成ファイルで変更できます。右側のウィンドウには各デプロイメントの詳細ビューが表示され、アクティブなステータス表示をクリックするとその項目をさらにドリルダウンできます。

このダッシュボードのバックエンドには、Azure Storage のアカウントからテレメトリ データを読み込む SQL Database を使用しています。現在サポートされているテレメトリ データの種類については、テレメトリのリリースに関するこちらのブログ記事 (英語) を参照してください。ダッシュボードの表示は、すべて 30 秒ごとに自動的に最新のテレメトリ データに更新されます。

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チャネルの詳細ビュー

チャネルの詳細ビューでは、そのチャネルの受信側のデータ転送速度、切断数、重複数、ビットレート満足率が表示されます。このビューで確認できる項目は以下のとおりです。

  • ビットレート: そのトラックで必要なビットレートが表示されます。また、該当するチャネルの受信速度のビットレートも表示されます。
  • 切断数: ストリーミングで欠落した断片のインスタンス数が表示されます。
  • 重複数: チャネルで受信した同一または重複するストリーム タイムスタンプを持つ断片のインスタンス数が表示されます。
  • ビットレート満足率: 必要なビットレートに対して実際に受信したビットレートの割合が表示されます。

チャネル内で切断や重複がなく、ビットレート満足率の値が 1 であることが理想的です。それぞれの値が正常値から外れると、設定されているフラグが表示されます。

Channel Detailed View

アーカイブの詳細ビュー

アーカイブの詳細ビューでは、各トラックのバックエンドとなるアーカイブ エンティティのビットレート、欠落した断片数、断片の欠落の発生率が表示されます。このビューで確認できる項目は以下のとおりです。

  • ビットレート: そのトラックで必要なビットレートが表示されます。
  • 欠落した断片数: プログラム内で欠落した断片の数が表示されます。
  • 断片の欠落の発生率: 1 分間に断片の欠落が発生した回数が表示されます。

欠落した断片数と断片の欠落の発生率は 0 であることが理想的です。

Archive Detailed View

配信元の詳細ビュー

配信元の詳細ビューでは、配信元の要求数、送信済みバイト数、サーバーのレイテンシ、エンドツーエンド (E2E) のレイテンシ、要求発生率、帯域幅、データ出力使用率が表示されます。このビューで確認できる項目は以下のとおりです。

  • 要求数: クライアントが配信元に発行したデータ要求の回数が、HTTP ステータス コードごとに表示されます。
  • 送信済みバイト数: クライアントに返されたバイト数が表示されます。
  • サーバーのレイテンシ: 要求に応答するサーバーのレイテンシが表示されます。
  • エンドツーエンドのレイテンシ: 要求への応答のレイテンシ全体が表示されます。
  • 要求発生率: 配信元が受信した 1 分あたりの要求数が表示されます。
  • 帯域幅: 配信元の応答のスループットが表示されます。
  • 要求満足率: 特定の要求に対する HTTP ステータス コードの割合が表示されます。
  • データ出力使用率: 配信元が使用するスループットが占める、最大スループットに対する割合が表示されます。

配信元の要求に対してはすべて HTTP ステータス コード 200 が返され、要求エラー (400 番台 + 500 番台の HTTP ステータス コード。ただし、412 は除く) が発生しないことが理想的です。また、データ出力使用率は、最大スループットの 90 ~ 95% を超過しないことが理想とされます。

Origin Detailed View

エンコードの詳細ビュー

エンコードの詳細ビューでは、入力、コード変換、出力、全体の正常性が表示されます。

Encode Detailed View

Optimally, the encoder detailed view should reflect overall healthy status.

エンコードの詳細ビューでは、すべての正常性状態が反映されることが理想的です。

機能に関するフィードバックのお願い

マイクロソフトは、お客様のニーズをより深く理解するために、お客様からフィードバックをお寄せいただきたいと考えております。機能に関するフィードバックや新しいアイデア、バグのご報告を受け付け、それをもとに随時優れたサービスや最新テクノロジを提供させていただきます。新機能に関するご提案、アイデア、フィードバックは、 Azure Media Services の UserVoice (英語) までお寄せください。また、問題点やご不明な点、不具合の報告などは、フォーラム (英語) までお寄せいただければ幸いです。