Azure Advisor のパブリック プレビューを発表

執筆者: Shankar Sivadasan (Sr. Product Marketing Manager, Cloud Platform)

このポストは、11 月 17 日に投稿された Announcing the public preview of Azure Advisor の翻訳です。

 

今回の記事は、CloudES 担当シニア プログラム マネージャーを務める Manbeen Kohli と共同で執筆したものです。

Azure でアプリケーションの構築を始めるのは難しいことではありませんが、基盤となる Azure リソースを適切にセットアップし最適な形で使用しようとするとそう簡単ではありません。そこでこのたび、Azure リソースを最適に構成するためのベスト プラクティスを個々のユーザーに合わせて積極的に提案する Azure Advisor のパブリック プレビューを発表しました。

Azure Advisor では、リソースの構成と使用状況のテレメトリ データを分析し、リスクや潜在的な問題を検出できます。そのうえで Azure のベスト プラクティスに基づいてコスト削減のための推奨事項やアプリケーションのセキュリティ、パフォーマンス、信頼性の向上につながる方策が提案されます。この記事では、Azure Advisor についてご紹介しながら、この機能によって Azure リソースがどのように最適化されるかをご説明します。

推奨事項を確認する

Azure Advisor の使用を開始するには、まず Azure ポータルにアクセスします。次にサブスクリプションを選択して [Get recommendations] ボタンをクリックします。選択したサブスクリプションにプロビジョニングされているリソースに関して、推奨事項の総数とその一覧が表示されます。
Screenshot 1

推奨事項はリソース グループごとに絞り込むことができ、それぞれの推奨事項のビジネスへの影響が表示されます。また、推奨事項をカテゴリごとに分けて表示することもできます。

カテゴリ 説明
高可用性 Azure Advisor がリソース構成を調査し、アプリケーションの可用性向上に役立つ推奨事項を提案します。たとえば、ベスト プラクティスとして、複数の単一インスタンスの VM を可用性セットに移動することを推奨します。可用性セットを利用する構成では、計画内または計画外のメンテナンスが実施された場合でも、少なくとも 1 台の仮想マシンが稼働し Azure VM の SLA の条件が満たされます。
コスト Azure Advisor がリソースの使用状況を調べ、コストを削減する方法を提案します。たとえば、使用されていない VM が存在する場合は、VM の実行コストの見積もりを提示し、VM を停止するかダウンサイズすることを推奨します。
セキュリティ Azure Security Center をよくご存知の方も多いかと思いますが、Azure Advisor は Azure Security Center と統合されており、セキュリティに関連する推奨事項を提案します。このため、一元的に Azure の推奨事項を得ることができます。
パフォーマンス パフォーマンスの最適化に関する推奨事項は、Azure のサービスの種類ごとに異なります。たとえば、Redis キャッシュについては、Redis クラスターのパフォーマンスを向上させる推奨事項を提案します。Azure Advisor を使用すると、アプリケーションで使用されるそれぞれの Azure サービスに移動せずに Redis、SQL Database、Web Apps などのパフォーマンスに関するすべての推奨事項を簡単にまとめて確認できます。

推奨事項の管理

Azure Advisor ではそれぞれの推奨事項について方策が提示されるだけでなく、手順ごとのガイドや問題の修正方法も提供されます。また、インラインでの操作も可能で、Azure Advisor ポータルから直接推奨事項をクリックして実施できます。推奨事項をすぐに実施しない場合は、スヌーズ機能で一定期間後に再表示することも可能です。また、推奨事項を消去することもできます (スヌーズ機能で [Never] を選択)。

Screenshot 2

Azure Advisor ではそのユーザーに合った Azure のベスト プラクティスが提案されます。ぜひご活用いただけますと幸いです。Azure ポータルにアクセスして使用を開始し、お客様の環境の推奨事項をご確認ください。サポート対象の推奨事項など、Azure Advisor の詳細についてはこちらのドキュメントを参照してください。いつものお願いではありますが、皆様からのフィードバックもお待ちしております。