Azure Analysis Services のプレビューを発表

執筆者: Bret Grinslade (Principal Program Manager, Azure Analysis Services)

このポストは、10 月 25 日に投稿された Announcing Azure Analysis Services preview の翻訳です。

 

このたび、クラウドの最新データ プラットフォームとなる Microsoft Azure Analysis Services (英語) のパブリック プレビューが発表されました。分析エンジンとして実績のある SQL Server Analysis Services が基盤の Azure Analysis Services は、完全に管理された「サービスとしてのプラットフォーム (PaaS)」として提供されるエンタープライズ クラスの OLAP エンジンおよび BI モデリング用プラットフォームです。Azure Analysis Services では、Power BI や Excel などの BI ツールやカスタム アプリケーションのインタラクティブかつ高度な分析エクスペリエンスを強化するため、開発者や BI プロフェッショナルによる BI セマンティック モデルの作成が可能になりました。

Azure Analysis Services の利点

データ重視型の先進的な組織で成功を収めるには、IT プロフェッショナルやデータ サイエンティストのみならず、すべてのビジネス ユーザーが日々の意思決定に必要な情報に手軽にアクセスできることが求められます。セルフサービス BI ツールは、ビジネス ユーザーがデータにアクセスできるようになるという点では画期的でした。しかし、適切なデータ ソースを探し、生データを適切な形に変換し、ビジネス ロジックやメトリックを追加して、最終的にデータからインサイトを導き出すといった高度なスキルを持ったビジネス ユーザーは少なく、このような複雑な作業は敬遠されがちです。Azure Analysis Services では、BI プロフェッショナルが生データに対するセマンティック モデルを作成し、ビジネス ユーザーと共有することができます。これにより、ビジネス ユーザーはこのモデルに接続するだけですぐにデータを探りインサイトを得ることができます。また Azure Analysis Services は高度に最適化されたインメモリ エンジンを採用しており、「思考スピード」でユーザーのクエリに応答することができます。

完全に管理されたサービスとしてのプラットフォーム

  • 開発者は Developer (D1) サービス レベルまたは Standard (S1/S2/S4) サービス レベルのサーバーを数秒程度で作成できます。各サービス レベルには、クエリ処理ユニットやモデル キャッシュなどの固定容量が割り当てられます。Developer サービス レベル (D1) では最大 3 GB のモデル キャッシュを使用可能で、最高のサービス レベルとなる S4 では最大 100 GB を使用できます。
  • Standard サービス レベルではパフォーマンス予測のための専用容量が提供されており、運用環境のワークロードに適しています。Developer サービス レベルは、概念実証環境、開発環境、テスト環境のワークロードに推奨されています。
  • 管理者はサーバーをいつでも一時停止/再開させることができます。サーバー停止中は料金は発生しません。また、今後 Standard サービス レベルの間でサーバーのスケール アップとスケール ダウンが可能になる予定です (現時点では未対応)。
  • 開発者は Azure Active Directory を使用してユーザー ID やモデルに対するロール ベースのセキュリティを管理することができます。
  • このサービスは、現在米国中南部および西ヨーロッパの各リージョンで提供中です。なお、プレビュー期間中に提供地域が拡大される予定です。

SQL Server Analysis Services の互換性

  • 開発者は、モデルの作成とサービスへのデプロイに Visual Studio の SQL Server Data Tools を使用できます。管理者は、モデルの管理に SQL Server Management Studio、問題の調査に SQL Server Profiler を使用できます。
  • ビジネス ユーザーはあらゆる主要 BI ツールでモデルを使用できます。マイクロソフト製ツールでは Power BI、Excel、SQL Server Reporting Services がサポートされています。この他にも、MDX に準拠した BI ツールであれば、最新ドライバーをダウンロードしてインストールすることで使用可能です。
  • このサービスは、現時点では表形式モデル (互換性レベル 1200 のみ) をサポートしています。多次元モデルのサポートについては、お客様からのご要望に応じて今後検討します。
  • Azure (Azure SQL Database や Azure SQL Data Warehouse など) およびオンプレミス (SQL Server や Oracle、Teradata など) のさまざまなソースのデータを使用できます。オンプレミスのソースには、オンプレミスのデータ ゲートウェイからアクセスします。
  • モデルは高度に最適化されたインメモリ エンジンにキャッシュされるため、インタラクティブな BI ツールで高い応答性が実現されています。また、DirectQuery を使用してソースを直接クエリできるため、基盤となるデータベースやビッグ データ エンジンのパフォーマンスやスケーラビリティを活用することができます。

Azure Analysis Services Overview
ぜひ Azure Analysis Services プレビューを使用して、Azure ポータルまたは Azure Resource Manager テンプレートからリソースを暗黙的にプロビジョニングし、そのサーバー名を Visual Studio プロジェクトで使用してみてください。また、モデルへのアクセスのセキュリティ管理には Azure Active Directory のユーザー名 (UPN) やロール メンバーシップのグループをご利用ください。ぜひこのサービスをお試しいただき、ご意見をお聞かせください。

詳細については Azure Analysis Services ページ (英語) をご覧ください。