Azure Monitor のパブリック プレビューを発表

執筆者: Ashwin Kamath (Azure Monitor、シニア プログラム マネージャー)

このポストは、9 月 26 日に投稿された Announcing the public preview of Azure Monitor の翻訳です。

 

マイクロソフトはこのたび Azure Monitor のパブリック プレビューをリリースしました。Azure Monitor は、組み込みの監視機能をすべての Azure ユーザーに提供する新しいサービスで、このプレビューは Azure リソースの既存の監視機能を基盤に構築されました。Azure Monitor を使用すると、ポータルや API からメトリックやログを利用してリソースの状態やパフォーマンスを詳しく把握することができます。アラート ルールを構成するとリソースに影響を及ぼす問題が発生した際に通知を受け取ったり、問題に自動対応したりすることができます。また、ポータルを通じて分析機能、トラブルシューティング機能、統合ダッシュボードを利用できるほか、API やデータの各種エクスポート オプションを利用して幅広い製品を統合することが可能です。今回の記事では、Azure Monitor の概要をご紹介すると共に、一部の製品統合についてご説明します。

あらゆる監視タスクにすばやくアクセスできる

Azure Monitor を使用すると、ポータル内の 1 つの場所からすべての監視タスクにアクセスし、管理することができます。Azure Monitor にアクセスするには、Azure ポータルの [Monitor] タブをクリックします。アクティビティ ログ、メトリック、診断ログ、アラート ルール、高度な監視ツールや分析ツールへのクイック リンクが表示されます。Azure Monitor は、アクティビティ ログ、メトリック、診断ログという 3 種類のデータを提供します。

アクティビティ ログ

運用に関する問題は、基盤となるリソースの変更が原因で起きることが少なくありません。アクティビティ ログには、Azure リソースに対して実行されるすべての操作が記録されます。ポータルの [Activity Log] セクションでは、アプリケーションに影響を及ぼした可能性のある操作をすばやく検索、特定することができます。また、ポータルではアクティビティ ログのクエリをダッシュボードにピン留めして、関心のある操作に関するタブを常に表示しておくことができます。たとえば、エラー レベルのイベントをフィルタリングするクエリをピン留めしておけば、イベントの発生件数をすぐにダッシュボードで確認することができます。さらに、Microsoft Operations Management Suite (OMS) の Log Analytics を使用して、アクティビティ ログの分析を瞬時に実行することもできます。

メトリック

新しい [Metrics] タブでは、あらゆるリソースのすべてのメトリックを閲覧し、グラフに表示することができます。関心のあるメトリックに対し、ワンクリックでアラート ルールを作成できます。現在、大半の Azure サービスが標準でプラットフォーム レベルのメトリックを提供しています。粒度は 1 分単位、データの保存期間は 30 日間で、診断機能のセットアップは不要です。サポートされるリソースやメトリックの一覧については、こちらのページ (英語) をご覧ください。これらのメトリックには新しい REST API からアクセスして、サードパーティ製の監視ツールに直接統合できます。

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診断ログ

Azure サービスの多くは診断ログを提供しています。診断ログには、監査やトラブルシューティングにおいて重要となる操作やエラーに関する詳細な情報が含まれます。新しい [Diagnostic logs] タブでは、リソースの診断構成を管理したり、診断ログを利用する方法を選択したりすることができます。

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アラートと自動対応

Azure Monitor は問題をすばやくトラブルシューティングするためのデータを提供してくれますが、実際には顧客に影響が及ぶ前に問題を見つけ、迅速に解決したいものです。アラート ルールを使用すると、メトリックがしきい値を超えた時点で通知を受け取ることができます。通知をメールで受信することもできますし、Automation Runbook スクリプトや Webhook で自動的に問題を解決することもできます。また、カスタムのメトリックおよびイベント用 API を使用して独自のメトリックを構成し、Azure Monitor パイプラインにデータを送信したり、アラート ルールを作成したりすることも可能です。プラットフォーム レベル、カスタム、アプリケーション レベルのメトリックに対してアラート ルールを作成できるので、リソースを細かく制御できます。アラート ルールの詳細については、こちらのページ (英語) をご覧ください。

単一の監視ダッシュボード

Azure では、プラットフォーム テレメトリ、アプリケーション テレメトリ、分析グラフ、セキュリティ監視のすべてを視覚化する単一のダッシュボードが提供されます。ダッシュボードは他のチーム メンバーと共有したり、複製して新しいダッシュボードを作成することもできます。

拡張性

ポータルでは Azure Monitor の利用を簡単に開始することができますが、Azure リソースが大量にあり、Azure Monitor のセットアップを自動化したいという場合は、Resource Manager テンプレート、PowerShell、CLI、REST API のいずれかを利用することができます。また、監視設定やデータへのアクセス許可を管理するには監視ロールを使用できます。

製品統合

Azure Monitor のデータを皆様が普段使用している監視ツールで分析したい場合は、製品統合を利用して Azure Monitor のデータを任意のツールにほぼリアルタイムでルーティングできます。Azure Monitor では、メトリックや診断ログを OMS Log Analytics に簡単にストリーミングして、あらゆるリソースやサブスクリプション全体のデータに対してカスタムのログ検索や高度なアラート通知を行うことができます。Websites や VM に関する Azure Monitor のメトリックやログは Visual Studio Application Insights に簡単にルーティングできるので、Azure ポータルの詳細なアプリケーションのパフォーマンス管理機能を利用できます。

ポータルに表示されている製品以外に、マイクロソフトのパートナーが提供する追加の監視機能を統合することもできます。お客様のニーズをさらに満たせるよう、今後も Azure で利用可能なパートナー製サービスを随時追加してまいります。現在サポートされている製品統合の一覧はこちら (英語) です。ご覧のうえ、ご希望があればぜひお聞かせください。

今回の記事でご紹介したように、Azure Monitor を利用するとあらゆる Azure リソースの監視データを集約して、任意の監視ツールでアプリケーションの全体像を把握することができます。以下のスクリーンショットは、マイクロソフトが Azure で実行しているアプリケーションの監視に使用しているダッシュボードのサンプルです。Azure Monitor を使用してさまざまなダッシュボードを構築してみてください。使用を開始するにはまず Azure Monitor のドキュメントをご覧ください。ご意見、ご感想はこちら (英語) までお寄せいただければ幸いです。

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