Outlook の PST ファイルのアーカイブをクラウドにバックアップ


執筆者: Saurabh Sensharma (Program Manager II, Azure Backup)

このポストは、4 月 15 日に投稿された Cloud Backups for Outlook PST file archives の翻訳です。

 

 

Microsoft Outlook では、メッセージ、連絡先、予定表、履歴といったメールに関するあらゆる情報が PST ファイルという個人用ストレージ フォルダーに保存されます。PST ファイルの保存場所は Outlook の構成によって異なり、ローカルのハード ディスクにある場合と Microsoft Exchange Server のメールボックス内にある場合があります。この記事では、PST ファイルの長期バックアップに関する詳細、Microsoft Operations Management Suite (OMS) のコンポーネントである Azure Backup を活用したバックアップ、およびバックアップが正常に行われたかどうかを確認する方法について説明します。

なぜ PST ファイルを使用するのか?

メールボックス容量の管理

Exchange Server 内のメールボックスの容量の制限値は、ほとんどの場合 Exchange 管理者が設定しています。PST ファイルのメカニズムとして、すべてのメール資産はメールボックスからローカル ハード ディスクの PST ファイルにドラッグ アンド ドロップするだけで移動できるため、メールの送受信のための容量が常に確保されます。

移動が簡単

PST ファイルには重要なメール資産を保存できるため、他の部署に異動になったとしても、その PST ファイルをメールボックス内の任意の場所に移動させることができます。また、過去の古いメールを参照する場合にも役立ちます。

メールのデータを長期保存し、将来的にも参照できるようにするには、PST ファイルが Exchange Server とローカル ハード ディスクのどちらにある場合でも、Azure Backup などの長期保存を見据えたクラウド バックアップ ソリューションに保存することが推奨されます。そうすることで、予期しないディスク/サーバーの障害などからもデータを未然に保護することができます。

PST ファイルの長期バックアップに関する問題

PST ファイルはサイズが大きくなってしまうことが珍しくありません (通常 2 ~ 20 GB)。Outlook.exe そのもの、または Outlook.exe に依存するプロセスの実行中は、Outlook によって関連する PST ファイルが開かれており、書き込みのためにロックされます。Outlook の実行中は PST ファイルがほぼ開きっぱなしになるため、PST ファイルに堅牢なバックアップ システムを構築することは容易ではなく、次のようなさまざまな問題に対処しなければなりません。

問題: PST ファイルの容量が大きい、バックアップ間隔を短縮したい

  • バックアップは、容量を効率的に使用できる方法で実行される必要がある
  • バックアップは、使用帯域幅を抑制しながら迅速に実行される必要がある

差分バックアップは、ファイルまたはディスク内の変更された部分のみをバックアップする優れた方法です。この方法を利用すれば、バックアップ容量を節約し、迅速にバックアップを実行することができます。

問題: PST ファイルがほぼ開かれっぱなしになる

  • ファイルに関連付けられているアプリケーションがファイルをロックしていると、バックアップ アプリケーションはそのファイルにアクセスすることができません。何度も再試行したにもかかわらず、結局一貫性を維持した PST ファイルのバックアップが失敗する場合があります。
  • 差分バックアップをまったく実行できず、バックアップ アプリケーションが PST ファイルの変更を示すフラグに依存している場合は、バックアップを実行しようとするたびにファイルが変更されていると判断されるため、結局ファイル全体を再度バックアップすることになります。

Microsoft Azure Backup PST ファイルをバックアップする

PST ファイルを確実かつ最適にバックアップするには、少なくとも以下の機能を備えたバックアップ ソリューションを選択すべきです。

 

Microsoft Azure Backup では、ブロック レベルの変更を確実に追跡するために、ファイル システム フィルター ドライバーと呼ばれるカーネル モード コンポーネント、またはファイル内のブロックの変更を追跡する保守チェックサムを使用しています。いずれの手法でも、OS ドキュメントに記載されている機能や API を使用して、該当ファイルに関連付けられているアプリケーションの動作を阻害することなくファイルの入出力を検知し、ボリューム内に存在する PST ファイルなどの特定のファイルの変更に関する情報のみを保存できます。

Microsoft Azure Backup はボリュームのスナップショット作成に VSS の API も使用していて、バックアップ ファイルに関連付けられているアプリケーションが標準ボリュームで動作を継続しながら、同時にバックアップ アプリケーションがファイルのバックアップに使用するボリュームの仮想スナップショットを定期的に作成しています。シャドウ コピー作成要求は OS が担当する一連の手順により実行され、ファイルを開く必要がある入出力処理について、ボリューム上のファイルの一貫性が保証されます。

ここで、シャドウ コピーを確実に作成するために VSS の API をすべて使用するには、呼び出し元が必ず Azure Backup の既定の設定である管理者モードになっている必要があります。一部のプロバイダーでは、推奨される手法に従って VSS の API を呼び出すことができるように、ユーザーがこの設定を手動で行ってサービスを選択的に有効化する必要があります。

ボリュームのスナップショットが取得されたら、バックアップ アプリケーションは保存されているブロック レベルの変更情報を使用してスナップショットのファイル内の変更箇所のみを送信し、バックアップを行います。このバックアップ手法では以下のことが保証されます。

  • バックアップは差分のみ行われるため、使用する容量を抑えられる
  • 大容量の PST ファイルのコピーによって帯域幅が大量に消費されるということはなく、バックアップを迅速に完了できる
  • バックアップ時の入出力の整合性が確保されるため、ファイルが Outlook やその他の関連付けられているアプリケーションによってロックされていても最新の変更が適用される

 

PST ファイルのバックアップが正常に実行されたかを確認するには

ここまでは PST ファイルの差分バックアップについて説明してきました。ここからは、皆様が現在使用しているバックアップ アプリケーションが PST ファイルのバックアップを正常に行っているかどうかを確認する方法について説明します。

インストール時、起動時、アップグレード時に UAC プロンプトが表示されるか確認する

バックアップ ソリューションがカーネル モード コンポーネントを備えており、管理者モードで実行されていて VSS の API を完全に使用できる場合は、アプリケーションのインストール時、起動時、アップグレード時にユーザー アカウント制御 (UAC) のプロンプトが表示されます。

UAC-prompt1

このような画面が表示されない場合、バックアップ ソリューションがボリュームのスナップショットを作成しておらず、PST ファイルの変更箇所を追跡していない可能性があり、バックアップの信頼性が確保されません。

転送されたバックアップ データの容量を確認する

アプリケーションのセットアップが完了したら、PST ファイルのバックアップのステータスを確認します。Outlook の起動中にバックアップ エラーが発生することなく、転送されたデータのサイズが PST ファイルよりも大幅に小さい場合は、PST ファイルのバックアップが正常に実行されたと考えられます。

恒常的に差分バックアップが行われると謳っているバックアップ製品の中には、PST ファイルのように常に開かれているファイルはその例外で、既定でファイル全体が毎回バックアップされる、ということが明記されていない場合があります。これは一般的に、ファイルの入出力を確実に検知できず、ブロック レベルの変更を追跡できないということが原因となっています。このような場合、ファイルの変更をバックアップ アプリケーションが検知しても、ファイル内の変更箇所を特定することができないため、結果的にファイル全体を送信してバックアップすることになります。

PST ファイルを保護するには

現在 Azure をご利用中で PST ファイルの保護を行っていないお客様は、Windows マシンに最新の Azure Backup エージェントをインストールすることですぐに保護を開始できます。一方、Azure をまだご利用されていない方は、Azure の無料試用版をお試しください。

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