IoT 管理を効率化する 2 つの新機能を発表

執筆者: Sam George (Partner Director, Azure Internet of Things )

このポストは 3 月 31 日に投稿された Microsoft announces two new offerings to streamline IoT management の翻訳です。

 

本日の //Build では、Azure IoT Hub Device Management と Azure IoT Gateway SDK が発表されました。これらはお客様による IoT デプロイメントの管理を大幅に簡素化する強力な新機能のプレビューで、開発者、IT マネージャー、オペレーターの皆様はこれらを利用して今まで以上に簡単に IoT デプロイメントを管理することができます。

IoT ソリューションは通常、ソフトウェア、ファームウェア、接続、セキュリティ機能が異なるさまざまな種類のデバイスで構成されています。多くの企業にとっては、新しいデバイスのソフトウェア、ファームウェア、構成を常に最新の状態に維持するだけでも困難なことですが、IoT デバイスは各地に分散しているため、状況はよりいっそう複雑になります。また、何年も前に投資した古い「レガシ」デバイスを今でも使用しなければならない企業も少なくありません。しかも、これらのデバイスの一部にはクラウドと直接通信する機能が備わっていないため、中継するデバイスが必要になります。今回発表した新機能は、マイクロソフトとしてこうした課題に対処すると共に、引き続き IoT 管理を簡素化することで、お客様がデプロイメントの手配ではなく、ビジネス チャンスの活用に集中できるようにします。

 

Azure IoT Hub Device Management

Azure IoT Hub の新しいデバイス管理機能により、管理者は各地に分散する何百万という IoT デバイスのソフトウェア、ファームウェア、構成の登録、状態と正常性の確認、調整、アクセス制御、更新を行うことができます。一方で、企業としてはカスタムのデバイス管理ソリューションを開発、保守する負担から解放され、時間やリソースを大幅に節約できます。

Azure IoT Hub は何百万ものデバイスを管理するようにスケーリングできるうえ、それらのデバイスで、Open Mobile Alliance (OMA) が策定する IoT デバイス管理の主要標準である LWM2M プロトコルをサポートできます。LWM2M を IoT デバイスの管理に活用する開発者やデバイス メーカーが増えてきている中、Eclipse Foundation やオープン ソース コミュニティの他のメンバーと協力して、皆様に貢献できることを嬉しく思います。

Azure IoT Hub Device Management は現在、早期に導入した一部のお客様にご利用いただいています。サービス側の新しい API を使用することで、IoT ソリューションのクラウド プログラミング モデルが簡素化されます。

  • Device Registry Manager API: クラウド ソリューションの IoT デバイスを操作するファースト クラス デバイス オブジェクトを提供します。このデバイス オブジェクトにより、クラウド ソリューションでデバイス プロパティおよびサービス プロパティを操作できます。デバイス プロパティは、構成を行ったり、IoT ソリューションにデバイスの状態 (ファームウェアのバージョン、OEM の名前、シリアル番号など) を通知したりするために、デバイスによって使用されます。サービス プロパティ (タグなど) は、デバイスではなく IoT ソリューションで必要となる参照データです。
  • Device Groups API: グループ化されたデバイスをまとめて操作し、ソリューションのトポロジに対応するようにアクセスを制御します。
  • Device Queries API: タグ、デバイス プロパティ、サービス プロパティに基づいて、IoT ソリューション内のデバイスを検索します。
  • Device Models API: IoT ソリューション内のデバイスやエンティティの情報モデルを定義します。
  • Device Jobs API: さまざまな種類のデバイスから構成されるグループ全体の同時オーケストレーションを実行、監視します。

 

Azure IoT Gateway SDK

IoT デプロイメントにおいて非常に重要な部分となるのがフィールド ゲートウェイです。Azure IoT Gateway SDK を使用することで、開発者や ISV の皆様は、エッジ インテリジェンス向けに、クラウドにデータを送信する前に最適化および処理を行う機能を備えたモジュールを簡単に構築、デプロイできます。このモジュールでは既存のインフラストラクチャを置き換えることなく、レガシ デバイスを Azure クラウド サービスに接続することもできます。これを可能にするために、Azure IoT Gateway SDK では、モジュールの動的読み込み、構成、データのパイプライン処理など、ゲートウェイ アプリケーションのデプロイメントに必要な手間のかかる作業の大部分を実行するソース コードが提供されます。

さまざまな種類のデバイスから構成される複雑なトポロジをご利用のお客様には、Azure IoT Gateway SDK のメリットをきっと実感していただけるでしょう。たとえば、レガシ デバイスを Azure IoT Hub に接続し、それらをゲートウェイ経由でクラウドから管理する必要がある場合や、暗号化、アノテーション、事前処理、フィルター処理、クラウドへのデータ送信前に実行するその他のロジックといったエッジ インテリジェンス機能を提供する必要がある場合などに有用です。リアルタイムの処理に対応したエッジ ロジックによりレイテンシを最小限に抑えたり、選択したデータをローカルで処理して帯域幅のコストを削減したり、セキュリティとプライバシーの制約を適用したりと、企業のお客様にはさまざまなメリットがあります。

今回、IoT デプロイメントの管理を容易にする上記の 2 つの新機能を発表できたことを嬉しく思います。しかし、この取り組みはまだ始まったばかりです。

IoT に対するマイクロソフトのアプローチの詳細については、こちらのページをご覧ください。