Azure で Debian を実行する

このポストは、1 月 6 日に投稿された Running Debian in Azure の翻訳です。

Debian は現在入手可能な Linux ディストリビューションの中でも特に人気が高く、完全に無料のオープン ソース ソフトウェアで構成されています。そのほとんどは GNU General Public License に準拠しており、Debian Project と呼ばれる個人のグループによりパッケージ化されています。

マイクロソフトは Linux Foundation のメンバーである Credativ (英語) と提携し、Azure での動作保証済み Linux ディストリビューションの 1 つとして Debian を Microsoft Azure Marketplace で公開しています。これにより、ユーザーの皆様にはマイクロソフトのサポートを受けつつ Debian を Azure で実行していただけます。この記事では、Azure で Debian を実行する方法について順を追って説明します。記事の内容は、Azure サブスクリプションを所有し、Azure で Linux VM を使用した経験があることを前提としています。

Azure サブスクリプションはこちらのページから入手できます。Azure での VM の作成方法については、こちらのページをご覧ください。

Azure Marketplace から Debian VM を作成する

ユーザーが所有する Debian イメージを Azure で使用することもできますが、できれば Azure Marketplace で公開されている作成済みのイメージをご利用になることをお勧めします。これらのイメージは Credativ が作成したもので、Credativ とマイクロソフトがテストを実施しており、マイクロソフトの定めるサポート ポリシー (英語) に従って Microsoft Azure の Linux およびオープン ソース開発者サポート チームによるサポートを受けることができます。マイクロソフトと Credativ は今後も協力して最新バージョンの Debian を Azure で提供してまいります。現時点で Azure で使用可能な Debian イメージは、安定版リリースの Debian 7 (コードネーム “Wheezy”) と Debian 8 (コードネーム “Jessie”) です。

ではまず、ご自身の Azure サブスクリプションで Azure 管理ポータルにログインしてください。

  • Azure ポータルの Marketplace で「Debian」というキーワードを検索し、リストからお好みのバージョンの Debian を選択します。

         

  • 右下隅のドロップダウン リストでデプロイメント モデルを [Classic] と [Resource Manager] のいずれかから選択します。 [Resource Manager] モデルでは最新の Azure プラットフォーム機能がサポートされるため、こちらのモデルをお勧めします。Resource Manager の詳細については、こちらのページをご覧ください。

         

  • [Create] ボタンをクリックして Debian VM を作成します。このとき、VM 名、ユーザー、パスワード、リージョンなどの必要な情報を入力します。

Azure Marketplace の Debian 7 “Wheezy” に関する注意事項

Debian 7 “Wheezy” は 3.2 カーネルを基盤としていますが、このカーネルには Azure で適切に動作するために必要な最新バージョンの Linux Integration Services が含まれていません。Azure ではこの問題を解決するために Debian backports から 3.16 カーネルを使用して Debian 7 “Wheezy” イメージをパッケージ化しました。このカーネルは Debian 8 “Jessie” と同じバージョンですが、Debian 7 “Wheezy” 向けに調整、再コンパイルされ、Azure でのテストも済んでおり、サポートも適用されます。Azure で使用されている安定版リリースのカーネルのバージョンは以下のとおりです。

Azure で使用可能な Debian

カーネルのバージョン

Debian 7 (“Wheezy”)

3.16.0-0.bpo.4-amd64

Debian 8 (“Jessie”)

3.16.0-4-amd64

上記より新しい Debian ソフトウェアの情報については、Debian backports (英語) を参照してください。

ユーザー独自の Debian を Azure で使用する

ユーザーが独自に作成した Debian イメージを Azure で使用する場合、イメージを Azure に展開する前にいくつかの重要な手順を実行する必要があります。

  • ネットワークが構成されていることを確認する
  • GRUB 構成でカーネル ブート行を変更し、Azure で必要なカーネル パラメーターを追加する
  • Azure Linux Agent をインストールする
  • SSH サーバーをインストールして有効化する
  • OS ディスクにスワップ領域が作成されていないことを確認する
  • シャットダウンの前に VM のプロビジョニングを解除する

Debian VHD の作成や Azure へのアップロードに関する手順の詳細については、こちらのテクニカル ガイドをご覧ください。