Azure Redis Cache の Premium レベルの一般提供を開始

このポストは、12 月 3 日に投稿された Azure Redis Cache: General availability of Premium tier の翻訳です。

Azure Redis Cache の Premium レベルの一般提供が開始されることが発表されました。Premium レベルは、最大のスケーラビリティとエンタープライズ統合を実現するエンタープライズ向けのサービスです。

Premium レベルの提供については今年 10 月に発表されましたが、それ以降 Azure チームでは、お客様にアプリケーション構築とデプロイを開始いただくために、運用環境への対応に取り組んできました。

この記事では Premium レベルの概要についてご説明します。本日から Premium レベルの Cache 作成が可能になり、以下に紹介するすべての機能を使用できるようになりました。パブリック プレビューでは制限されていた Redis Cache のクラスター化と永続化についても利用できるようになっています。

Basic/Standard レベルよりも高いパフォーマンス

Premium レベルの Cache は高速なプロセッサを搭載したハードウェアにデプロイされるため、Basic/Standard レベルと比較してパフォーマンスが高くなります。

Cache のサイズが同じ場合、Premium レベルの方が Standard レベルよりも高スループットです たとえば、53 GB の Cache では Standard C6 のスループットが 150K であるのに対し、P4 (Premium) のスループットは 250K RPS になります。

Premium レベルのパフォーマンス特性の詳細については、FAQ を参照してください。

Redis のデータ永続化機能

Premium レベルでは、Redis に格納されたデータを Azure ストレージ アカウントに永続的に保存できます。Basic/Standard レベルでは、すべてのデータはメモリのみに格納されるため、基盤インフラストラクチャに問題が発生した場合、データ損失を起こす可能性があります。そのため Premium レベルで提供される Redis のデータ永続化機能を使用して、データ損失に対する回復性を強化することをお勧めします。

Azure Redis Cache では、Redis に実装 (英語) されている Redis の永続化機能を使用できます。今回の更新では RDB の永続化機能が提供されます。AOF でも、今後提供が予定されています。

詳細については、Redis Cache の作成と Redis の永続化に関する記事をお読みください。

Redis Cluster

Azure Redis Cache では、Redis に実装 (英語) されている Redis Cluster 機能を使用できます。この機能には以下のメリットがあります。

  • 複数の Redis ノード間でデータセットを自動的に分割できます。
  • シャード数に比例してスループットが向上します。
  • シャード数に比例してメモリ容量が増加します。このため、53 GB を超えるデータを保存できる Redis Cluster を作成できます。

Azure Redis では Redis Cluster (英語) のマスター/スレーブ モデルを採用しています。クラスター内の各シャード (Redis ノード) がマスターとスレーブのペアになっており、Azure Redis Cache サービスがこれらのクラスター内のノードの間でレプリケーションとフェールオーバーを管理します。

Redis のクラスタリングにより、スケーラビリティとスループットが最大化します。 スループットは、クラスター内のシャード (ノード) の数に比例します。たとえば、10 個のシャードを持つ P4 クラスターを作成した場合、スループットは最大で 250K * 10 = 2.5M RPS となります。Premium レベルのパフォーマンス特性の詳細については、こちらの FAQ を参照してください。

詳細については、Redis Cache の作成と Redis Cluster の有効化に関する記事をお読みください。

セキュリティの強化とインターネットからの隔離

Standard レベルで作成された Cache はパブリック インターネットからアクセス可能で、Cache へのアクセスはアクセス キーで制限されています。Premium レベルではさらに制限が強化されていて、指定のネットワーク内に存在するクライアントのみが Redis Cache インスタンスにアクセスできます。Redis Cache は Azure Virtual Network (VNet) にデプロイ可能で、サブネットやアクセス制御ポリシーなどの VNET のすべての機能を使用して Redis へのネットワーク アクセスの制限を強化することができます。

詳細については、Azure Virtual Network での Redis Cache の作成に関する記事をお読みください。

料金

特別プロモーションとして、2015 年 12 月までは Premium レベルを Standard レベルの料金でご利用いただけます。また従量料金体系が適用されます。一般提供時の料金は 2016 年 1 月 1 日から適用されます。 詳細については Azure Redis Cache の料金ページをご覧ください。

SLA

Standard/Premium レベルの Azure Redis Cache では、99.9% の可用性が保証されます。マイクロソフトの SLA の詳細については、SLA のページをご覧ください。この SLA は Cache のエンドポイントへの接続のみが対象で、データ損失に対する保護は含まれていません。Premium レベルの Redis のデータ永続化機能を利用して、データ損失に対する回復性を強化することをお勧めします。

Premium レベルで Redis Cache の作成

Premium レベルで Redis Cache を作成する場合は、Azure プレビュー ポータルを使用するか、または ARM テンプレートとコマンドライン ツールを使用して自動的に作成します。

関連ドキュメント

さらに詳しい情報は、Redis Cache のドキュメント (英語) をご覧ください。

Premium レベルで Redis Cache を作成する場合にはさまざまな機能を利用できます。それぞれ以下のリンクからご確認ください。

フィードバックのお願い

このサービスをご利用いただいき、ご不明な点やご要望を Azure Redis Cache フォーラム (英語) または Azure Redis Cache User Voice (英語) までお寄せいただけますと幸いです。

また、Premium レベルでの制限事項やフィードバックについては、メールでも承っています。

ではまた!

Azure Redis Cache チーム