Azure SQL Data Warehouse: 2015 年 11 月の更新

このポストは、11 月 30 日に投稿された Azure SQL Data Warehouse: November 2015 Updates の翻訳です。

ここでは 11 月に行われた Azure SQL Data Warehouse の機能強化点についてお知らせします。前回の更新からさらに Data AuditingTransparent Data Encryption が追加されました。

PolyBase

非リレーショナル データを処理する PolyBase に新機能が追加されました。

  • Azure Storage の BLOB からの読み取り、書き込み、Parquet ファイルのクエリを実行できるようになりました。
  • 削除した列の詳細情報が取得できるようになりました。たとえば、読み込みに成功したものの、一部の列が削除された場合には、以下のようなメッセージが表示されます。

 

 Query completed. Rows were rejected while reading from external source(s).

10 rows rejected from FactSalesExternal in step 1 of query execution:

Location: '/example/example.txt' Column ordinal: 0, Expected data type: INT, Offending Value: 2147483648 (Column Conversion Error), Error: Arithmetic overflow error converting NVARCHAR to data type SMALLINT.

and 9 more.

 

削除列が多すぎて読み込みが中止された場合には、以下のようなメッセージが表示されます。

 

 Rows were rejected while reading from external source(s).

500 rows rejected from FactSalesExternal in step 1 of query execution:

Location: '/example/example.txt' Column ordinal: 0, Expected data type: INT, Offending Value: 2147483648 (Column Conversion Error), Error: Arithmetic overflow error converting NVARCHAR to data type SMALLINT.

and 499 more.

ERROR: Query aborted -- number of rejected rows exceeded the maximum row rejection threshold while reading from an external source: 500 rows rejected out of total 10000 rows processed.

 

  • 既存の外部テーブルに関連付けられた CREDENTIAL オブジェクトの削除と再作成時に、外部テーブルのキャッシュされた資格情報が更新されない問題が修正されました。

SQL 機能

Azure SQL Data Warehouse の一部としてサポートされている SQL Server の機能も以下のように拡張されました。

  • Azure SQL Data Warehouse で作成されたテーブルにクラスター化列ストアが既定で適用されるようになりました。テーブルにこのコンストラクトを使用することにより、圧縮率とクエリのパフォーマンスが向上します。この機能の詳細については、クラスター化列ストア (英語) に関するブログ記事を参照してください。
  • RENAME OBJECTステートメントがサポートされました。
  • 新たに複数の動的管理ビュー (DMV) がサポートされ、Azure SQL Data Warehouse に関する追加情報を確認できるようになりました。詳細については、DMV の一覧を参照してください。名前に “pdw_nodes” が含まれる DMV が新たにサポートされたものです。たとえば、クエリ中のコンピューティング ノードのすべてのパフォーマンス データを表示するには、sys.dm_pdw_nodes_os_performance_counters を確認します。または、sys.dm_exec_requests ビューを使用して、クエリ プランのすべての手順を表示することもできます。
  • Data Auditing で Threat Detection がサポートされ、変則的なアクティビティや不審なイベントを検出できるようになりました。たとえば、ポータル内でアラートを設定すると、疑わしいと思われるイベントが特定され、メールで通知を受信できます。

不審なイベントに関する通知を受信したら、ポータルの Data Auditing 機能を使用してイベントを分析したり、ログを Excel で開いてより高度な分析オプションを実行したりできます。

  • BCP で読み込み中にアクセス許可が考慮されない問題が修正されました。

バックアップ

Azure SQL Data Warehouse のスケジュール済み自動バックアップの設計が強化されたことにより、信頼性が向上し、ユーザーのワークロードに対する影響が少なくなりました。SQL Server 2016 で新たに追加された Azure のストレージ スナップショット メカニズム (英語) が採用されています。

パフォーマンスと安定性

最後に、Azure SQL Data Warehouse のパフォーマンスと安定性が向上しました。具体的な内容は以下のとおりです。

  • ラウンド ロビン テーブルへの読み込み方法が強化され、小規模な読み込みや増分読み込みのシナリオでも、データがより均等に分配されるようになりました。
  • 頻繁に接続が中断されることにより、長時間実行される一部のクエリが失敗し、「接続の登録中に例外が発生しました。トランザクションはロールバックされます。」というメッセージが表示される問題が修正されました。
  • 一時停止、再開、スケーリングの操作の安定性が向上しました。