Azure で MariaDB Enterprise Cluster® が使用可能に

このポストは、11 月 5 日に投稿された MariaDB Enterprise Cluster® on Azure の翻訳です。

Microsoft Azure でオープン ソース テクノロジをご利用の開発者様に最高クラスのエクスペリエンスをお届けするために、Microsoft Azure Marketplace で MariaDB Enterprise Cluster の提供を開始しました。

MariaDB は、Booking.com や Wikipedia といった膨大な利用者を抱える Web サイトで採用されているデータベースです。全世界に 200 万人を超えるユーザーがおり、HP、Wikipedia、Deutsche Telekom、Virgin Mobile、Booking.com など世界 45 か国以上 500 社を超える顧客企業が MariaDB Enterprise Server を利用しています。

今回の提供開始により、開発者およびデータベース管理者の皆様は、D2/DS2 またはそれ以上のサイズの仮想マシンを使用して、運用環境で迅速に 3 ノードの MariaDB Enterprise Cluster と MariaDB MaxScale® をプロビジョニングできるようになりました。Galera のテクノロジを使用した MariaDB Enterprise Cluster はマルチマスター構成のクラスター製品であり、高可用性とスケーラビリティを装備し、同期レプリケーションを実行したり、スレーブとの時間差なくすべてのクラスター ノードへの読み取り/書き込みを行ったり、自動メンバーシップ制御により新しいノードをクラスターに追加したり、障害が発生したノードをクラスターから除外したりすることが可能です。

MariaDB MaxScale は、データベース ゲートウェイとして複雑なデータベース クラスターからクライアント アプリケーションの分離を実現し、負荷分散機能のほかにもログ記録、フィルタリング、モニタリングといった機能を提供します。本リリースのアーキテクチャで使用される MaxScale の VM は A シリーズの仮想マシン 1 台で、データ ディスクはアタッチされていません。この VM へのアクセスには、割り当てられているパブリック IP または DNS を使用します。

VM はすべて、Azure イメージ ギャラリーで提供されている OpenLogic CentOS 7.1 イメージで実行されます。次の図は、MariaDB を Azure にデプロイした場合のアーキテクチャを示しています。

このサービスは、MariaDB Corporation とのパートナーシップによって実現しました。同社は高い可用性、スケーラビリティ、パフォーマンスが要求される SaaS、クラウド、オンプレミス アプリケーション対応のオープン ソース データベース ソリューションを提供する企業として業界をリードしています。

今回のリリースのように、マイクロソフトは今後も他社とのパートナーシップを通じて、ハイパースケールのハイブリッド クラウド プラットフォームでオープン ソース製品を利用するユーザーの皆様に最高クラスのエクスペリエンスを提供できるよう取り組んでまいります。オープン ソース ベースのデータ ソリューションやアプリケーションの開発期間を短縮したい方、また、クラウド ネイティブなオープン ソース ソリューションの利用を検討中の方は、ぜひ無料評価版 (英語) をお試しください。

使用を開始するには

MariaDB Enterprise Cluster は Azure Marketplace (英語) から入手できます。デプロイするには、Azure ポータルで [NEW] を選択し、MariaDB を検索して、検索結果から [MariaDB Enterprise Cluster + MariaDB MaxScale] を選択します。

ステップ 1

MariaDB Enterprise Cluster のトップ ページで [Create] をクリックし、[Basics] ページで各パラメーターを入力します。

  • MariaDB Enterprise のダウンロード トークンをお持ちでない方は、こちらのページ (英語) から無料で取得できます。デプロイメントの際には有効なトークンが必要です。
  • Premium Storage は、一部のデータセンターでは提供されていません。DS シリーズ VM で Premium Storage を使用する場合は、プレミアム ストレージを使用可能な地域を選択してください。

ステップ 2

[Cluster Node VM Configuration] ページで、VM のサイズとストレージ アカウントの種類を指定します。

  • データベース ノードに DS シリーズ VM を使用する場合は、Premium Storage のパフォーマンスを最大限に活用するために、ストレージ アカウントの種類を既定の [Standard-LRS] ではなく、[Premium-LRS] にすることをお勧めします。
  • 選択する VM サイズによっては、お客様のサブスクリプションで定められている VM コア数の既定のクォータを超過する場合があります。その際は、サポート チケットを発行し、コア数のクォータを引き上げるリージョンと、必要なコアの種類を Azure Resource Manager とする旨を指定してください。
  • SSH 公開キーには、「ssh-rsa AAAA」というプレフィックスで始まる有効な SSH キーを指定する必要があります。

ステップ 3

[App Access Configuration] ページでは、クライアント アプリケーションからクラスターにアクセスする際に必要な情報を指定します。

  • 既定では、DNS 名にはステップ 1 で指定したクラスター名がプレフィックスとして使用されます。DNS 名全体は次のような形式になります。
    <クラスター名>.<場所>.cloudapp.azure.com
    この名前が使用可能かどうかはこの時点で確認できます。使用できない場合は名前を変更します。
  • [App username] と [Password] に、クライアント アプリケーションからクラスターにアクセスする際に使用するユーザー名とパスワードを指定します。
  • [App schema/database] に、クライアント アプリケーション用に作成するデータベースの名前を指定します。
  • [App IP range] には、クラスターへのアクセスを許可するクライアントの IP アドレス範囲を指定します。ここで「*」を指定すると、すべてのクライアントに対して、MaxScale 経由でクラスターにアクセスすることが許可されます。また、「127.0.0.1/32」と指定すると、MaxScale のホスト自体からのアクセス以外がすべて禁止されます。

ウィザードに従ってパラメーターを確認し、クラスターを作成します。デプロイメントが完了するまでには 20 ~ 30 分かかります。ステップ 3 でリモート アクセスを許可している場合は、クラスターの使用準備が整ってから次のコマンドを実行すると、リモートからアクセスできます。

 mysql –h <domain name label>.<location>.cloudapp.azure.com –P 4006 –u <App username> –p

上記の方法の代わりに、同一の DNS 名を使用して SSH プロトコルで MaxScale に接続し、Azure VNET 内部からクラスターに接続することもできます。

 mysql –h mdbec-max1 –P 4006 –u <App username> –p

トラブルシューティング

デプロイメントに失敗した場合は、ステップ 1 で指定したリソース グループに移動し、問題が発生したデプロイメントをクリックします。

問題が発生したデプロイメントを展開してスクロールし、原因となった最も古いイベントを特定して、詳細なエラー メッセージを確認します。

エラーが一時的なものである場合、または不正なパラメーターにより発生したものである場合、MariaDB クラスターに関連せず作成したリソースがこのリソース グループに含まれていなければ、リソース グループ全体を削除してから再びデプロイしてもよいでしょう。

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