AzureCon 2015: Azure Storage に関する発表まとめ

このポストは、9 月 29 日に投稿された AzureCon 2015: Azure Storage Announcements の翻訳です。

 

Azure File Storageの一般提供開始

マイクロソフトはこのたび、Azure File Storage の一般提供開始を発表しました。お客様は、Azure File Storage の完全に管理されたファイル共有と以下の新機能を運用環境でご利用いただくことができます。

  • SMB 3.0 のサポート – ファイル共有の可用性が向上し、あらゆる場所 (Azure またはオンプレミス) からファイル共有をマウントできるようになりました。
  • Azure ポータルの新しいファイル エクスプローラー機能 – Azure File Storage へのアップロードや Azure File Storage からのダウンロードなど、さまざまなファイル共有管理機能を提供する新しい UI が追加されました。
  • 各種メトリックによる診断Storage Analytics が Azure File Storage にも対応するようになりました。

詳しくは、Azure File Storage の一般提供開始に関するブログ記事 (英語) をお読みください。初めてお使いの方は、Azure File Storageの使用方法をこちらでご確認いただけます。

Azure SRP (ストレージ リソース プロバイダー) の機能強化

Azure SRP に、新たに以下の 2 つの API が追加されました。

  • Get Operations – 利用可能な SRP 操作の一覧を表示します。
  • Get Usage – サブスクリプションが作成したアカウント数と、作成可能なアカウントの最大数 (100) を表示します。

詳しくは、Azure SRP の機能強化に関するブログ記事 (英語) をお読みください。SRP のすべての REST API は、Azure SRP の参考資料 (英語) でご確認いただけます。

SAS の新機能

共有アクセス署名に、新たに以下の 3 つの機能が追加されました。

  • ストレージ アカウント SAS – ストレージ アカウント キーと同等の機能を利用しながら、ストレージ ユーザーへのアクセス権の委任を、ストレージ アカウント キーを使用する場合よりも安全に実行することができます。アカウント SAS の機能は 2 回に分けて実装されます。BLOB コンテナーとファイル共有の管理を含む BLOB とファイルへのフル アクセスが有効化された第 1 段階を経て、2 か月後に予定されている第 2 段階では、キューとテーブルのサポートを追加し、アカウント SAS のフル機能を完成させる予定です。
  • プロトコル SAS – アカウント レベルまたはサービス レベルの SAS のトークンを、HTTPS に限定できるようになりました。
  • IP 制限 SAS – アクセス可能な外部の IPまたは範囲を指定するためのオプション パラメーターです。ExpressRoute については、ルーティング セッション構成の状態 (英語) をご覧ください。

今回の機能強化によって開発者や管理者のニーズにより幅広く対応できるようになったことで、アカウントの共有キーを使用する必要性が大幅に下がるはずです。

SAS の新機能の詳細は、共有アクセス署名に関する資料をお読みください。

Premium Storage の機能強化

Premium Storage に以下の機能強化が実装されました。

  • Premium Storage アカウントから、よりコスト効率に優れた BLOB ストレージに BLOB スナップショットをコピー
  • BLOB スナップショットをベース BLOB に昇格することで、以前保存した BLOB を復元

Azure Import/Export の新しいリージョン

2015 年第 4 四半期より、オーストラリアと日本のリージョンで Azure Import/Export の提供を開始する予定です。このリージョンで Azure Storage アカウントに大量のデータをインポートするお客様は、所在地のデータセンターにディスクを送付していただくことが可能になります。

パブリック プレビューの発表

Azure Storage iOS クライアント ライブラリ プレビュー

iOS (英語) 向けの Azure Storage クライアント ライブラリのパブリック プレビューが発表されました。詳しくは、こちらのブログ (英語) をお読みください。iOS アプリで Azure Storage の利用を開始するには、GitHub で公開されている Azure Storage iOS クライアント ライブラリの Readme.md (英語) ファイルをご覧ください。

データ移動ライブラリ (DMLib)

DMLib (データ移動ライブラリ) のプレビュー版が発表されました。DMLib は、Azure BLOB と Azure File Storage のハイパフォーマンスなアップロード、ダウンロード、コピーに対応した新しい Azure Storage ライブラリです。マイクロソフトはこれまで、コマンドライン インターフェイスを使ったハイパフォーマンスなデータ転送には AzCopy ツールで対応してきましたが、開発者の皆様からは、"AzCopy ライクなライブラリ" で開発したいというご要望が数多く寄せられてきました。マイクロソフトはその声にお応えし、AzCopy で使用されているコア コンポーネントをオープンソースのライブラリ (英語) として提供することにしました。ソース コードには AWS S3 からのデータ移行などの使用サンプルも含まれています。

詳しくは、DMLib の発表に関するブログ (英語) をお読みください。

Java のクライアント側暗号化

Java 用の Azure Storage クライアント ライブラリが、既存の .Net 用 Azure Storage クライアント ライブラリの機能と同様に、間もなくクライアント側の暗号化をサポートするようになる予定です。これによって、ブロック BLOB、テーブル、キュー、追加 BLOB を暗号化して Azure Storage に送信できるようになります。さらに Azure Key Vault との連携もサポートされる予定です。この連携が実現されれば、キーを Azure Key Vault で保存、管理できるようになります。詳しい情報はブログにて紹介いたします。

Azure Storage のサンプル

マイクロソフトでは現在、ユーザー エクスペリエンスの一貫性確保、一元管理を目指し、新たに Azure Storage Samples 戦略に取り組んでいます。この戦略の最初の取り組みとして、.NET、Java、Node.js で開発された Azure Storage の最も一般的な利用方法のコード サンプルを作成しています。さらに今後数か月間をかけて、Azure Storage のより高度なエンドツーエンド シナリオとベスト プラクティスを紹介していく予定です。概要をご確認いただくには、Azure Storage サンプル ギャラリー (英語) および Azure-Samples GitHub 組織 (英語) をご覧ください。

Azure Storage を初めてお使いの方は、まず Azure Storage に関するドキュメントのページ (英語) をご確認ください。このページでは Azure Storage に関する情報を簡単に入手できます。また Azure Storage、Azure Premium Storage、Azure Files の概要を紹介する 5 分間のビデオもぜひご覧ください。

今後とも Azure Storage をよろしくお願いいたします。

Azure Storage チーム