[今月の技術トピック] PC を持ち出したい? では USB でどうぞ ~ Windows 8 評価版リリース

※ この記事は、先月 『20 万人の IT エンジニアが愛読する、現場に役立つニュースレター TechNet Flash』 の特集として配信されたものです。
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Windows の利用コンセプトの 1 つに Flexible Workstyle (フレキシブル ワークスタイル) と呼ばれるものがあります。これは、Direct Access や VDI、Office 365 などのテクノロジーを組み合わせ、自宅や出張先、移動中であっても場所を意識することなく社内ファイル サーバーなどにアクセスして業務を継続できるというものです。これまで、Windows 7 と Windows Server 2008 R2 の組み合わせにより、非常に完成度の高い Flexible Workstyle を実現することができました。私は、もうこれ以上何を望む必要があるのか? と思っていました。完璧だろうと。
しかし、それは甘かったようです。

なんと、Windows 8 は PC 本体の持ち出しさえも不要にしてしまったのです。

いったいどういうことでしょう?

企業向けの Windows 8 Enterprise では、新たに Windows To Go と呼ばれる機能が提供されます。アメリカで持ち帰りピザ屋などに「To-Go」などと表示されていることがありますが、まさに「お持ち帰り可能な Windows」を実現する機能です。つまり、USB メモリに Windows 8 をブート可能な状態でインストールしておけば、PC 本体が変わっても USB メモリでブートすることによって、社内でも社外でも同じ環境を再現することができます。もちろん、Windows 7 Enterprise のように BitLocker で USB デバイスを暗号化し、Direct Access によって社内のファイル サーバーに直接アクセスすることも可能ですから、USB メモリ自身を保護することもでき、かつ重要なデータを USB メモリ内に保存して持ち出すといったリスクも軽減されます。

企業の IT 部門は、厳重なセキュリティ ルールとともに PC の持ち出しを管理するのではなく、事前に企業のセキュリティ ポリシーに沿った状態で Windows 8 を USB メモリ内にインストールしておくことで、USB メモリの貸し出しによって安全な業務環境を利用者に提供することができます。これは、PC 本体のセキュリティおよび資産管理と比較すれば、大幅な手間の作成といえるでしょう。

 

Windows は、その進化によって既存の業務スタイルを変革しようとしています。ただし、その変革が正しい方向に向かっているのかどうかの最終判断は、皆さんの評価にかかっています。ぜひ、評価版をダウンロードして利用してみてください。

エバンジェリスト 安納 順一

マイクロソフト株式会社 エバンジェリスト 安納 順一ブログ「フィールド SE あがりの安納です」