保護されたインスタンスの計算方法について

こんにちは。Azure サポート チームの世古です。

Azure Backup の導入を検討する上で事前に価格の見積もりが必要になりますが、利用にあたり以下の 2 つに対し料金が発生します。

・インスタンス数
バックアップ対象としてサーバーを登録するために発生する料金

・利用したストレージ容量
実際に取得したバックアップ データ容量に対して発生する料金

 

料金計算ツール(Azure 製品の構成とコストの見積もり)

利用したストレージ容量については汎用ストレージ アカウントの料金で使用した分だけ課金対象となります。保護されているインスタンスについては、バックアップ対象  (コンピューター、サーバー、データベースなど) やデータ容量によって変化する為、少しわかり辛い点があるかと思いますので、以下に参考例を含め計算方法をご案内します。

・保護されたインスタンスとは
保護されたインスタンスとは、Azure へのバックアップ構成に使用するコンピューター、物理サーバー、仮想サーバー、またはデータベースのことです。インスタンス保護は、コンピューター、サーバー、またはデータベースのバックアップ ポリシーを構成してデータのバックアップ コピーを作成すると有効になり、課金が発生します。バックアップを実行するとストレージの使用量は増分のデータ容量によって変化しますが、増分バックアップのデータを追加しても保護されたインスタンスの数には影響はございません。このインスタンス数については、以下の計算式を基に決まります。

・対象の保護されたインスタンスのサイズが 50 GB 以下の場合: インスタンス数は "0.5"

・対象の保護されたインスタンスのサイズが 50 GB より大きく 500 GB 以下の場合: インスタンス数は "1"

・対象の保護されたインスタンスのサイズが 500 GB より大きい場合: 500 GB の増分ごとにインスタンスも "1" 増える。

 

 

 

 

 

1 インスタンスは 1020 円と定められておりますが、対象のインスタンスのデータ容量が 50 GB 以下の場合、課金が行われる際には 0.5 インスタンスとして計算され 510 円のみの課金となります。一方、500 GB 以上の場合には、500 GB の増分ごとに 1020 円が加算される仕組みとなります。その為、対象のインスタンスに 1.2 TB のデータ容量がある場合には、インスタンス数は 3 となり 3060 円が課金されます。

・ご注意点

Azure の料金計算ツールを用いる場合は、インスタンスの値には上記でご案内したインスタンス数ではなくバックアップ対象の仮想マシンの数やデータベース数などをご入力ください。例えば、1.2 TB の仮想マシンを 1 台バックアップする場合には、インスタンス数は 3 ですが、バックアップ対象の仮想マシンは 1 台のため、インスタンスの値には 1 を入力します。下記画面キャプチャで示されるように、バックアップ対象の容量から自動的にインスタンス数が計算されます。

以下その他の例およびインスタンスの考え方についてご紹介いたします。

=======================================================================================

[質問]
Azure上の仮想マシンでSQL Serverが稼働している場合に、IaaSのAzure Backupを利用してバックアップを取得した場合は、インスタンス数は1つですか?2つですか?

[回答]
Azure 上の VM で SQL Server を稼働させている場合でも、IaaS VM の Backup でVM を保護する場合は、インスタンスは 1 つです。 例えば本 VM を IaaS VM のバックアップで保護し、さらに Azure Backup Server の機能を利用して SQL Server のデータ ベースのみのバックアップを追加で行う場合には、VM が 1 つであっても、2 インスタンス (VM 1 インスタンス+SQL 1 インスタンス) となります。

=======================================================================================

[質問]
250 GB のデータがある Microsoft SQL Server が稼働する仮想マシンを持っています。Azure Backup の請求額はどうなりますか。

[回答]
250 GB の SQL Server データベースを Azure Backup で保護する場合、SQL Server は保護するインスタンスとして取り扱われます。保護されたインスタンスのサイズは 50 GB を超え、500 GB 未満であるため、毎月 ¥1,020 が課金されます。仮想マシンも Azure Backup にバックアップされている場合は、別の保護するインスタンスとしてカウントされます。仮想マシンのサイズは 50 ~ 500 GB であるため、この場合も毎月 ¥1,020 が課金されます。仮想マシンのバックアップとインゲスト ワークロードのバックアップは個別に課金されます。

=======================================================================================

[質問]
Azure VM で合計 3 TB のディスクを接続しているが、実際に使用しているのは 500 GB のみである。この場合のインスタンスは 1 インスタンスですか。

[回答]
はい、インスタンスは実際のデータ容量によって決定いたしますので、3 TB のディスクを接続している場合にもデータ容量が 500 GB であれば 1 インスタンスとなります。

=======================================================================================

[質問]
月の途中で Azure に対するコンピューターの保護を開始した場合はどうなりますか。保護するインスタンスの全部の料金がかかりますか。

[回答]
いいえ。使用量は、インスタンスが保護された月内の日数に基づいて日単位で課金されます。

上記内容が少しでもお客様の参考となりますと幸いです。