小売業界の AI 戦略 (3/6) AI で生まれる新たなチャンス ~ シームレスな商品の提案が可能に


AI で生まれる新たなチャンス ~ シームレスな商品の提案が可能に

AI を活用することで、小売業界には新たなチャンスが生まれます。そのひとつが、お客様に対してシームレスに商品を提案できること。忙しい日々を送っているお客様は、自分で商品を探す時間さえ確保するのが難しく、小売業者側に自分の好みの商品を選んでもらいたいと考えているためです。

こういったお客様の要望に応えられるのが、AI によるデジタル アシスタントや自動検索エンジン、データを駆使した強力な分析機能や予測機能です。これらの技術で商品を直感的に閲覧できるようにすることで、お客様は効率的に自分の求めている商品にたどり着くことができるのです。


シームレスな商品提案を推進するための AI トレンド 5 選

・ アダプティブ ホームページ

・ ビジュアル キュレーション

・ 会話でのサポート

・ ダイナミック マーケティング

・ 消費者ニーズに対応した研究開発


欲しいものリストを効率的に作成

ここで具体的な利用シーンを紹介しましょう。米国では、新郎新婦が結婚祝いに欲しい商品のリストを百貨店で登録し、家族や友人らがそのリストの中からお祝いの品を選んで贈るといった風習があります。

そこで、ある百貨店ではこの欲しいものリスト用のアプリを開発。アプリにはバーチャル アシスタントが用意されており、アシスタントがカップルの年齢や性別、場所、好みなどを質問し、レコメンデーションの元になるデータを構築します。カップルがアプリのデータ収集プログラムを利用すると、アプリが個人データや閲覧履歴、過去の好みなど、より詳細なデータを収集し、さらにニーズに合った商品を提案します。

カップルが外出中に別の店舗で好みの商品を見つけた場合には、その写真を撮影してアプリに登録することが可能です。すると、ビジュアル検索機能で百貨店内の似た商品を探してくれるのです。また、アプリで自宅の写真を撮影すると、その写真が分析され、自宅に合った色やスタイルまで提案してくれます。もちろん商品に関する質問をバーチャル アシスタントに投げかけることも可能です。

結婚祝いを受け取った後は、満足度調査に協力したカップルから商品のフィードバックが届きます。その結果はレコメンデーション機能の向上に生かされます。

 


デジタルトランスフォーメーションへの道

このように、AI を駆使することでお客様のショッピング体験が向上するだけでなく、店舗側のレコメンデーション機能も改善されていきます。

・ 顧客調査や顧客検索の初期段階で課題を特定し、バーチャルアシスタントや自動閲覧エンジンの導入を検討してみましょう。消費者は自分が求めている商品にたどり着きやすくなります。

・ 既存のソーシャルメディアからの情報や過去に消費者が入力した嗜好情報を活用することで、消費者の手を煩わせることなく心に響く商品を見つけ出せるようになります。

・ 音声や文字、写真などで商品を検索するよう、消費者にも呼びかけてみましょう。これにより、場所や時間を問わず消費者の状況や現在のニーズに合った商品が提案できます。

・ 消費者を単一の小売プラットフォーム上に縛りつけることのないよう、バーチャル アシスタントを使ってもらうことや、モバイルデバイス、パソコン、店舗から自分のデータにアクセスしてもらうことも想定しましょう。

・ どのように消費者のデータを収集し、それがどのようなショッピング体験の向上につながっているのか、消費者にもわかるよう可視化すると共に、消費者側でデータ収集が制限できるようにしておきましょう。


イノベーション事例

米国の大手百貨店 Macy's では、デジタルトランスフォーメーションの実現に向け、Microsoft Dynamics 365 を採用しました。Macy's は同ソリューション上にカスタマーサービス用バーチャル エージェントを構築してサイトを強化。バーチャル エージェントは、内部システム API と接続して商品の注文情報にアクセスし、お客様からの一般的な疑問にリアルタイムで対応しています。また、ボットによる商品の提案や、ポイント情報に応じた特別割引の提供も実施しています。

 

 

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