お疲れ顔にエナジードリンク! 顔の特徴や表情で変わる広告を人工知能が提供


電通が毎年リリースしている「日本の広告費」2016 年版によると、広告業界はますますデジタル・ファーストの様相を強めています。インターネット広告費が制作費を除く媒体費用で初の1 兆円の大台に乗り、成長率は 13%、市場規模 6 兆 2,800 億円 (成長率 1.9%) の中で 20.8% を占めるまでになりました。

そんな中、デジタル屋外広告、いわゆるデジタル OOH と呼ばれる広告媒体でも、デジタルが近年急成長しています。交通・屋外広告自体は 2008 年のリーマンショック以降、市場規模はずっと 5,000 億円前後で推移していますが、デジタルサイネージ市場は富士キメラ総研によると、今後 7 年で約 3 倍に成長することが見込まれています。駅や街中に設置されたデジタルサイネージでデジタル広告を目にする機会がどんどん増えていくと予測されています。

デジタル広告は広告主が不特定多数に一方的に同じ広告を流すのでなく、広告を見る側の反応によって広告の出し方や内容を変えるといった「双方向性」を持たせることができますが、クラウドサービスと人工知能を使って顔の特徴や感情に合わせて商品やサービスの広告を出しわける仕組みの開発が進められています。鏡型のデジタルサイネージが、鏡の前に立った対象者の表情を解析し、年齢・性別・顔の特徴・感情に合わせて、その人にぴったりの商品やサービスの広告を出しわけます。

  1. 鏡に映る人の年齢や性別はもとより、顔の特徴(メガネをかけているかどうか、ヒゲがあるかどうかなど)や表情を識別
  2. 写真から人物を認識するために、クラウドに写真データが送信されます。クラウドでマイクロソフトのAIが、その人の性別や年齢、その時の気分や健康状態を、人工知能 API であるMicrosoft Cognitive Services を使用して分析し、クラウド上で認識した人物の特徴がデータとしてデバイスに送信されます(クラウドに送信された写真データは保存されません)
  3. デバイスに戻ってきた人物の特徴データに応じて、デバイス側で広告を出し分けます。「疲れている→栄養ドリンク」、「悲しそうにしている→思い切り泣ける感動的な映画」、など様々な企業・商品・サービスの広告展開が可能
  4. 動画、静止画を問わず表示させることができるなど、広告表現のバリエーションも豊富で、鏡の中に映った顔をバーチャルに変化させることで、メガネをかけたり、泣き出したり、シワがふえたりするような、驚きのある演出も可能

 

Microsoft Cognitive Services は、人間の認知機能モデルを、視覚認識、音声認識、言語理解、知識、検索の「5つの領域」に分類し、人工知能アルゴリズムとしてアプリケーションに追加できる、25種のツールから構成されます。

今後、2020 年の東京オリンピックに向けて、人工知能を駆使したこのような賢いデジタルサイネージを街中で見る機会が増えてくるかもしれませんね。

 

 

参考記事:

 

 

 

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