【MEMO】 WebMatrix のポジショニング


今 面白いことやってまして、何人かの Web 系のエバンジェリストでそれぞれ WebMatrix 用の資料のパーツをそれぞれブログで書いています。

私のパートは以下になります。

■WebMatrix のポジショニング
■WebMatrix の環境準備

ということで早速 (^_^)/


■ WebMatrix のポジショニング

WebMatrix は Web サイトの開発を行う際に必要となる機能をひとつのツールにまとめた、マイクロソフトの新しい Web 開発ツールです。オープンソース Web アプリケーションや Web サイトのテンプレートを使って簡単に Web サイトの構築を始めることができます。また、自分でいちから Web サイトを開発することも可能です。WebMatrix は Web サイトの開発に必要な機能をかねそなた非常にシンプルな無償のツールです。WebMatrix により Web サイトの開発はかつてないほど簡単になります。

〇 マイクロソフトの Web プラットフォーム

マイクロソフト製品で Web テクノロジーを使用したシステムを作る際には多くのテクノロジーが関連しているため、全体像を把握しておくことでどういう選択をするのがベストなのかが以前にも増して重要になっています。マイクロソフトではよく「プラットフォーム」という言い方をしますが、この表現はマクロ視点で見た全体像とご理解ください。WebMatrix のポジショニングを理解する上でもとても大事です。

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動的なコンテンツを含む Web システムでは、図に表されているようにインターネットブラウザー、開発ツール、Web サーバー、アプリケーション ランタイム、データベースに加えとりまきの関連テクノロジーが必要です。必要となる知識という意味ではもっと広範囲に及びます。例えば HTML、CSS などいわゆる Web ページを構成するテクノロジーもそうですし、サーバー側においてはページで利用される OS の周辺機能であるネットワークや場合によってはメールなどの知識も必要になります。

このポジショニングの説明では図にある Web アプリケーションの主要テクノロジーや製品に関する整理をします。

〇 マイクロソフトの Web 開発ツール

WebMatrix は新しい Web 開発ツールです。マイクロソフトは今までも Web アプリケーションを開発するためのツールを出荷してきていますのでそれらとどういうポジショニングの違いがあるのかも知っておくとよいでしょう。

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歴史を紐解くとマイクロソフトは OSの様々な機能および Internet Explorer を通じて特に Windows 95 以降においてインターネットが存在する世界を前提とした色々なテクノロジーを提供してきました。インターネットの原点とも言える静的なページを作るための HTML/CSS への対応はもちろん、1996年には Active Server Pages (ASP)というアクセスしたユーザーの操作に応じた動的なコンテンツを生成するためのテクノロジーを発表しました。

マイクロソフトは 2000年 に .NET 構想を打ち出し、プラットフォームが開発をさらに支援し、さらに素晴らしいアプリケーションやシステムを開発するための基盤提供を開始しました。それからの十年はテクノロジーがどんどん進化し、時には新幹線のようなスピードで進んで行きました。

プロフェッショナルな開発者の方にはチーム開発や大規模用途で利用する統合開発環境として Visual Studio はバージョンを重ね、最新は Visual Studio 2010 となって、ご好評いただいています。大規模向けの Visual Studio の入門用でかつ Web 開発に特化したものとして Visual Web Developer 2010 Express もあり、こちらは無償でご利用いただけるため、インターネット、社内システムなどを問わず、プロフェッショナルな開発の道を進む方に数多くご利用いただいています。

一方で、インターネット Web の世界ではページのデザインや Web アプリケーションをより早く、効率的に作っていくという潮流が生まれ、現在では多くのオープンソース Web アプリケーションが人気となっています。

マイクロソフトはデザイナーやマークアップを主とした仕事をなさっている方には Expression という新しいブランドでデザインツール、美しい Web ページを作るためのツール、動画を取り扱うツールを提供し、現在は 4 つ目のバージョンを迎え、おかげさまで次第にユーザーが増えて行っています。

Visual Studio と Expression Studio では「動」と「静」をしっかりと受け止めた製品になっているものの、ASP のような動的なサイトを作るためのスクリプティングをベースとしたテクノロジーや PHP の世界で多く行われてきた素材となる Web アプリケーションをベースとした開発という方法論に対してはまだまだできることがある状況でした。そこで登場してきたのが WebMatrix になります。

インターネット Web アプリケーションを作る工程を見ると、ページ デザイン、素材の取り込み、動的な要素の開発、データベースの取り扱い、チューニング そして最後に出来上がったもののサーバーへのアップロードあるいは発行操作があり、実態としては様々なツールの組合せでこれを実現している方が多いのです。これらを一つのツールで容易にできないか、そういう研究がここ数年の間行われてきた成果、それが WebMatrix になります。

「静」的なページを作ってきた方が、もっと「動」的な Web アプリケーションを作ることを始めるためのツール、ASP や PHP に慣れ親しんだ方がもっとお手軽に環境を作ったり、開発を行うためのツール、それが WebMatrix になります。

〇 Web Platform Installer と WebMatrix

開発ツールとは別の次元で、マイクロソフトのオープンソース Web アプリケーションに対する姿勢が 2007 年ごろから大きな転換期を迎えました。前述のように CMS、Eコマース、SNS などの数々のエリアで著名なオープンソース Web アプリケーションがよく利用され、さらにプラグインやテンプレートのような活用術が普通に使われるようになっています。Windows や インターネット インフォメーション サービス(IIS)でも手軽にできる方法を提供できないか、そう考えた人たちがレドモンドの製品開発部門に何名もいました。

まず最初に生まれたのが、Windows Web Application Gallery です。

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Windows と IIS 上で快適に動作できるオープンソース Web アプリケーションのギャラリーです。マイクロソフトがホストしているものですが、ASP.NET ベースのものだけでなく、著名な PHP アプリケーションの登録も数多く存在します。

そしてギャラリーにリストされているアプリケーションを実際にスムーズに環境構築を行える統合インストーラー、それが Web Platform Installer(Web PI)になります。

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一言で言ってしまうと、「アプリケーションをインストールする」ことができるインストーラーです。Web サーバー、データベース、開発ツール などのパーツのインストールも個別にできますが、あくまでも Web PI の主目的は円滑に様々な依存関係も解決しながらオープンソース Web アプリケーションをインストールすることです。

そして、WebMatrix はこの Web PI のエンジンを使っているのです。

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起動して最初のページを見てみましょう。カレンダーなどのいわゆるテンプレートを使うこともできるのですが、Web PI の仕組みと連動した環境作りこそが WebMatrix の真骨頂です。

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〇 2種類の Web サーバー

WebMatrix、Web PI ともに前提となる Web サーバーは IIS です。ただし、WebMatrix の登場とともに軽量な IIS が同時に登場しており、IIS Express と呼ばれています。Web PI は OS 付属の IIS とこの IIS Express いずれに対してもインストール作業ができるのに比べ、WebMatrix の環境はあくまでも IIS Express で動作する前提です。

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IIS Express のおおきなメリットは最新の IIS のコアエンジンを用いていることで、Windows XP などで環境を作る場合でもこれまでできなかった IIS7 の開発ができることです。ただし、あくまでも開発を行う環境の前提としてなので、IIS Express は運用に使うことは想定していませんし、アプリケーションをホストする Web サーバーに備えているべき様々な機能を搭載していません。

この構造が少しわかりにくくて躓いている方がいらっしゃるようなのでこの点もふれておきます。

〇 インターネット公開を支える仕組み

一連の作業が終わった後は、本格的な開発環境に持って行くあるいはインターネットに公開するという流れになるはずです。 WebMatrix は優秀な発行機能を備えています。FTP での発行はもちろん、新しい Web 配置 (あるいは WebDeploy) という方式で、アプリケーションだけでなくデータベースも一緒にパッケージ化して展開することができます。

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WebMatrix から WebDeploy 発行できるホスティングサービスについては Web ホスティング ギャラリーというもう一つのギャラリーがあります。FTP を使えばほとんどのサービスで利用できることでしょう。

現在のところはマイクロソフトの クラウド サービスである Windows Azure に直接発行する機能は備えていませんが、将来の一つのオプションとして研究が進められています。

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マイクロソフトの Web 関連製品の中での WebMatrix の位置づけ、Web Platform Installer との棲み分け、2つの IIS の大まかな違い を整理しました。ここまで押さえておけば、以降の説明がわかりやすくなるはずです。


ということでポジショニングでした。わかりにくいところがあれば是非フィードバックをお寄せください!(^_^)/

Comments (3)

  1. Anonymous says:

    はじめまして。私、Microsoft WebMatrixを利用し、WordPressの練習用にXAMPP Control Panel v3.1.0 3.1.0のApacheとMySQLを起動させて使用してHP作成書に沿って作っておりました。この度、久しぶりにWeb Matrixを使用しようとしたところ、「IIS Expressを初期化できませんでした。IIS Expressが正しくインストールおよび構成されていることを 確認してください。」という文言が出てきております、 何度か再度Web Matrixをインストールしましたが、すでにインストール済みとなります。ご存知でしたら対処方法を教えてください。初歩的な質問で恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

  2. Anonymous says:

    早々にご連絡ありがとうございました。XAMPPのApacheとMySQLをstopしましたが、やはりWebMatrixは起動できず、おなじコメントが返ってきました。

  3. 奥主 洋 says:

    IIS は Apacheと同じポート80を使うマイクロソフトのWebサーバーです。で、環境がわからないので想像なのですが、ApacheとIISでポート競合、MySQLのポートに関しても競合してしまっているのだと思います。本来、WebMatrix は同環境にインストールされる IIS Express もしくはフル機能のIISに接続して使う想定になっているため、Windows+IIS+MySQLという構成でお使いいただきたく存じます。なので直接的な答えは「XAMPPでサービスを止める。」かな。

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