組織名に日本語 (ダブルバイト文字) が使用されている場合に移行バッチが失敗する


今回は Exchange 2013 や Exchange 2016 環境で移行バッチを使用してメールボックスの移動を行った際に、移行バッチが失敗する事象についてご紹介いたします。

 
事象
Exchange 2013 や Exchange 2016 環境で移行バッチを使用してメールボックスの移動を実施した場合に、移行バッチのステータスが “失敗” となる。
この際、メールボックスの移動自体は成功しているが、ステータスが “失敗” となっている移行バッチについて、Get-MigrationBatch コマンドを使用して確認すると以下のようなエラーが記録されている。

コマンド : Get-MigrationBatch -Identity <バッチ名> | fl Message
+++++++++++++++++++
Message : メッセージを送信できません。 –> MapiExceptionSendAsDenied: Unable to submit message. (hr=0x80070005, ec
=1244)
Diagnostic context:
<… 省略 …>
Lid: 36423 dwParam: 0x0 Msg: /o=?????/ou=Exchange Administrative Group (FYDIB
OHF23SPDLT)/cn=Recipients/cn=MicrosoftExchange329e71ec8
+++++++++++++++++++

 
原因
本エラーはメールボックスの完了を通知する処理で、完了通知の送信元である “Microsoft Exchange 受信者” の LegacyExchangeDN にダブルバイト文字が入っている場合など、本来許可されていない文字が構成情報に含まれている場合に発生します。
多くの場合、組織名にダブルバイト文字が使用されていると発生します。
例えば日本語が組織名に使用されている場合などは、上記の Get-MigrationBatch の結果にある “Microsoft Exchange 受信者” の LegacyExchangeDN のように、組織名 (/o=) 部分が文字化けした状態となります。

 
対処方法
以下の手順にて ADSI エディタを使用して “Microsoft Exchange 受信者” の LegacyExchangeDN をシングルバイト文字のみに変更します。
なお、LegacyExchangeDN を手動で変更することは製品としてサポートされておりませんが、本事象への対処に限りましては、過去の事例におきましても同様の手順による変更をご案内している実績は複数あり、特に問題が発生したという報告はございませんのでご安心いただければと存じます。

手順
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1. Exchange サーバー上にて、[ファイル名を指定して実行] – “adsiedit.msc” を開き、ADSI エディターを起動します。

2. [ADSI エディタ] を右クリックし [接続] をクリックします。

3. “接続ポイント” の “既知の名前付けコンテキストを選択する” で “構成” を選択し、”OK” をクリックします。

4. 以下の順に展開します。

[CN=Configuration,<ドメイン名>] – [CN-Services] – [CN=Microsoft Exchange] – [CN=<Organization Name>] – [CN=Transport Settings]

5. [CN=MicrosoftExchange329e71ec88ae4615bbc36ab6ce41109e] を選択し、右クリックして “プロパティ” を開きます。

6. legacyExchangeDN 属性にて、ダブルバイト文字列をシングルバイト文字列に変更します。

例 :
/o=Exchange/ou=Exchange Administrative Group (FYDIBOHF23SPDLT)/cn=Recipients/cn=MicrosoftExchange329e71ec88ae4615bbc36ab6ce41109e

7. 設定変更後、[OK] をクリックして内容を保存の上 [OK] をクリックしてプロパティ画面を閉じます。

8. 特にサービスの再起動等は不要ですので、上記手順を実施後に新規に移行バッチを作成して事象が解消するか確認します。

 
補足
以前の Exchange バージョンでは組織名にダブルバイト文字を設定することが可能でしたが、現時点でサポートしている Exchange 2007 以降では、組織名にはシングルバイト文字のみが設定可能となっております。
そのため、以前の Exchange バージョンから継続してご利用いただいている環境では、組織名にダブルバイト文字が設定されている場合がございます。
しかしながら、Exchange サーバー インストール後に組織名を変更することはできませんため、組織名をシングルバイト文字に変更するには Exchange を再インストールする必要がございます。
また、Exchange 2007 以降のバージョンでは Exchange 組織名が日本語 (ダブルバイト文字) の環境では十分な検証が行われていないため、上記以外にもダブルバイト文字に起因する類似のエラーやその他の事象が発生する可能性がございます。

 
※本情報の内容(添付文書、リンク先などを含む)は、作成日時点でのものであり、予告なく変更される場合があります。


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