Exchange 2013、2016 での MAPI over HTTP のメールボックス単位での有効化について


既にご存知の方も多いかと存じますが、Exchange 2013 SP1 以降から MAPI over HTTP を利用することができます。MAPI over HTTP は従来の Outlook Anywhere (RPC over HTTP) と同様に通信プロトコルには HTTPS を利用しますが、Outlook Anywhere のように単に RPC をラップしたものではなく、レガシーの RPC コンポーネントへ依存することなく、直接 HTTP によって MAPI のコミュニケーションを実現するものとなります。

MAPI over HTTP については以下の資料を参考ください。

Outlook Connectivity with MAPI over HTTP
https://blogs.technet.microsoft.com/exchange/2014/05/09/outlook-connectivity-with-mapi-over-http/

MAPI over HTTP in Exchange 2016
https://technet.microsoft.com/en-us/library/dn635177(v=exchg.160).aspx

Configure MAPI over HTTP
https://technet.microsoft.com/EN-US/library/mt634322(v=exchg.160).aspx

Exchange 2013 SP1 で MAPI over HTTP が登場した時点では、その有効化は組織全体で実施する必要がありましたが、Exchange 2013 CU10 以降 (Exchange 2016 では RTM から) では、以下のように個々のメールボックス単位で有効化することができるようになっています。

Set-CASMailbox <対象ユーザー> -MapiHttpEnabled:$true

しかしながら、組織単位では MAPI over HTTP が無効な状態でメールボックス単位でのみ有効化した場合、アーカイブ メールボックスへアクセスできない問題がありました。こちらにつきましては以下の KB 3098940 の内容となります。

Users can't access their archive mailbox in Outlook in Exchange Server 2016 or Exchange Server 2013 Cumulative Update 10
https://support.microsoft.com/en-us/kb/3098940

この事象では、MAPI over HTTPS を利用可能なバージョンの Outlook で、アーカイブ メールボックスへアクセス時に以下のようにエラーが表示されます。

082201

上記 KB での説明のとおり、原因は AutoDiscover で応答されるアーカイブ メールボックスの情報が Outlook Anywhere の場合の情報となっているためです (自身のプライマリ メールボックスへのアクセスは MAPI over HTTP となっているにも関わらず)。
以下はこの現象が発生する場合の AutoDiscover の応答に含まれる内容の例となります。

<AlternativeMailbox>
<Type>Archive</Type>
<DisplayName>In-Place Archive - user05@contoso.local</DisplayName>
<LegacyDN>/o=First Organization/ou=Exchange Administrative Group (FYDIBOHF23SPDLT)/cn=Recipients/cn=d3b78057d5094858a62bc4e1cb1b5571-user0/guid=1e68deae-c15b-4a58-9b8f-7e987896a267</LegacyDN>
<Server>1e68deae-c15b-4a58-9b8f-7e987896a267@contoso.local</Server>
<OwnerSmtpAddress>user05@contoso.local</OwnerSmtpAddress>
</AlternativeMailbox>

本来あるべき応答内容は以下のようになります。

<AlternativeMailbox>
<Type>Archive</Type>
<DisplayName>In-Place Archive - user05@contoso.local</DisplayName>
<SmtpAddress>ExchangeGuid+86662fe4-b4f1-4c04-a200-cdc48a237117@contoso.local</SmtpAddress>
<OwnerSmtpAddress>user05@contoso.local</OwnerSmtpAddress>
</AlternativeMailbox>

なお、MAPI over HTTPS を利用できないバージョンの Outlook の場合には、AutoDiscover の応答はすべて Outlook Anywhere のための情報が返されるため、この現象は発生しません。

この事象については Exchange 2013 CU13、Exchange 2016 CU1 で修正済みとなっております。
もし上記の KB 3098940の事象のために MAPI over HTTP の導入を控えていた場合には、修正済みのバージョンへのアップグレードをご検討いただければと思います。
※本情報の内容(添付文書、リンク先などを含む)は、作成日時点でのものであり、予告なく変更される場合があります。


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