Exchange Server のパフォーマンス問題のトラブル シューティング


こんにちは Exchange サポート チームの河本です。
Exchange Server を運用している中で、Outlook クライアントからの接続が遅いやメールを開くまでに時間がかかるなど何かしらのパフォーマンス問題を経験されている方が多いかと思います。パフォーマンス問題は一時的な高負荷で発生し、自然解消するものもあれば長期に渡って断続的に発生する場合もあります。また要因はハードウェアーやネットワークがボトルネックであったり、メールボックスにアクセスするユーザー操作や Exchange Server 上にインストールされているサード パーティ製のアプリケーションなど様々です。このようなパフォーマンス問題の要因を特定し、同様の事象が発生しないように対処することは Exchange を運用する上で重要だと思いますので、本ブログを執筆しました。Exchange Server のパフォーマンス問題をトラブル シューティングする上で以下の 2 つが必須となりますので、それぞれの項目について案内します。
 
1. パフォーマンス ログの取得
2. パフォーマンス ログの分析
 
 
1. パフォーマンス ログの取得
Exchange Server のパフォーマンス状況を確認するためにはExchange サーバーのトラブル シューティングに必要なパフォーマンス モニターのカウンターを設定する必要があります。
Exchange Server 2013 では既定で以下のパスに自動的にパフォーマンス ログが日時で保存されているので、そのログを採取するだけです。
 
<インストール ディレクトリ>:\Microsoft\Exchange Server\V15\Logging\Diagnostics\DailyPerformanceLogs
 
一方 Exchange 2007/2010 では既定ではパフォーマンス ログは取得しないため、手動で取得するパフォーマンス カウンターを設定する必要があります。Exchange サーバーのトラブル シューティングに必要なパフォーマンス モニターのカウンターを手動で設定するのは大変な作業となりますが、よい知らせがあります。これらを自動設定するためのスクリプト ExPerfwiz が用意されているのです。以下に紹介します。
 
 
ExPerfwiz によるパフォーマンス ログの取得手順
 
1. 以下のページから ExPerfwiz 1.4.5 (ExPerfwiz.zip) をダウンロードして展開します。
 
  TITLE: Experfwiz (Exchange Performance Data Collection tool)
  URL: http://experfwiz.codeplex.com/releases
 
注)
本ブログを執筆している時点で最新のビルドが ExPerfwiz 1.4.5 であるため、ExPerfwiz 1.4.5 をダウンロードするように記載しております。今後新しいバージョンがでているようであれば、適宜新しいバージョンを利用下さい。なお利用するバージョンの既知の不具合情報を事前に確認し、
検証環境で問題ないことを確認した上で利用することを推奨します。最新バージョンの既知の不具合や新機能の情報は、http://experfwiz.codeplex.com/ のページ中段に「Fixes/New stuff」や「Known Issues」として記載されています。
 
2. 展開したフォルダーから ExPerfwiz.ps1 をコピーし、Exchange サーバー上の任意のフォルダーに保存します。
3. 2にてコピーしたファイルを右クリックして、[プロパティ] をクリックします。
4. [全般] タブで [ブロックの解除] をクリックし、[適用] と [OK] をクリックします。
5. Exchange 管理シェルを起動し、ExPerfwiz.ps1 を保存したフォルダーに移動します。
6. 以下のコマンドを実行し、パフォーマンス ログの採取を開始します。
  
  例1) 特定期間で採取する場合 (duration の指定)
  .\ExPerfwiz.ps1 -filepath <出力先フォルダー パス> -interval "<採取間隔>" -maxsize 1024 -duration hh:mm:ss
 
例えば 5 分 (300 秒) 間隔でパフォーマンス ログの上限値を 1 GB (1024MB) までにて 2 時間分のカウンターを採取する場合は以下のように実行します。
 
.\ExPerfwiz.ps1 -filepath c:\temp -interval 300 -maxsize 1024 -duration 02:00:00
 
  例2) 循環ログで採取する場合 (circular の指定)
.\ExPerfwiz.ps1 -filepath <出力先フォルダー パス> -interval "<採取間隔>" -maxsize 1024 -circular
 
例えば 5 分 (300 秒) 間隔でパフォーマンス ログの上限値を 1 GB (1024MB) にしてログを循環ログ モードとしてカウンターを採取する場合は以下のように実行します。
 
  .\ExPerfwiz.ps1 -filepath c:\temp -interval 300 -maxsize 1024 -circular
 
7.「Delete the existing Exchange_Perfwiz Data Collector?」と表示された場合は「Y」を入力します。
8.「Start the Exchange_Perfwiz Data Collector now?」と表示されますので「Y」を入力します。
9.「Starting Data Collector...COMPLETED」と表示されることを確認します。
10. 事象が再現しましたら以下のコマンドを実行し、パフォーマンス ログの採取を終了します。
 
  .\ExPerfwiz.ps1 -stop
 
11. 指定した出力先フォルダーに .blg ファイルが保存されます。


注意事項)
手順 6 の例1 にて duration を指定しない場合は、既定で 8 時間が設定され、8 時間後にはパフォーマンス ログの記録が停止します。8時間より短い期間で採取または 8 時間以上採取する場合は、duration スイッチにて採取期間を指定下さい。なお例 2 のように循環ログ モードで採取する場合は、Duration を指定する必要はなく、maxsize に達するとログが順次上書きされます。ExPerfwiz で使用できるその他のスィッチについては以下のリンクをご参考下さい。
  
Title: Experfwiz (Exchange Performance Data Collection tool)
Url :  https://experfwiz.codeplex.com/

 
 
2.パフォーマンス状況の分析について
さて上記でパフォーマンス ログを取得しましたが、解析はどうするのでしょうか?
パフォーマンス カウンター毎に閾値が定義されているので、採取したパフォーマンス ログからパフォーマンス カウンターが閾値を超えていないかや事象発生時に値が急激に上昇しているまたは減少しているカウンターがないかどうか確認します。
Exchange 2013 のパフォーマンス カウンターについては以下の TechNet 情報に公開しております。
 
Title: Exchange 2013 パフォーマンス カウンター
Url: https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/dn904093(v=exchg.150).aspx
 
また Exchange 2010 ではあれば以下に当ブログにて紹介しております。
 
Title: Exchange Server 2010 のパフォーマンス カウンタについて
Url: http://blogs.technet.com/b/exchangeteamjp/archive/2013/12/17/3618734.aspx
 
 
なおパフォーマンス カウンターの意味や閾値が分かっていてもいざ解析するとなるとかなり大変だと思います。そこでパフォーマンス ログの解析を手助けしてくれる強力なツール PAL を紹介します。
 
Performance Analysis of Logs (PAL)
Performance Analysis of Logs (PAL) は以下からダウンロードできる無料のツールです。
 
Title: Performance Analysis of Logs (PAL) Tool
Url: https://pal.codeplex.com/
 
PAL は Exchange Server だけではなく Lync や SQL サーバーで採取されたパフォーマンス カウンターを自動で解析し、解析結果をレポート形式で出力してくれます。
 
 
システム要件について
以下の条件を満たすクライアント端末にインストールできます。
 
・Windows 7 64 ビット (English-US ロケール)
・PowerShell v2.0 以降
.NET Framework 3.5 SP1
・Chart Controls for .NET Framework 3.5
 
詳細は以下を参照下さい。
 
Title: Performance Analysis of Logs (PAL) Tool
Url: https://pal.codeplex.com/
 
 
ツールの実行
1. PAL をインストールしたら、PALフォルダーのPALWizard.exeを起動します。
2. ウィザードに従い、解析対象のパフォーマンス ログ (.blg) を選択します。


  

3. 製品とシナリオ(あれば)を選びます。

4. ウィザードの中では、解析対象の時間帯を指定したり、いろいろな設定がありますが、最低限上記2か所だけ選択すれば結果が出てきます。
5. しばらく待てば、以下のようなレポートが表示されます。出力レポートからどの時間帯でパフォーマンス問題が発生していたのか特定できます。
        既定でMy DocumentsのPAL Reportsに出力されます。

6. 公開されている閾値をベースに、入力されたファイルを適当に時間を区切って、それぞれの区間で問題点の重要度ごとに結果を出力します。

7. グラフも作ってくれます。
それぞれの項目ごとに、参考になる記事へのリンクも挿入されるので、本来どうあるべきかの参考にすることができます。
英語環境でしか動かないためか、カウンターに日本語が入っていたりすると???? のように表示されます。

以上となります。

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