ハイブリッド構成について ~ まとめ編 ~


こんにちは、Exchange サポート チームの 小林 です。

最近 Exchange Online とオンプレミスの Exchange のハイブリッド構成に関するお問い合わせが増えてまいりました。弊社もお客様のニーズに沿うべく公開情報を徐々に増やしております。しかし、膨大なExchange Online の情報の中にハイブリッド環境の追加情報が埋もれてしまっているようにも思います。そのため、ハイブリッド構成をご検討いただく際に有用な設計や構成ウィザードの情報を以下の通りまとめてみました。お役立ていただけると幸いです。
本ブログでもハイブリッド構成に関する情報を増やしていく予定でございます。
構築事例が増えてまいりましたので、構築の際のよくあるトラブルとシューティング方法に関する記事も今後ご案内したいと思います。

[1] ハイブリッド構成について
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ハイブリッド構成とは、一言で表現すると、オンプレミス Exchange 組織と Exchange Online 組織間での相互連携を可能にする構成です。

ハイブリッド構成を展開する主な目的は、オンプレミスの Exchange から Exchange Online への移行を行うことです。なお、Exchange Online への移行方法には、主に以下の 4 通りの方法があり、組織の規模などにより推奨される移行方法が異なります。

1) リモート移動移行
2) Exchange の段階的移行
3) Exchange の一括移行
4) IMAP 移行

上記のうち、ハイブリッド構成が必要となる移行方法が、上記 1) のリモート移動移行です。2,000 を超える Exchange 2010 または Exchange 2013 メールボックスを Exchange Online に移行するには、ハイブリッド展開を実装する必要がございます。

Title: Exchange Online へのメールボックスの移行
URL: http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/jj863291(v=exchg.150).aspx

その他、ハイブリッド構成、または、ハイブリッド構成に組み合わせて、オンプレミス側の AD と Azure AD (Exchange Online が使用する AD) のディレクトリ同期ツールや、ADFS などのフェデレーション製品をご利用いただくことで、以下のような機能をご利用いただくことが可能です。

1) どちらの組織にメールボックスが存在するかを意識することなく、オンプレミス Exchange および Exchange Online 組織間で、TLS により保護された通信にて安全にメールをルーティングすることができます。
2) オンプレミス Exchange 組織と Exchange Online 組織に存在するメールボックス間で、空き時間情報と予定表を共有することができます。
3) 一つの管理コンソール (または管理センター) にて、両組織の管理を一元的に行うことができます。
4) ハイブリッド構成に組み合わせてディレクトリ同期を行うことで、Exchange Online 上では直接変更ができない AD の属性値を含め、オンプレミス側の AD からオブジェクトの属性を変更し、Exchange Online に反映させることができます。
5) ADFS などのフェデレーション構成を組み合わせてご利用いただくことで、Exchange Online 組織に存在するメールボックスへのシングル サインオンを実現することができます。

[2] ハイブリッド構成の展開手順を確認する
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ハイブリッド構成を展開する手順は、オンプレミス側の Exchange のバージョンや、メール フローの構成により手順が異なります。以下の公開情報にてご案内しております Microsoft Exchange Server 展開アシスタントに従い、お客様の環境にあった手順をご確認いただくことができます。
本アシスタントはウィザード形式にて必要な前提条件やチェックリストなどを参照出来ますため、ハイブリッド構成の導入を検討されているお客様は是非事前にご活用いただければ幸いです。

Title: Microsoft Exchange Server 展開アシスタント
URL: http://technet.microsoft.com/ja-jp/office/dn756393.aspx

[3] ハイブリッド構成ウィザード実行中のエラーについて
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オンプレミス側の Exchange のバージョンや実行時に選択いただくオプションによりタスクが異なる場合がございますが、ハイブリッド構成ウィザードでは主には以下のタスクを実行しております。

-実行タスク (Exchange 2013)
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1) テナントの前提条件を確認
2) Exchange 2010 からのハイブリッド構成のアップグレード
3) 前提条件の確認
4) 受信者設定の構成
5) 組織上の関係の構成
6) 空き時間情報の設定の構成
7) メール フローの構成
8) MRS プロキシ設定の構成
9) IntraOrganization コネクタの構成 (※ オンプレミスおよび Exchange Online組織間にて、機能およびサービスを共有するための組織内コネクタの確認と構成)
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Exchange 2010 では、主に 1)、3) - 7) の計 6 つのタスクが実行されます。

トラブルシューティングのためには、画面上にて確認可能なエラーと併せて、以下のログを確認いただくことで、上記タスクのうちエラーが発生した処理を把握することができます。

-ログ配置場所 (Exchange 2013 の場合)
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C:\Program Files\Microsoft\Exchange Server\V15\Logging\Update-HybridConfiguration\HybridConfiguration_XXXXX.log
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以下は Exchange 2010 ベースの情報となりますが、各タスクごとに、よくあるエラーと対象方法、および、確認いただく点などの情報をご案内しておりますので、トラブルシューティングの際の参考情報としてご参照いただけますと幸いです。

Title: Office 365 Insight into the Hybrid Configuration Wizard
URL: http://blogs.technet.com/b/mikehall/archive/2013/05/24/office-365-insight-into-the-hybrid-configuration-wizard.aspx

Title: Office 365 Insight into the Hybrid Configuration Wizard Part 2
URL: http://blogs.technet.com/b/mikehall/archive/2013/08/21/office-365-insight-into-the-hybrid-configuration-wizard-part-2.aspx

[4] ハイブリッド構成ウィザード実行後の動作確認
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ハイブリッド構成ウィザードでは、自動でハイブリッド構成を構築しますが、お客様環境固有の条件によっては手動で構成を変更いただく必要がございます。したがって、ハイブリッド構成ウィザード完了後、ハイブリッド構成にて実現したい動作をご検証いただいたうえで、想定されない動作となっている場合には、個別にトラブルシューティングし、設定を追加いただく必要がございます。

ご確認いただくポイントとしましては、主に以下の動作が考えられますが、お客様環境の要件に応じて随時追加いただければと存じます。

a. Cloud - On-prem メールボックス間のメールの送受信
b. Cloud - On-prem メールボックス間の Free/busy の参照
c. Cloud - On-prem 間のメールボックスの移動 (On-board/Off-board)

なお、トラブルシューティング用には、各操作実行時のログの他に、以下のツールを使用して自動構成や空き時間情報の参照などのテストを行い、エラーを把握することが可能です。

Title: Microsoft Remote Connectivity Analyzer
URL: https://testconnectivity.microsoft.com/

Title: ハイブリッド展開のトラブルシューティング
URL: http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/jj659053(v=exchg.150).aspx

[5] ハイブリッド構成に関する既知のエラー
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以下ハイブリッド構成に関する主な技術情報になります。新たな記事が追加され次第、可能なかぎりこちらのページでも更新する予定です。

Title: Exchange 2013 のハイブリッド構成ウィザードが失敗する:「フェデレーション パートナーのフェデレーション メタデータ ドキュメントにアクセスできません」
URL: http://blogs.technet.com/b/exchangeteamjp/archive/2014/09/16/3637646.aspx

Title: オンプレミス Exchange Server と Office 365 Exchange Online のハイブリッド展開で発生する空き時間情報 (Free/Busy) に関する問題のトラブルシューティング方法
URL: http://support.microsoft.com/kb/2555008

Title: ハイブリッド環境またはクロスプレミス環境で発生するエラー: “Free/Busy information couldn’t be retrieved because the attendee's Mailbox server is Busy.”
URL: http://support.microsoft.com/kb/2838688

Title: Exchange 2010 から Exchange 2013 へアップグレード後にハイブリッド構成ウィザードを実行すると "‎Subtask Configure execution failed" エラーが発生する
URL: http://support.microsoft.com/kb/2967914

Title: Office 365 Exchange Online とオンプレミス Exchange Server のハイブリッド展開でクロスプレミスの予定表を編集できない
URL: http://support.microsoft.com/kb/2807149

Title: クロス フォレストまたはハイブリッドの空き時間情報の可用性ルックアップがを失敗で Exchange Server
URL: http://support.microsoft.com/kb/2734791

Title: オンプレミス Exchange Server と Office 365 Exchange Online でハイブリット展開されたリモート ユーザーの空き時間情報を表示することができない
URL: http://support.microsoft.com/kb/2667844

Title: Exchange ハイブリッド展開でオンプレミスのユーザーが Office 365 ユーザーからの電子メール メッセージを受信していない
URL: http://support.microsoft.com/kb/2730609

Title: ハイブリッド構成ウィザードの最終ページで証明書が表示されない
URL: http://support.microsoft.com/kb/2879262

Title: ハイブリッド展開用のセットアップ ウィザードにデジタル署名が表示されない
URL: http://support.microsoft.com/kb/2964920

Title: Exchange Server 2013 Hybrid Edition をアクティブ化しようとすると "無効なプロダクト キー" というエラー メッセージが表示される
URL: http://support.microsoft.com/kb/2916187

Title: Exchange 管理センターで [ハイブリッド] をクリックすると "412 Cookie が無効になっています" というエラーが表示される
URL: http://support.microsoft.com/kb/2888500

以上になります。今後とも宜しくお願いいたします。

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