Exchange Server 2013 Service Pack 1 をリリース


(この記事は 2014 年 2 月 25 日に The Exchange Team Blogs に投稿された記事 Released: Exchange Server 2013 Service Pack 1 の翻訳です。最新情報については、翻訳元の記事をご参照ください。)

 

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リリースノート

Exchange Server 2013 Service Pack 1 (SP1) がついに公開され、ダウンロード可能になりました。SP1 をインストールする前には、必ずリリース ノートをお読みください。Exchange Server 2013 SP1 の最終ビルドの番号は、15.00.0847.032 です。

SP1 は、Exchange Server の Technology Adoption Program (TAP、英語) を通じて、お客様が運用環境で使用しているメールボックスに既に展開されています。SP1 には、修正プログラムの他にも、セキュリティ、コンプライアンス、アーキテクチャ、管理、ユーザー エクスペリエンスといった、Exchange 2013 のエクスペリエンスを強化するためのさまざまな機能が含まれています。

この記事では、SP 1 に含まれる主な機能強化点について説明します。

注意: この記事の公開時点では、参照先のドキュメントの一部が利用できない可能性がありますのでご了承ください。

訳注: サービスパック 1 は累積更新プログラム 4 にあたるものです。技術的にはサービスパックも累積更新プログラムも同様の完全版パッケージですが、適用されるサポート ライフサイクル ポリシーが異なります。

 

セキュリティおよびコンプライアンスの強化点

SP1 では、Exchange Server 2013 のセキュリティ機能とコンプライアンス機能が強化されています。

具体的には、データ損失防止 (DLP) 機能、および Outlook Web App ユーザーに対する S/MIME 暗号化のサポート再開が含まれています。

  • Outlook Web App で DLP のポリシー ヒントが使用可能に – DLP のポリシー ヒントが Outlook Web App (OWA) および各デバイス用の OWA で使用できるようになります。この DLP のポリシー ヒントは Outlook 2013 のものと同一で、ユーザーが DLP のポリシーと合致する機密データを含むメッセージを送信する際に表示されます。DLP のポリシー ヒントの詳細については、こちらのページを参照してください。
  • DLP によるドキュメントのフィンガープリント – DLP ポリシーを使用すると財務データや個人データなどの機密情報を検出できますが、DLP によるドキュメントのフィンガープリントによってこの機能が拡張され、企業内で使用されているフォームを検出できるようになります。たとえば、自社の特許申請フォームに基づいてドキュメントのフィンガープリントを作成します。こうすることで、このフォームをユーザーがいつ送信したのかを把握し、DLP アクションを使用してコンテンツのやり取りを適切に制御することができます。DLP によるドキュメントのフィンガープリントの詳細については、こちらのページ (英語) を参照してください。
  • 新しい地域をサポートする DLP 機密情報を提供 – SP1 では、さらに多くの種類の DLP 機密情報の標準セットが提供されます。ポーランド、フィンランド、台湾が新たにサポート対象地域として追加されています。DLP 機密情報の種類の詳細については、こちらのページを参照してください。
  • OWA で S/MIME をサポート – SP1 では、OWA での S/MIME 機能のサポートが再開され、OWA ユーザーが電子メールの送受信の際に暗号化機能を使用できるようになります。メッセージに署名を追加することにより、受信者はそのメッセージが指定された送信者から送信されたものであり、またその送信者からのコンテンツのみが含まれていることを検証できます。この機能は、Internet Explorer 9 以降で OWA を使用する場合にサポートされます。Exchange 2013 での S/MIME のサポートの詳細については、こちらのページ (英語) を参照してください。

アーキテクチャおよび管理の強化点

SP1 には、お客様のニーズを満たすと同時に、最新のプラットフォームに対応できるように、以下の強化機能が含まれています。

  • Windows Server 2012 R2 をサポート – Exchange 2013 SP1 には、サポート対象 OS として Windows Server 2012 R2 が追加され、Active Directory 環境のドメインとフォレストの両方の機能レベルがサポートされます。このサポート情報の詳細については、Exchange Server のサポート一覧を参照してください。この一覧には、従来の Exchange バージョンでの Windows Server 2012 R2 のサポートについても詳細に記載されています。
  • Exchange 管理センターにコマンドレットのログ記録機能を追加 – Exchange 2010 の管理コンソールには PowerShell コマンドレットのログ記録機能が含まれています。お客様からのご要望にお応えし、この機能を Exchange 管理センター (EAC) に導入しました。ログ記録機能を使用することで、EAC のユーザー インターフェイスで実行された最近のコマンド (最大 500 個) を、ログ ウィンドウで取得、確認できるようになります。ログ記録は EAC のヘルプ メニューから呼び出すことが可能で、ログ ウィンドウを開いている間はログ記録が継続されます。

  • OWA の ADFS – SP1 の Outlook Web App では、Active Directory フェデレーション サービスを利用して、企業で要求ベースの認証を実行できるようになります。詳細については、こちらのページ (英語) を参照してください。
  • エッジ トランスポート サーバーの役割 – SP1 では、エッジ トランスポート サーバーの役割のサポートも再開されます。エッジ トランスポート サーバーの役割をサポートしている旧バージョンの Exchange と同時に Exchange 2013 を展開している場合、アップグレードは不要で、構成は引き続きサポートされます。しかし、マイクロソフトでは、将来的には Exchange 2013 のエッジ トランスポート サーバーの役割を使用していただくことを強く推奨します。Exchange 2013 のエッジ トランスポート サーバーの詳細については、こちらのページ (英語) を参照してください。
  • Exchange と Outlook 間の新しい通信メソッド – SP1 では、Exchange Server と Microsoft Outlook 間で、MAPI over HTTP (MAPI/HTTP) と呼ばれる新しい通信メソッドが導入されます。この通信メソッドを使用すると、接続のトラブルシューティングが容易になると共に、休止状態からの復帰やネットワークの変更の際のユーザーの接続エクスペリエンスが改善されます。MAPI/HTTP は、既定では無効に設定されていますが、いつでも有効化することができます。MAPI/HTTP は Outlook 2013 SP1 クライアント用 RPC/HTTP (Outlook Anywhere) の代替として使用可能です。ただし、Outlook 2013 RTM およびそれ以前のクライアントでは、引き続き RPC/HTTP が使用されます。MAPI/HTTP の展開に関する詳細については、こちらのページ (英語) を参照してください。
  • DAG でクラスター管理用アクセス ポイントが不要に – Windows Server 2012 R2 で、管理用ポイントを使用せずに (IP アドレス、IP アドレス リソース、ネットワーク名リソース、クラスター名オブジェクトが不要)、フェールオーバー クラスターを操作できるようになります。SP1 では、管理用アクセス ポイントを使用しなくても、EAC または PowerShell から Windows Server 2012 R2 にアクセスして DAG を作成できます。これは SP1 用の DAG のオプション構成で、使用する場合には Windows Server 2012 R2 が必要です。なお、管理用アクセス ポイントを使用した DAG の操作も引き続きサポートされます。管理用アクセス ポイントを使用せずに DAG を作成する場合の詳細については、こちらの記事 (英語) およびこちらのページを参照してください。
  • SSL オフロードのサポート – SP1 では SSL オフロードがサポートされ、お客様の CAS サーバーに対する SSL の受信接続の終端処理を実行し、SSL のワークロード (暗号化処理と解読処理) を負荷分散デバイスで代替できるようになります。Exchange 2013 での SSL オフロードの詳細については、こちらのページ (英語) を参照してください。

ユーザー エクスペリエンスの強化点

マイクロソフトでは、優れたメッセージング プラットフォームを実行するうえで、ユーザー エクスペリエンスを改善していくことには大きな意味があると考えています。SP1 では、ユーザーが業務をよりスムーズに遂行できるように機能強化が施されています。

  • OWA 用テキスト エディターの機能強化 - OWA で SharePoint と同一のリッチなテキスト エディターを使用できるようになります。これにより、ユーザー エクスペリエンスが強化され、いくつかの新しい書式が追加されると共に、貼り付けオプションの拡張、リンク先コンテンツのリッチなプレビュー機能、表の作成/編集機能など、最新の Web アプリケーションで使用可能な作成機能を利用できます。

  • Office 用アプリをメッセージ作成に使用可能 – 電子メール メッセージの新規作成時に、電子メール アプリを使用できるようになります。これにより、開発者はメッセージの作成時にユーザーがアプリを使用することを考慮した開発が可能となります。この作成アプリは Office 用アプリのプラットフォームを利用したもので、既存の Office ストアや企業のカタログから追加できます。Office 用アプリの詳細については、こちらのページを参照してください。

SP1 へのアップグレード/SP1 の展開

累積更新プログラム (CU) と同じく、SP1 は Exchange の完全なビルドであるため、SP1 の展開は累積更新プログラムの展開とまったく同様に実施できます。

Active Directory の準備

サーバーに対して SP1 のアップグレードや展開を実施する前、または実施と同時に、Active Directory を更新する必要があります。サーバーに SP1 をインストールする前に、下記の操作を実行する必要があります。

1. Exchange 2013 SP1 では、スキーマが変更されています。このスキーマの変更を適用するために、次のコマンドを実行する必要があります。

    setup.exe /PrepareSchema /IAcceptExchangeServerLicenseTerms

2. Exchange 2013 SP1 では、エンタープライズ Active Directory が変更されています (一例として、RBAC ロールが更新され、新しいコマンドレットやプロパティがサポートされています)。このため、次のコマンドを実行する必要があります。

    setup.exe /PrepareAD /IAcceptExchangeServerLicenseTerms

サーバーの展開

上記の準備作業が完了したら、サーバーに SP1 をインストールできます。上記の各手順を実行しない場合は、Exchange 2013 SP1 のサーバーの初回インストール時にセットアップとして実行されます (従来と同様です)。Exchange 2013 のサーバーを初めて展開する場合は、企業内にクライアント アクセス サーバーとメールボックス サーバーの役割の両方を展開する必要があります。

Exchange 2013 RTM のコードを既に展開済みで、SP1 へのアップグレードを実施する場合、コマンド ラインから次のコマンドを実行します。

setup.exe /m:upgrade /IAcceptExchangeServerLicenseTerms

上記の代わりに GUI のインストーラーからインストール作業を開始することもできます。

ハイブリッド環境への展開と EOA

Exchange がオンプレミスとクラウドの両方に展開されているハイブリッド環境をご利用の場合、またはオンプレミスの Exchange の展開に Exchange Online Archiving (EOA) をご利用の場合は、累積更新プログラムおよび Service Pack の適用で同じ通貨設定を維持する必要があります。

 

今後について

Exchange 2013 の次回の更新は、Exchange 2013 の累積更新プログラム 5 となる予定です。この CU では、Exchange Server 2013 のリリース プロセスが継続されます。

Exchange Server 2013 SP1 の詳細にご興味があり、Exchange チームに直接質問をされたいお客様は、ぜひ Microsoft Exchange Conference (英語) にご参加ください。

Brian Shiers

Exchange 担当テクニカル プロダクト マネージャー

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