Exchange 2013 および Exchange Online での訴訟ホールドおよびインプレース保持


(この投稿は 2013 年 12 月 11 日に The Exchange Team Blog に投稿された記事の翻訳です)

 
マイクロソフトは、Exchange 2010 および Exchange Online に訴訟ホールドを導入しました。これにより、メールボックスのコンテンツを変更せずに保持できるようになり、長期保持および eDiscovery の要件を満たすことができます。メールボックスを訴訟ホールドの対象に指定すると、メールボックスのコンテンツは無期限に保持されます。

 

メールボックスを訴訟ホールドの対象に指定:

Exchange 管理センター (EAC) またはコマンド シェル (LitigationHoldEnabled パラメーターを設定) を使用して、メールボックスを訴訟ホールドの対象に指定することができます。Exchange 2010 では、Exchange 管理コンソール (EMC) でもこの操作が可能です。

 


 
図 1: Exchange 2013 および Exchange Online で EAC を使用し、メールボックスに対して訴訟ホールドを有効化

 


 
図 2: 訴訟ホールドの対象とされている旨をユーザーに通知するためにメモと URL を追加

 

アイテムの保持期間を指定:

指定した期間中のみアイテムを保持できるように、Exchange Online に LitigationHoldDuration パラメーターが追加されました。これにより、アイテムの作成日 (受信メールの場合は受信日) から起算して指定した日数の間、メールボックス内のすべてのアイテムが保持されるため、お客様のコンプライアンス要件への対応に役立ちます。たとえば、お客様の企業ですべてのメールボックスのデータを 7 年間保持する必要がある場合、すべてのメールボックスを訴訟ホールドの対象に指定し、LitigationHoldDuration の値を 7 年間 (日単位) に設定します。

この機能は Exchange 2013 でもご利用いただけるため、オンプレミス環境においてもアイテムの保持期間を指定できます。Exchange Online を対象に開発された機能がオンプレミスの Exchange Server にも提供されるようになることがありますが、これはその一例です。

 

Exchange 2013 および Exchange Online でのインプレース保持

マイクロソフトは、Exchange 2013 および新しい Exchange Online で、これまでよりも柔軟にデータを保持できるインプレース保持機能を導入しました。この機能はインプレース電子情報開示 (eDiscovery) と統合されていて、単一のウィザードまたは単一のコマンドレット (New-MailboxSearch) で検索、保持できます。[In-Place eDiscovery & Hold] ウィザードまたは New-MailboxSearch コマンドレットを使用することで、クエリ パラメーターと一致するアイテムを検索、保持 (クエリ ベースのインプレース保持) したり、指定した期間中アイテムを保持 (時間ベースの保持) したり、従来の訴訟ホールド機能と同様にすべてのアイテムを無期限に保持したりできます。詳細については、新しい Exchange におけるインプレース電子情報開示とインプレース保持 – 第 1 回 (英語) および第 2 回 (英語) を参照してください。

 

Exchange 2013 および Exchange Online での訴訟ホールドの使用について

EAC またはコマンド シェルでメールボックスを訴訟ホールドの対象に指定しようとすると、いずれの場合でも、新しいインプレース保持機能への移行を推奨する警告メッセージが表示されます。この移行は、製品ドキュメントでも同様に推奨されています。
 

図 3: Exchange 2013 で EAC から訴訟ホールドを使用するときに表示される警告

訴訟ホールドは引き続き使用可能: Exchange 2013 と新しい Exchange Online のリリース以降、訴訟ホールド機能の存続について多くのお客様からお問い合わせいただきました。Exchange Online または Exchange 2013 で訴訟ホールド機能を廃止する予定はないことをここで明確にお伝えします。現在この警告は、Exchange Online および Exchange 2013 SP1 では表示されません。また、移行を推奨する記述も、Exchange Online および Exchange 2013 のドキュメントから削除しました。

 

お客様のニーズに最適な保持機能の使用

保持に対するお客様のニーズに合わせて、Exchange 2013 と Exchange Online のどちらでも、メールボックスのデータの保持機能を使用できます。以下の比較表で、2 種類の保持機能についてシナリオ別にご紹介します。どちらを使用するか判断するうえで参考にしてください。

 

 シナリオ

訴訟ホールドを使用 

 インプレース保持を使用

 メールボックスのすべてのアイテムを保持

 

すべてのアイテムを保持する場合はすべてのクエリ パラメーターを未指定にします。

 

メールボックスのすべてのアイテムを指定期間中のみ保持 

コマンド シェルからメールボックスの LitigationHoldDuration パラメーターを指定します。 

 

時間ベースのインプレース保持を作成し、EAC から、またはコマンド シェルで ItemHoldDuration パラメーターを使用して、インプレース保持の期間を設定します。

 
クエリ パラメーターと一致するアイテムを保持

×

訴訟ホールドではすべてのアイテムが保持されます。

 

クエリ ベースのインプレース保持を作成し、開始日、終了日、送信者、受信者、キーワードなどのクエリ パラメーターを指定します。

 指定した種類のアイテムを保持 (電子メール、予定表、メモなど)

×

訴訟ホールドではすべてのアイテムが保持されます。

 

EAC またはコマンド シェルの MessageTypes パラメーターを使用できます。

 配布グループのメンバーに対して保持設定を指定

コマンド シェルで Get-DistributionGroupMember コマンドレットを使用して、配布グループのメンバーを Set-Mailbox コマンドレットに関連付けます。1 

 

配布グループの指定は、EAC [In-Place eDiscovery and Hold] ウィザードまたはコマンド シェルの SourceMailboxes パラメーターで簡単に行えます。2

 保持対象の最大ユーザー数 

×

訴訟ホールドはメールボックスのパラメーターなので、最大数の制限はありません。コマンド シェルを使用すると、迅速に企業内の全ユーザーを保持対象として指定することができます。

 


 インプレース保持オブジェクト 1 つあたり最大 5000 人のユーザーを指定できます。5000 以上のユーザーを保持対象とする場合、保持オブジェクトを追加で作成する必要があります。

 1 つのメールボックスを複数の保持対象に指定 ×

 


1 人のユーザーを複数のインプレース保持対象として指定できます。これにより、1 人のユーザーに対して複数の調査や訴訟事件が発生している場合などにも対応可能です。

 メールボックスを無効化 (英語) して Exchange Online でデータを保持 ○3

1 コマンドを実行すると配布グループが展開されます。その後グループに変更を加えるには、再度コマンドを実行する必要があります。
2 配布グループは、インプレース保持を作成または更新したときにのみ展開されます。その後グループに変更を加えるには、検索オブジェクトを更新する必要があります。
3 メールボックスの無効化は Exchange Online の機能です。リンク先のドキュメントは、訴訟ホールドでもメールボックスを無効化できることを明確に記載するように、現在更新中です。

Bharat Suneja

更新履歴
– 2013/12/11: 比較表に「指定した種類のアイテムを保持」の行を追加
– 2013/12/11/: 比較表に「ItemHoldDuration」パラメーターの記載を追加

 

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