グローバル競争に勝ち残るためのプロダクティビティ

ここまで数回にわたり、私どもが日ごろご提案する「ビジネス プロダクティビティ」をブレーク ダウンしてご紹介してきました。12 月 1 日の Lync 発売をもって、Wave “14” による新世代のプロダクティビティ プラットフォームが完成しました (Lync についてはここ数回集中的にご紹介しましたので、詳しくは「人と人がリアルタイムにつながる俊敏な組織づくり」以降をご覧ください)。そして、年明けにはこの Wave “14” 世代の製品をクラウド サービスとしてご利用いただける Office 365 が登場しますが、その詳細は次回以降でご紹介していきます。今回はここまでのまとめとして、改めてこれからのプロダクティビティについて考えてみたいと思います。 「グローバル化」は言い古されたキーワードですが、特に近年、単に「世界市場に打って出る」だけではない、真のグローバル化が進行中です。コールセンターや税務処理など、一定の枠を持った非中核事業や業務は、アウトソースがかなり進んでいます。ひと塊のプロセスごとに外に出すため、場所などどこでもよく、最近では中国の大連あたりでこれらのアウトソース サービスを日本語で行っているケースもよく見受けられます。また製造業が生産拠点を海外に移転することは、円高や税制などの観点から、長らく続いている傾向です。このように、近年サプライチェーンそのものがグローバル化しており、この傾向が後戻りすることは当分ないでしょう。この結果、国内の本社やコア ビジネスに残されるのは 「人」 そのものになります。本社やコア ビジネスの生産性は、より人の生産性に直結するようになる、ということです。   “コスト削減” 発想からの脱却 言うまでもなく、収益性は、アウトプット (生産物) ÷ インプット (人や資源) です。今に始まったことではありませんが、特に日本企業の場合、どうしてもインプットの量を減らす、つまりコスト削減に注視する傾向にあります。コスト削減は、考えるのは簡単です。現状のプロセスを見つめなおせば、どこにどのぐらいのリソースをかけているのかはわかりますので、何をやめればどうなるか、の判断ができます。結果のコミットができるので、コスト削減は提案しやすいですし、承認も通りやすい。やらされるほうはたまったものではありませんが、たいていの場合、提案者も承認者も直接手は下さないので問題ありません。しかし、アウトプットの量を増やす、生産性向上については、理解を得るのが大変です。現状のプロセスでは出せない結果を出さなければならないわけですから、パラダイム チェンジを伴います。もちろんだれもがその意義をわかってはいますし、とくに現場はそれを望んでいます。しかし、次元の異なる世界に踏み出すため、予測の数字に説得力を持たせるのが難しく、提案者も承認者も二の足を踏むのです。 グローバル化はつまり、世界を相手に競争をするということです。極限までコストを切り詰めたとしても、もともと低コストな人件費や資源をバックに戦う他国の競争相手に、はたして勝てるのでしょうか? 日本は資源小国で、競争力の源泉は人材にあるはずです。人の生産性を上げないで、どうやって戦うというのでしょう? 日本が次代を生き抜くためには、そろそろ、コスト削減発想からの脱却が必要です。     残された「人」のプロダクティビティを支える情報システム 人の生産性をもたらすのは、人の知恵です。知恵をもたらすのは知識です。知識は人と人の間のアドホックな情報流通から生み出され、共有されます (詳しくは「埋もれた知識を掘り起こす仕組み作り 」をご覧ください)。もちろん、定型化などできません。組織の戦略という大きな地図を参考にしながらも、直面する課題に対する解決方法を見つけるのは、それぞれの人であるべきです (詳しくは「組織の行動力を高めるための仕組み作り 」をご覧ください)。したがって、情報流通を支えるシステムは、決められた動きをスピーディに行うための 「アプリケーション」 ではなく、自由に動き回るための素材を提供する 「プラットフォーム」 であるべきなのです。システムは、情報が円滑に人と人の間を流れることを保証するものであって、ユーザーに振る舞いを強制するものであってはなりません。私どもが理想と考えているのは、さまざまな種類の情報を、さまざまな目的に応じて、最適な形で、必要としている人に届けることで、人の豊かな発想力を支える、ビジネス プロダクティビティ プラットフォームなのです。  

0

新しい “モバイル ワーク スタイル” への対応

「壁のないコミュニケーション」の必要性 現代のオフィス ワーカーを取り巻くコミュニケーション環境は、今まさに変わりつつあります。全雇用者数に占める非正規雇用者は 1/3 に達し、業務の細分化や専門化が進んでいます。また IT の進化に伴い情報流通量は爆発的に増え、スマートフォンやスレート PC など、多種多様なデバイスやアプリケーションを十分に使いこなせず、情報やツールに振り回されるようになってきています。電子メールは今やビジネス コミュニケーションの主役に躍り出ましたが、あらゆるコミュニケーションが電子メールに集中することで、深刻なロスが発生し始めています。また、コスト削減圧力は引き続き強く、グリーン IT に対する関心の高まりとあいまって、出張費やオフィス スペースの削減はどの企業や組織でも当然のこととして受け入れられています。 このような環境変化に対峙してもなお高い生産性を維持するためには、これらに伴い発生するコミュニケーションの壁を越えなければなりません。労働力がグローバルに分散することで生まれる、コミュニケーション相手との「距離や時間の壁」を超えるには、自分と相手の居場所に関係なくスムーズなコミュニケーションが実現されなければなりません。業務が細分化されることで協力関係がわかりにくくなる「組織の壁」を超えるには、適切なコミュニケーション相手をすばやく見つけ、たどり着く手段が必要です。専門性が増すことでナレッジを相手に伝えるのが困難になる「知識の壁」を超えるには、人と人のつながりを維持し発展させる仕掛けが必要です。ツールやデバイス利用の習熟度の差により生まれる「リテラシーの壁」を超えるには、ツールそのものの使い分けを意識することなく、自分の必要とする情報を自然に最適な方法で入手できるようになるしくみが必要です。     これらの壁を取り払うことができれば、いつでも、どこにいても、だれとでも同じ生産性を発揮できる、モバイル ワーク スタイルが実現されます。在宅勤務や会議のオンライン化など、移動をなくすことでコストを削減するという局所的な話ではなく、1 日の中で過ごすあらゆる場所で同じ生産性を維持できる、「移動に耐えうる」機動的なワーク スタイルです。これにより、従業員は目的やシーンに応じて最もパフォーマンスを発揮できるスタイルを選択できるようになり、組織全体の生産性は格段に向上します。   マイクロソフトの統合モバイル ワーク スタイル環境 モバイル ワーク スタイルを実現するには、以下の 4 つのシステム要件をカバーする必要があります。 安全なネットワーク ストック型の情報 (業務データ、文書…) フロー型の情報 (電子メール、音声、ビデオ…) 情報加工、伝達ツール 当然ながらネットワークの安全性は非常に重要です。無線技術も含み、ネットワーク インフラ自体はかなり整備されていますが、その上で、利便性やスピードを損なうことなく、安全な通信を行うしくみが求められます。また一般的に、「ユニファイド コミュニケーション」と呼ばれるコミュニケーション効率化ソリューション分野は、電子メールや音声、ビデオ会議など、「フロー型」の情報に焦点を当てていますが、モバイル ワーク スタイルに必要とされるコミュニケーションは、それだけではありません。業務データや電子ファイルなど、企業内部の一定の場所に格納されている「ストック型」情報を的確に見つけ、利用できることも重要です。また入手した情報を加工し伝達するためのツールも必要不可欠です。マイクロソフトの Office 2010 関連製品群および Windows といった汎用ソフトウェアの組み合わせにより、あらゆる業種や業務シーンに合わせた最適なモバイル ワーク スタイルを、包括的に実現します。   これらの機能が、マイクロソフト製品ならではの操作性と連係性で、相互に価値を高めます。ユーザーは使い慣れた Office から、システム管理者は慣れ親しんだ Windows プラットフォームで、開発者は先進のマイクロソフト開発環境で、これらのプラットフォームがもたらす生産性を、簡単に利用することができるようになります。  

0

Microsoft Lync 2010 次世代のコミュニケーション – VoIP

電話を IT として管理、運用する価値 電話は、面前にいない相手と音声を交換する手段であり、最も普及した ICT と言えますが、長らく他の IT システムとは独立した存在でした。デスクや会議室と同様のファシリティとして扱われ、その上を流れるコンテンツの統制や効率化は考慮されていません。しかし近年、デスクのフリー アドレス化や危機管理やグリーン IT の観点からのテレワークの検討など、従業員のワーク スタイルは確実に変化しつつあります。いつ、どこにいても、オフィスと同じ生産性と安全性、管理性を維持できる IT 環境が求められつつあり、電話もまた例外ではありません。 利用者視点での電話システムの問題点は、電話を掛けてみなければ相手の状況がわからないことです。相手の作業の集中力を邪魔するかもしれません。電話に出てもらえない場合、席にいないのか、携帯なら電車移動中なのか商談中か、それとも無視されているのかもわかりません。このような不安が電話を掛けることを躊躇させ、「Microsoft Lync 2010 次世代のコミュニケーション – IM 」でご紹介のような、電子メールのオーバー ロードを招くのです。 管理者視点でも、電話システムが独立した管理性の低いインフラであることが問題です。コンピューター  ネットワークでは通常、終端である PC やサーバー、プリンターなどのデバイスは、アドレスで管理されます。またそれらのデバイスや、その利用者であるユーザーは、Active Directory などにより中央で集中管理されます。そのため、ユーザー単位で機能のオン、オフやアクセス権などを自由に制御できます。またデバイスは場所に縛られずにどこでも接続できますし、ユーザーもデバイスに縛られずにどのデバイスでも自分の ID でログイン可能です。 一方の電話ネットワークは、電話機によるピア ツー ピアの音声伝送路です。外部との通信はもちろんキャリアに依存、構内回線は多くの場合 PBX ハードウェアで制御しますが、元来音声通話の接続制御であり、中央での終端のコントロール性は高くありません。ユーザーの概念はなく、電話番号という回線の ID で制御されるため、電話は場所に縛られ、ユーザー単位のアクセス制御もできません。そのため座席変更により人が移動する場合、回線も移動しなければならないのです。また当然、電話回線のメンテナンスは LAN との二重投資になります。主にハードウェアで実現される構内交換網の設備および保守費用は非常に高額です。電話回線は IP ネットワークに比べて、非常に非効率なインフラです。   Microsoft Lync が提供する多彩で使いやすい VoIP 電話 Microsoft Lync の VoIP 電話機能は、これら電話システム特有の問題点を解消します。Lync では、これまでご紹介してきたような、プレゼンスや IM、会議、および電子メールなどのコミュニケーション手段が 1…

0

Microsoft Lync 2010 次世代のコミュニケーション – オンライン会議

コスト削減だけではない、オンライン会議の効果 出張費や移動費の削減のために、会議をオンラインに移行する企業や組織が増えています。一般的には「テレビ会議」と呼ばれる、大きな画面と高精細度のカメラを使い、太い回線を経由して高品質な画像と映像を送るシステムは、比較的以前から普及し始め、多くの企業や組織で導入済みでしょう。しかし、これらのシステムは使える場所や時間が限られており、利用のための予約や申請が必要なため、一般従業員による日常の会議にはそれほど使われていないのが現状でしょう。これではせっかくのテレビ会議システムも宝の持ち腐れです。 最大の問題は、テレビ会議システムが会議室という「場所」に縛られていることにあります。確かに離れた場所どうしでのやり取りができますので、テレビ会議システムが映し出している相手方に、自分のもとに来てもらう必要はなくなり、その分の移動費は削減できるでしょう。しかし、指定の時間に指定の場所に集まらなければならないのは通常の会議と同じです。会議そのものの生産性には何も手が付けられていません。せっかく IT を駆使して会議をバーチャル化するのですから、会議そのものをより効率的に運営することに注目すべきです。単にお互いの顔を見るためにビデオ通信を使い、スクリーン投影の代わりに画面共有を使うだけでなく、会議の進行をよりスムーズにし、会議の中で適切に意思決定を行い、その結果をアクションに結び付けやすくする工夫が必要です。   Microsoft Lync でデスクトップが会議室に Microsoft Lync のオンライン会議は、IM の延長線上にある操作性の高いインターフェイスを用いて、すばやくミーティングを実施できます。テキスト チャットだけでなく、音声通話やビデオ通話など、すべてワンクリックで開始できるため、コミュニケーションの幅が広がります。会議はあらかじめスケジュールしておくものだけでなく、その場でアドホックに始めることもできます。IM をインターフェイスに使いますが、1 対 1 だけでなく、複数人数でのチャットや各種通信が可能です。     会議を行う目的は、普段はひとところにはいない人どうしで意見交換し合意をとることにあります。複数人が集まる必要があるため、仕方なく場所と時間を設定しているだけです。Lync を使えば場所の制約がなくなり、またビデオ通話による面と向かったコミュニケーションが行えます。もはやわざわざ会議室に集まる必要などなく、会社のデスクや別の場所、自宅など、あらゆる場所からカジュアルな会議をいつでも実施することができます。これにより、複数の小規模なコミュニティーで多くのことが事前に解決され、会議では、参加者全員にとって本当に重要な議題のみが取り上げられるようになります。 Lync では PowerPoint のプレゼンテーションの共有だけでなく、そのプレゼンテーションへの共同での書き込み、ファイルの共有、デスクトップやアプリケーションの共有と共同での操作、ホワイトボードへの共同での書き込み、アンケートの取得などができるため、画面上でリアル タイムかつ濃密なディスカッションが可能です。PC さえあれば全員が手元で操作できるため、参加者全員が積極的に関与し、適切な意思決定を促進します。     プレゼンテーションの実施や書き込み、音声はすべてレコーディングが可能で、Lync 独自の形式のほか、Windows Media Video 形式にエンコーディングすることができます。会議の模様をすべて後から参照することができるため、どうしても参加できなかったメンバーにもまったく同じ内容の情報を伝えることができます。また、書き込みを行ったプレゼンテーションは、書き込み情報ごと XPS 形式のファイルにエクスポートされるため、レコーディング映像と合わせて、正確な会議記録になります。 このように、デスクトップから参加できる Lync のオンライン会議では、会議に IT ならではの効率性をもたらし、会議のあり方を変えます。

0

Microsoft Lync 2010 次世代のコミュニケーション – IM

電子メールがもたらすコミュニケーション ロス 前回もご紹介の通り、電子メールはもはやビジネス コミュニケーションの標準ツールとなっています。しかし、電子メールの利用が増えるほど、各個人のメッセージ管理は大変困難になります。1 日に受け取るメールの量が数百通にも上るようになると、メールの処理だけで膨大な時間を要することになります。メールは手紙と同じで、その性質上、開封してみないと内容がわかりません。受け取ったメールの要不要を確認するには、開封してみるしかないのです。もちろん、送り主や送り先、件名などである程度アタリはつけられますが確実な仕分けは不可能です。 電子メールは相手の行動を邪魔しないため、非常に気軽に呼びかけられるツールです。それがゆえに、顧客からの重要な用件と、同僚や友人からのプライベートな呼びかけが区別なく紛れ込んでいます。また、電話なら質疑応答の繰り返しですぐに解決するような問題までメールが使われることも多く、ほんの数人により延々と続けられるメールのやり取り (チェーン メール) を、大多数のほぼ無関係のユーザーが受け取り続けなければならないこともあります。さらに、文章は会話よりもニュアンスが伝わりづらく誤解を招くことがありますし、やりとりの初期の段階で顧客など外部のユーザーが含まれていたことが失念され社内コミュニケーションが外部に漏れてしまうような事態も起きています。そしてこれらの膨大なメッセージの山から重要な情報を見つけ出すのは相当に困難です。 これは、メールの手軽さと、非同期ツールでありリアル タイムなコミュニケーションに向いていないという特質から生まれる非効率性です。したがって、メールよりもさらに手軽でリアル タイムなコミュニケーション ツールがあれば回避できます。   Microsoft Lyncの IM はリアル タイムなメモ交換ツール 企業内でのインスタント メッセージング (IM) 導入に懐疑的な方もまだいらっしゃるかもしれません。しかしすでに多くのユーザーが Windows Live Messenger などのインターネット上のパブリック IM ツールをプライベートで使っており、企業内に導入しても違和感なく使い始めることができるでしょう。そしてパブリック IM とは違い、Lync の IM はガバナンスの効いたツールであり、前述のようなコミュニケーションの無駄やリスクをなくす切り札となります。 電子メールが手紙だとすれば、IM はメモのようなものと考えていただければわかりやすいでしょう。IM でメッセージを送った時、相手が席にいなければそれはまさに伝言メモとして、相手の PC 上にポップアップされた Lync 2010 クライアント上に表示されます。IM でメッセージを送った時、相手が席にいたならば、メモのすばやいやり取りによってリアル タイムな会話ができます。メールとは違ってすぐに相手に届きますし、電話とは違ってデバイスに縛り付けられることはありません。チェーン メールになりがちな、細かな質問のやり取りも、IM なら簡単に解決できます。     Lync の IM では、テキストだけでなく、添付ファイルの送受信もできます。メールを使わずにちょっとしたファイルを相手に送ろうとすると、どこかの共有フォルダーにそのファイルを保存し、フォルダーのアドレスを伝えるといったいくつかのステップを踏まなければなりません。Lync の IM ならば、メッセージ入力エリアにファイルをドラッグ…

0

Microsoft Lync 2010 次世代のコミュニケーション – プレゼンス

相手の状態を知ることから始まるスムーズなコミュニケーション ほんの十数年前のオフィスでは、情報の多くは書類や回覧などの形で物理的な移動を伴うか、固定電話や直接の会話を通じた音声として伝達されていました。またコミュニケーションの効率を向上するためには自然と、よくコラボレーションするメンバーや組織どうしを近い席に配置することになりました。このような環境の場合、オフィス ワーカーは自席または指定された場所にいなければ、情報を受け取ることができません。書類にせよ固定電話にせよ、物理的なアドレス、つまり場所に対して情報が送られてくるため、「そこにいる」ことが重要だったのです。 しかし近年は、ビジネスのスピード化とグローバル化により、物理的な近さを確保できない相手とのコラボレーションが必要になっています。コラボレーションの範囲は社内だけでなく、社外のパートナーや時には顧客にまで広がり、さらに国内にとどまらずグローバルな連携も増えてきています。また携帯電話や電子メール、モバイル PC の普及により、場所の固定をしなくてもよいコミュニケーション手段を入手できるようになりました。この結果、もはや自席にいることそのものはあまり重要ではなくなりつつあり、オフィス内に入るものの他のフロアや会議室などで、あるいは出先で仕事をする機会は頻度を増しています。さらに、設備コストの削減やより機動的なコラボレーションを目的として、特に営業マンを対象としたフリー アドレス化 (固定の席を持たない) を進める企業も近年増えてきています。 このように、コラボレーションから場所の制約条件が解放されるようになった反面、相手の状態の把握が難しいという別の問題が発生することになりました。かつてのようにコラボレーション相手が近くに座っているのであれば、ちょっと周りを見渡せば相手がどのような状況に置かれているかがわかりますが、見えない相手の状況を把握するには、本人に直接状況を確認する以外にありません。電話をかけてみて大丈夫ならそのまま用事を済ませ、だめならまたかけ直すことになります。かけ直す方も手間ですが、かけられる方も作業をたびたび邪魔され、生産性が大きく低下します。かといって電子メールでは、すぐに返事が来るかどうかわかりませんし、もし返事が来なければ、その理由が、席にいないのか、メールを見落としているのか、見たうえで忙しくて返事していないのか、まったく関心がないのか、は知りようがありません。   Microsoft Lync がいつでもどこでもプレゼンスを把握 Lync 2010 による IM/プレゼンス機能がこのようなコラボレーション スタイルの変化を吸収します。さまざまな状態に置かれている相手と最も適切なコミュニケーションをとるために、このツールが最初のフィルターの役割を果たしてくれます。 Lync 2010 では、青、黄、赤のプレゼンス アイコンで、その人の作業状態を表示します。Lync 2010 が動作しているデバイス、たとえば PC を操作中であれば、プレゼンス アイコンは青で表示されます。一定時間 (既定では 5 分) PC の操作を中断するとプレゼンス アイコンは黄色に変わり退席中となります。また Outlook の予定表とも連動しており会議などの予定が設定されていればプレゼンス アイコンは赤くなります。これらのアイコンは手動で変更することも可能です。またアイコンだけでなく、Active Directory や SharePoint から取得した顔写真を表示させることができるため、同姓同名の人や顔と名前が一致しない人の判別も簡単です。デバイスが接続に使用している IP アドレスを判断して居場所を表示したり、チームや特定のワーク グループのメンバーに Outlook 予定表のタイトルもプレゼンス情報に含めて表示したりするようなこともできます。さらに、連絡先の情報は Outlook と連携した統合連絡先ストアに格納し利用することができますが、SharePoint が利用できる環境では SharePoint の人の検索機能を利用したスキル検索もできるため、相手の名前がわからなくても、キーワードだけで新しいコンタクトを見つけることもできます。これらの機能により、目の前にいない相手と、お互いに無駄のない、非常にスムーズなコミュニケーションを開始することができます。   たとえば、Lync という製品に関して知りたいことがある場合、まず Lync…

0

人と人がリアルタイムにつながる俊敏な組織作り

標準化されていないビジネスのスピードが勝敗を決する 現代ビジネスにはスピードが求められます。前回までにご紹介の通り、急激に変化する市場環境の中で、個人と組織の競争力を保っていくためには、変化への適応力、とりわけ適応のスピードが重要です。前回までに、意思決定力を向上させる仕組みとしてのビジネス インテリジェンス (BI) や、組織全体でもれなく知識を引き出すナレッジ マネジメント (KM) も、それらが管理対象とする情報の品質や正規化された矛盾のない管理構造に腐心するよりも、いかにスピーディにそれらを使って行動に移ることができるかに焦点を当てるべき、とご説明させていただきました。これらは、個人と組織が変化へ対応するために、最適な「情報」という武器を効率的に入手するための仕組みです。 もう 1 つ、適応スピードを左右する重要な要素として、「コミュニケーション」のスピードがあります。この要素は、前述のような、どこかに格納された情報の発掘と利用という観点だけでなく、ビジネス プロセス全体の効率性という観点でも大きな影響を与えます。今回は後者の観点を中心にご説明します。 コミュニケーションとは情報伝達です。情報システムにおいては、システムと人、システムとシステム、システムを介して人と人がコミュニケーションを行います。これらはすべて、ビジネス価値を生み出すための中間的、または最終的な情報の伝達手段であることに変わりはないのですが、しかしそれぞれに流れる情報の種類が異なり、したがってスピード アップをするためのポイントもまた異なります。それらの違いを明らかにするために、典型的な「商談」ビジネス プロセスを、以下のように、標準化された基幹業務 (LOB) プロセス、非定型ではあるが手続き的なワークフロー、および完全にスポットなコミュニケーションの 3 種類に分けてみました。   最下層に位置する標準化された LOB プロセスは、いわゆる ERP や CRM などの基幹業務アプリケーションがその内部に実装、あるいは相互接続により実現されます。もちろん拡張や変更はあるものの、業務効率化のベストプラクティスを軸としており、その企業のビジネス モデルそのもの、すなわち骨格をなすシステムです。よってここでは、人手による非効率と不安定をシステムにより代替し、安定的なプロセスをできるだけ短いサイクルで運営することが求められます。人とシステムの接点を少なくするほど安定し、システム間のコミュニケーションはデータ (定義は前回を参照してください) によってなされます。したがって、できるだけシステムによる自動化の範囲を広げ、データを統合することで品質と再利用性を高めるのがこのシステムの効率を上げるための基本戦略となります。 ですが、標準化 LOB プロセスだけではビジネスはまわらないことがあります。その場合、市場の変化に対応するために、柔軟性の高い「人」がショック アブソーバーになる必要があります。ここでは手続き的なワークフローの部品を使って、人の判断で、LOB システムと人の集合体である市場のギャップを埋めることになります。ここではいかにスピーディかつ柔軟に部品を組み替えられるか、そしてその伝達経路にいかにスピーディかつ簡単に情報を乗せられるかがカギとなります。システムと人のコミュニケーションとなるため、データまたは文書がやり取りされます。ビジネスによっては、この部分をもテクノロジーとある一定の割り切りをもって自動化し、コスト削減しているケースもあります。 ここまでの 2 つは、システム化において、従来から志向されてきたアプローチであり、いずれも手続きの自動化 (もはやオフィス オートメーションなどの言葉は死語と化していますが) によりプロセスの精度とスピードを向上させようとする試みであることに変わりはありません。しかし、ビジネス プロセスはすべてが手続き的なわけではありません。 人と人との接点においては、非定型かつスポットでのコミュニケーションが頻繁に発生します。また前回ご説明の通り、人との会話による直接的なコミュニケーションを通じて真のナレッジ共有が可能となります。さらにここでは、ビジネスを円滑に進めるために、人をモチベートしながら共同作業を進めるための「ハイタッチ」なコミュニケーションも必要です。しかし同時に、多くのエラーやロスが発生しやすい場所でもあります。   Microsoft Lync 2010 – 先進のリアルタイム コラボレーション プラットフォーム この人と人のハイタッチなコミュニケーションの効率を向上するのが、ユニファイド コミュニケーションと呼ばれる技術です。マイクロソフトでは、電子メールをはじめとする非同期のメッセージング インフラを支える Exchange…

0

埋もれた知識を掘り起こす仕組み作り

破壊的変化に勝ち残るための組織力 前回ご紹介の通り、情報流通量の増大とともに情報の「選別」が大きな課題になりました。ここ数年にわたる BI や企業内検索へのニーズの高まりはそのことを裏付けています。しかし、これらの技術はあくまで「適切に管理された情報」を活用するものであり、そうではない情報は見つけることすら困難です。たとえば、インターネット上のコンテンツとは異なり、企業内情報の多くは、検索されることを前提に作られていません。それでも全社通達資料など、正式な担当者が公式に作成した情報は、企業ポータルのトップ ページや決められた場所に置かれるため、それら付随する情報によりヒット率は高まります。しかし、どんなに有益なものであっても、営業マンが担当顧客向けに提案書をカスタマイズする過程で作成した分析資料といった中間的な情報が日の目を見ることはありません。しかし、そのような情報にこそ事態を打開する重要なヒントが隠されています。 一口に情報といっても、さまざまな種類があります。ここでは以下の 4 つに分類してみました。     詳細は省きますが、「データ」は数値や文字などの符号でだれが見ても同じ、つまり客観的な「事実」です。「文書」は人から人に伝達するための言葉、つまり伝達者の「意思」を運ぶメディアです。「知識」は単なる記憶ではなく、その人の経験を元に、情報にストーリーを持たせたもの、つまり情報の「解釈」です。「知恵」は情報や知識を脳の回路に通して生み出される新しい「アイデア」です。データと文書は共有可能ですが、知識と知恵は共有できず、この 2 者間には非常に高い壁があります。また後者になるほどそれを使う「文脈」次第でその価値が変わります。よって、情報プラットフォームの設計においては、データや文書が、どのように知識や知恵に変わり、価値を生み出していくのかを理解する必要があります。   ナレッジ マネジメントの失敗事例からの教訓 国内でも何年か前にナレッジ マネジメント (KM) がブームになりました。ご存知のとおり、KM は人の頭の中の「暗黙知」を共有可能な「形式知」に変化させ、それを「場」に持ち寄って各個人の暗黙知へと再び「内面化」させることで知識を高めるプロセスです。前述の 4 分類で言い直せば、知識を文書に変換、対面で共有することで文脈も含めて理解し、正しい知識から適切な知恵を生み出すことを狙っています。この頃、KM の名の元に多くの文書管理システムやグループウェアなどが導入され、多くの失敗事例を生み出しました。 多くの日本企業では、営業や開発といった縦割りの「機能別組織」による統制が強い傾向にあります。これと対極にあるのは米国企業などで多く見られる「プロジェクト型組織」で、活動単位、つまり横方向の連携が強調されます。機能別組織の場合、同じ組織内の従業員はたいてい似たような経験を積み、そこで得た知識は、組織文化や習慣という形で、暗黙のまま組織に蓄積、受け継がれます。したがって、ここでは知識の形式化は必要とされません。他部門との協業はいったん組織の上層部を通過して合意されるため、情報伝達にロスが発生するものの、近しい立場の人の間での対話という基本モデルは崩れません。一方プロジェクト型組織の場合、活動単位で各部門から代表者が集まるため、各々は特定分野のエキスパートとして、異なるバックグラウンドを持つ他のメンバーにも理解できるよう、その知識を形式化して伝達する必要があります。プロジェクトがまさに「場」となり、メンバーそれぞれがプロジェクトの文脈に従って形式化した情報を必然的に持ち寄り、共有するのです。どちらがいい、とは一概には言えません。機能別組織はスピードと多様性に欠けますが、プロジェクト型組織はプロジェクトの終了と共に知識が散逸します。どちらの組織形態をとるにせよ、欠けている部分を IT システムで補わなければなりません。 機能別組織がベースとなる日本企業がスピードと多様性を高めるために必要なのは、形式化情報を共有する場所としての文書管理システムやグループウェアではありません。前回ご紹介した、機能部門間での共通文脈となる戦略の共有、そしてその他に、組織外に散らばるエキスパートにすばやくダイレクトにつながるためのパスと、その知識をお互いの負担なく引き出すための手段こそが必要なのです。   SharePoint の「ソーシャル ネットワーク」がもたらす情報管理手法の革新 インターネットの世界では既に一般化した SNS ですが、この仕組みを企業内に展開することで、情報過多の時代にマッチした、まったく新しい情報管理が実現できます。そのカギとなるのが「タグ」と呼ばれる技術です。 タグはブログなどでよく使われていますが、そのコンテンツがどんなものなのかを示すキーワードです。1 つのコンテンツに複数のタグを付けることができ、ブログの閲覧者は日付の新しい順に並んだ膨大なエントリーから、関心のあるコンテンツをすばやく絞り込んで表示することができます。また近年増えてきた「ソーシャル ブックマーク」もタグの一種と考えていいでしょう。多くの方はブラウザーの「お気に入り」によく訪れる Web ページのリンクを登録されているかと思いますが、ソーシャル ブックマークは、このリンクをブラウザーではなく Web 上のサービスに登録することで、別のマシンや、他のユーザーからもリンクが参照できるようになる、という仕掛けです。タグはその名の通り、コンテンツに対する「目印」となります。   SharePoint 2010 では、ドキュメントやページなどのコンテンツに対して、自由にタグを付けることができます。SharePoint のタグには、一般には「タクソノミー」と称される組織共通の用語辞書と、「フォークソノミー」と称されるユーザーが自由に作成できるキーワードの 2 種類があります。前者はドキュメントを系統だてて管理するために使い、後者は各人が自分の尺度で情報を分類するために使います。ここでは後者の説明をします。 SharePoint 2010 のフォークソノミーには、「お気に入り」と「タグ」の 2 種類があります。SharePoint  のページやドキュメントを閲覧する際、画面右上などにこれら…

0

組織の行動力を高めるための仕組み作り

破壊的変化に勝ち残るための組織力 ご承知の通り近年、市場の勢力図が一夜にして塗り替わる事態が多発していますが、これには情報流通量の増大が関わっていると考えています。ネットを流れる情報はかつてない勢いで増大し続け、様々なレベルの情報をほとんど無償で利用できます。もはや情報を「知っている」ことの価値は薄れ、代わりに雑多な情報から本当に必要なものだけを素早く「選別する」能力が重要となりました。他者に先駆けて情報から価値を生み出すスピードこそが、個人と組織があらゆる競争に打ち勝つための鍵なのです。このことがさらに、消費者優位の市場と環境変化のスピードアップを促進しています。 ビジネス活動ではお金や時間、人材などの制約に縛られるため、いくつかの選択肢から最もよさそうなものを選び、それに賭ける必要があります。これが「意思決定」で、それを支える IT として真っ先に挙げられるのが、「ビジネス インテリジェンス (BI)」ツールです。大量に蓄積されたデータから傾向を見出し将来予測するのが、このツールに求められてきた役割です。しかし、この表面的な機能がユーザーの誤解を生み、多くの失敗をもたらしました。BI ツールを単なる「データ分析ツール」として考えてはいけないのです。 第一に、過去のデータの蓄積を分析しても、破壊的変化の予測にはほとんど役に立ちません。破壊的変化は、真正面から来ないから破壊的なのであって、その測定は大変困難なのです。それに、偶然や入力ミスなどでデータのぶれは常に存在するため、変化の予兆があったとしても、多くのノイズに紛れて見逃されがちです。では、緩やかな変化の場合はいけるのでは? というとその通りなのですが、しかし我々が古くから行ってきた方法、つまり「経験則」で判断するほうが、必要な時間と結果のバランスを考えればリーズナブルな場合も多いでしょう。 第二に、データ分析はあくまで個人の取り組みであり、その成果は個人の能力や経験に大きく依存します。たとえば「ある製品の売り上げに問題がある」と上司から言われ、販売データを分析するとします。どんな関数やグラフを使うべきかは、本に書かれているようなデータ分析ツールのノウハウが物を言います。しかし、どんな軸を使って分析すべきかは、そのビジネスにおける経験がなければ分かりません。去年よりも「売り上げが下がっている」として、しかし競合他社がより下がっていれば、自社は十分頑張っているとも言えます。それよりも、下手なキャンペーンの打ちすぎで販売単価が下がっているほうが問題かもしれません。学術論文を書くのなら長い時間をかけて様々な可能性を検討できますが、ビジネスにおいては行動力、つまりスピードが命です。何と何を比較するのかという分析の視点、つまり「アタリ」を素早くつけられるかが大切であり、ここでは経験に裏付けられた「勘」が必要なのです。 意思決定は個人のものです。組織としては、個々人の能力を向上させるのも大事ですが、それら個々人の能力や知識を共有し組織としての意思決定力を高めることで、個人依存へのリスクを回避する必要があります。しかし BI をデータ分析ツールと見なしている限り、個人の範疇を超えられません。それに BI の本来の目的は、最もよさそうなものの選別であって確率分布計算ではないので、専門家しか使えない時間のかかる高度な分析アルゴリズムなど、大多数の従業員にとっては無駄でしかありません。各選択肢の実現確率を一桁%まで出さなくても、上下さえ分かれば十分です。そんなことよりも、新入社員でもベテランに近い勘所で物事をとらえられるように、組織全体で知識や経験を共有するほうがよほど重要であり、これが組織全体の意思決定力向上につながります。   まず何から始めるべきか 知識や経験を他人と共有するのは容易ではありません。過去には、個人の知識を明文化 (形式化) して共有するナレッジ マネジメントの試みなどもなされてきましたが、多くの失敗も生み出しました。詳細は別の機会に触れますが、最大の問題は、経験の共有の難しさにあります。どんなに知識を形式化しても、その知識が生まれた背景や文脈への理解がなければ応用は難しいのです。たとえば、ある顧客が自社にとっての高価値顧客かどうかについて、営業部門と経理部門で意見が分かれる場合があります。営業は、その顧客が古いお得意様で、業界の購買動向に影響を与えていると主張します。経理は、頻繁な特別対応のため間接コストがかかりすぎ、優良顧客ではないと主張します。どちらも正しい主張ですが、お互いの理屈を理解はできても心から納得ができないのは、顧客価値のとらえ方が違うために、相手の理屈を自分の文脈に当てはめられないためです。もしこの2者が事前にお互いの文脈を理解していれば、話がこじれる前に自然と打ち手が出ることでしょう。 「戦略」は企業や組織の共通言語となります。営利企業の全社員の共通目標が「収益の拡大」であることを疑う人は少ないでしょうが、どのように収益を拡大するか、という道筋に対する理解は異なるでしょう。営業は売り上げの拡大を目指すあまり埋没コストを軽視、経理はコストの削減を目指すあまり波及効果を軽視するかもしれません。しかしお互いの道筋、つまり成功の定義、順序、期間、投入資源、ステークホルダーなどを理解していれば、相手がそう考える理由や自分がどう貢献できるかもわかるはずです。たとえば、バランスト スコアカードで用いられる「戦略マップ」のように戦略を図式化することで、経験の浅い従業員でも、組織戦略に対する自分と相手の立ち位置、何が当面の目標で何影響されるのか、を理解することができます。   もちろんこのような特定の手法を使わなくても、日ごろの経営者のメッセージや創業理念、戦略上クリティカルな指標の可視化なども、従業員の相互理解を深める有効な戦略情報となります。戦略の共有によって個々人の戦術間の整合性をとり、結果として組織の戦略実行力を高めることができます。   戦略を中心としたコラボレーションを促進するマイクロソフトの BI SharePoint 2010 を中心としたコラボレーション基盤が、企業や組織の戦略を素早く共有し、戦略実行力を強化します。SharePoint 2010 では、ビジネス管理のためのダッシュボードを作成できますが、この仕掛けが戦略共有の軸となります。 SharePointは、バランスト スコアカードをはじめとする様々な業績管理手法に対応し、柔軟な構造のスコアカード (KPI の一覧) や戦略マップ、対話型分析グラフなどを作成できます。この KPI が表す優先目標あるいは戦略マップが表す戦略構造そのものが、その企業や組織での共通言語となります。そして戦略上の問題点を見つけたら、いちいちツールを切り替えることなく、その問題のみに着目して、素早く根本原因にたどり着くことができます。戦略に沿って分析の着眼点が提示されているわけですので、分析に不慣れなユーザーでも目的の情報に素早くたどりつき、また同じダッシュボードを参照する他のユーザーとスムーズに対話することができます。 また SharePoint には、こうした伝統的な BI 機能以外にも、文書管理機能や検索機能、人の検索や企業内ソーシャル ネットワークを利用する機能など、スピーディなコラボレーションのために必要なあらゆる機能が搭載されています。さらに Excel など Office アプリケーションとの連携性も高く、これら日ごろ使い慣れた柔軟なツールで、入手した情報をもとに新しいアイデアの作成やスムーズなコミュニケーションが行えます。これらにより、企業や組織内のあらゆる情報やユーザーとのつながりが強化されます。 たとえば、販売実績データを紐解く必要性を感じたとき、よほどの分析になれた人でもない限り、前任者が作成した過去の Excel レポートを参照したり、詳しそうな人に聞いたりしたいと思うのが普通でしょう。SharePoint では情報の所在や形式を意識する必要なく、キーワード検索するだけで、業務データや…

0

「破壊的変化」の時代のプロダクティビティとワークスタイル

今回から数回に分けて (回数は未定です)、私どもが日ごろご提案する「ビジネス プロダクティビティ」の意義や実例、そしてその未来についてご紹介していきます。「ビジネス プロダクティビティ」をもっとも身近な日本語に訳すると、「事業の生産性」が適切でしょうか。米国本社でこの単語を使い始めた時、どう表現したものかと悩みましたが、結局はそのままカタカナでいくことにしました。「生産性」が強く持つ “効率” のニュアンスを避けたかったのです。「プロダクティビティ」は、単に業務スピードの向上を目指すものではなく、新しい知識やアイデアを生み出す土台をも含んだものです。私どもがお手伝いしたいビジネス プロダクティビティとは、企業の収益向上に直結するものなのです。   組織と個人が生き残るために必要な進化 日本企業におけるホワイトカラーの生産性の低さについては、皆様一度ならず耳にされていることでしょう。どのような生産性がどの程度低いのか、その視点やデータには様々なものがあるため、一口で結論付けることはできません。しかし、米国企業に身を置くものの実感としては、主に「時間」や「共同作業」に対する考え方の違いがデータに表れてきているように思われます。 1 つ目の「時間」についてですが、より具体的には、インプットとしての時間とアウトプットとしての品質のバランスに対する考え方の違いです。弊社をはじめ多くの米国企業では、1 人の従業員は同時に複数の部門横断的プロジェクトに参画し、スペシャリストとして貢献します。各人の責任範疇は明確で細分化されているため、まずは自分に課せられた最低限の役割を最小限の時間で果たしたうえで +α を考える傾向が強くなります。一方で伝統的日本企業では、1 人の従業員は 1 つの部門に縛られるものの、特定の業務フローに対して比較的幅広い役割を担います。やや不明瞭ながらも幅広いタスクを持つため、業務全体としての最終的な品質を上げるインセンティブが強くなります。もちろん双方に良し悪しがあるのですが、市場や顧客マインドが一夜にして変化するように見える「破壊的変化」の時代においては、時間に重きを置いたほうが成功する確率は高そうです。 2 つ目の「共同作業」についてですが、こちらも前述の組織との関わり方に大きく関連した話です。先の例と同様に訳語に悩まされる単語に「コラボレーション」があります。一番ニュアンスが近いのは「協業」かもしれませんが、通常はもうすこし大きな意味で使われる単語ですし、かといって「共同作業」では単に一緒に仕事をする “Co-Work” の意味が強すぎます。結局はこれもカタカナでいくことになるわけですが、本来の「コラボレーション」は、シナジーにより付加価値を生み出すような働き方です。各人がプロフェッショナリズムを持ち寄り、新しい知識や知恵を生み出していく「場」であり、いわゆるナレッジ マネジメントが目指した姿です。 このような仕事のスタイルは、欧米系企業に多く見られる特徴です。一歩責任範疇を外れると何もしないのが難点ですが、自分の責任範疇においては常に明確に意見を持ち、それを表明し、ぶつけ合おうとします。ある教育者の方の論ですが、これは学童教育の違いに大きな原因があるそうです。紙面の都合で詳細には触れませんが、正解を求めようとする日本型教育に対し、アイデアを求めようとする欧米型の教育では、意見を述べることこそ重要でありその質は問われません。欧米人とのディスカッションに参加された経験のある方ならお分かりでしょうが、彼らは非常にたくさん質問や発言をします。しかしよく聞いてみると、日本人ならまずしないような、稚拙でつまらない質問や発言が実に多いのです。これは、最終的により優れたアイデアが生み出すことを目的とする教育と文化が背景にあり、満を持して正解らしきものを答える人より、たたき台となる独自のアイデアをどんどん出す人が評価されるためでしょう。 話が横道にそれましたが、組織構造上、教育および文化的背景の両面において日本企業には、総和として正解と思われる答え、あるいは特定の有力者が望む答えに到達すべく責任とタスクを共有する「共同作業」を行う動機があるのです。答えが明らかな場合には大変に強力な推進力となりますが、答えが見えない破壊的変化の時代においては、その変化への対応が難しく、また多様な意見が封印されやすいため、適切なワークスタイルとは言えないかもしれません。 国内市場が飽和し海外市場に活路を求めていけば、また、技術が進歩し様々な制約条件が緩和することで海外企業の日本市場参入が進めば、さらに変化のスピードは速くなり、競争は確実に激化します。この点においてもはや選択肢はありません。国内市場で戦うにしても海外市場に打って出るにしても、はたまた国籍を捨ててグローバル化するにしても、企業は生き残りをかけたプロダクティビティ競争に巻き込まれます。そしてもちろん個人においても同じことが言えます。すでに地理的な壁はかなり取り除かれており、やがては言語の壁にもポジティブな要素はなくなるでしょう。全世界から集まる優秀な人材に対抗するためには、個々人のプロフェッショナリズムを磨き上げ、組織としてのプロダクティビティ向上に貢献できる人材になる必要があります。私どもマイクロソフトは、そのような組織と個人のワークスタイルを支える製品とその使い方をご提案しています。   マイクロソフト「Wave “14”」が目指す次世代のプロダクティビティ この2010年5月に、Office 2010、SharePoint 2010、Visio 2010、Project 2010 という4つの新製品をリリースしました。特に Office 2010 と SharePoint 2010 は、非常に多くの企業および組織で、すでに活用いただいているプロダクティビティ ソフトウェアで、その最新バージョンである 2010 には、日本企業の組織や個人のワークスタイルを革新する、様々な先進機能を盛り込みました。 Office 2010 は、マイクロソフトの DNA といっても過言ではない、PC の世界で個人のプロダクティビティに貢献する製品です。データや文章などの情報を生成し文書化、人の意思決定や情報伝達に役立てるソフトウェアであり、つまりその文書がアウトプットの最終目的になります。代々のバージョンアップで、文書の内容のクオリティを上げるための様々な機能拡張を行ってきましたが、近年はコラボレーションの向上に重点を置いた機能拡張と製品間連携を強化しています。さらに、スマートフォン用の Office Mobile 2010、ブラウザー版の Office Web…

0