OneNote と Windows タブレットを自閉症学級で活用


(この記事は 2015 年 7 月 28 日に Office Blogs に投稿された記事 Using OneNote and Windows tablets in a classroom for students with autism の翻訳です。最新情報については、翻訳元の記事をご参照ください。)

 

今回はフロリダ州の小学校で特別支援学級の教師を務める Alexis Parker 氏の記事を紹介します。

私は特別支援学級の教師として、幼稚園から第 5 学年までの自閉症の生徒を担当しています。自閉症の生徒たちの得意・不得意はさまざまですが、私の生徒の多くには行動、コミュニケーション、運動スキルの 面で似た特徴があります。クラスのうち 6 人はやりたくないタスクに対する行動障害があり、7 人は言葉を話さないか話す言葉が限られています。何人かの児童は言葉を発する代わりに別のコミュニケーション手段を使うようになりました。そのうち 2 人がアルファベットで文字を書くことができ、2 人がお手本を見ながら文字を書き写すことができ、3 人は文字をなぞることができます。

行動、コミュニケーション、細かい運動スキルに支障がある場合、生徒の習得度を評価するのはきわめて困難です。普通学級 では、教師が質問した内容に対して生徒が口頭で答えることで、授業の理解度を評価できます。細かい運動スキルが発達していれば、ワークシートと鉛筆を用い て回答を記入することも可能です。しかし、このような方法は私の生徒たちには向いていません。彼らの習得度を知るには受容的コミュニケーションが最も適し ています。たとえば、異なる食べ物の写真を 3 枚並べてリンゴを指差すように指示する、という手法です。私の授業ではラミネート フォルダー アクティビティという方法を行っています。生徒にマジック テープのついたカードをフォルダー ボードに貼りつけてもらうことで、生徒の理解度や運動スキルを見ます。しかしこの方法には、ラミネート加工やマジック テープの費用に加え、アクティビティ制作に時間がかかるなど多くの難点があります。また、さまざまなスキルに対応したアクティビティをいくつも用意しなく てはなりません。何度か行うと生徒は正解を覚えてしまい、確実な判定ができないといった事態も起こります。他には、文字と数字のスタンプでワークシートの 問題に答えるという方法があります。たとえば、足し算の問題で数字を書く代わりに数字のスタンプを使って回答を記入します。しかし、生徒がワークシートを 終わらせるよりもスタンプに夢中になってしまい、そこら中インクだらけにしてしまうのが難点です。しかし、こうした方法は多くの教室で一般的に用いられて います。

2014 年 10 月に、オンラインかつインタラクティブな Unique Learning System という新カリキュラムを採用することになりました。これまでに採用したインタラクティブな機能は、どれもワークシートを印刷する必要がありました。さら に、生徒たちの運動スキルでは、最後まで 1 人でワークシートを完成させることができませんでした。助手や私のサポートが必要な場合があり、自分の力だけで答えられるまでに状況が整っていなかったの です。

10 月末に私は OneNote の講習を受講し、このツールなら私のクラスで役に立つのではないかと思いました。講習後、授業計画用に最初の OneNote ノートブックを作成しました。それまでの授業計画にはさまざまなコードがついており、授業内容を見るには、各コードに対応したインタラクティブ ホワイトボード ノートブックを開かなければならず、わかりにくく、助手も困惑していました。

過去の授業計画: インタラクティブ ホワイトボードと授業内容

OneNote なら直接ページにリンクを張ったり、インタラクティブ ホワイトボード ファイル、PDF、PowerPoint スライド、ビデオなどをそのまま追加したりできます。授業計画がずっと見やすくなり、助手の作業もはかどるようになりました。生徒たちもインタラクティブ ホワイトボードで作業することで、教材について理解した内容を明確に示せるようになりました。

OneNote で作成した授業計画

12 月に OneNote で生徒のポートフォリオを作ることにしました。インタラクティブ ホワイトボードでの作業成果はすべてこのポートフォリオに保存されます。その結果、私は印刷物の数を減らすことができ、生徒は課題を最後まで 1 人でこなせるようになりました。生徒が課題を終えると、インターネット ブラウザーに書き込めるインタラクティブ ホワイトボードのインク機能を使用して、その評価を記入します。次にその画面を保存して、課題と同じ名前を付けた OneNote ページに送信します。週末には、学期や科目ごとに分類した OneNote フォルダー セクションに課題を移動させます。生徒の OneNote ノートブックは生徒自身に共有されており、保護者にもノートブックへのアクセス方法を伝えます。このようにして、保護者は子供たちの授業内容を知ることが できます。

OneNote の生徒ポートフォリオから算数の課題の例

課題だけでなく、教室での生徒のようすを収めた短いビデオも「Videos」というセクションに保存しています。また、 「Homework activities」というセクションには、生徒全員の Individualized Education Program (IEP) 目標用のインタラクティブ ホワイトボード ノートブックを保存しています。インタラクティブ ホワイトボード ソフトウェアは iPad アプリ版やオンライン版も提供されており、どれも無料で使用できます。

1 月から生徒用に 3 台の Microsoft Windows タブレットを導入し、さらに 2 つのことが可能になりました。私はインタラクティブなカリキュラムを実施できるようになり、生徒たちは IEP 目標に向けた作業を Windows タブレット上でインタラクティブ ホワイトボード ソフトウェアを使って行えるようになったのです。生徒全員のノートブックに「IEP 目標」というセクション グループを作成し、各自の目標を設定します。そして 1 週間に 2 回、IEP 目標の進捗具合を評価し、その結果を生徒の OneNote ノートブックに送信します。これはとても便利な機能です。保護者は子供の IEP 目標の進捗具合や、苦手な項目を把握することができます。目標到達までの道のりがわかるように、進捗度を追跡するデータシートも作成しました。今では、生 徒が作業に集中するようになり、各自 IEP 目標に向けて取り組んでいます。

タブレットと Bluetooth キーボードの導入により、生徒たちはキーボードの入力方法を学べるようになりました。ほとんどの生徒は言葉を話さないので、キーボード入力が一番のコミュ ニケーション手段なのです。新たな年間 IEP 目標には、キーボード入力のスキルも盛り込むことにしました。たとえば、Mike も他の生徒と同じく言葉を話しません。私は彼に、絵の付いたインタラクティブな単語タイルを並べて文を作り、その文を正しい大文字・小文字の区別、句読 点、スペースの入れ方でキーボード入力するという目標を設定しました。なんと Mike はこれをたった 1 か月でマスターしたのです。

Mike のキーボードによる文章入力の IEP 目標

Windows タブレットを使い始めてから、生徒の知識基盤の理解が深まりました。最近では、穴埋め問題や並べ替えなど、生徒の理解度を測るさまざまなアクティビティを インタラクティブ ホワイトボード ソフトウェアで作成しています。生徒たちは 1 人で課題に取り組み、自分の理解度を示すことができます。タブレットがあればワークシートの印刷や、フォルダー アクティビティの製作も必要ありません。

課題の開始前と終了後

Microsoft OneNote と Windows タブレットによって、学習と指導の方法が大きく変わりました。生徒は自分の知識を表現する手段を手に入れ、私は効果的かつ効率的に指導方法を計画できるよ うになりました。また、保存した生徒の成果を共有できるので、保護者は子供の学校での日々のようすや、IEP 目標の達成度を見ることができます。

生徒が Windows タブレットでアクティビティに取り組んでいるようす

Comments (0)

Skip to main content