組織を改革するのに重要な 2 つの要素


 かつての高度成長期/バブルのころの日本は世界中を圧倒する経済力を誇っていました。1989 年には世界の企業時価総額ランキング Top 30 社のうち 21 社が日本企業を占めていたり、世界各地で日本企業が著名な企業を買収し「ジャパンマネー」が恐れられていたりした時代がありました。特に工業製品についても世界中に日本の製品が流通し「世界の工場」の一翼を担っていました。しかし、いまはその座を新興国に明け渡し、東アジアだと中国やそれに続く国々の勢いに押されつつあるように見えます。2014 年には世界の企業時価総額ランキング Top 30 社には日本企業からはトヨタ自動車 1 社のみが入っているにすぎません。また、日本は 2010 年より人口減少社会に突入し、世界でも最も高齢化が進んでいる国の 1 つとされています。

もちろん、経済成長のモデルからすると日本は大量生産で急成長する「新参者」としての時代は終わり、この地位は新興国に譲って、日本はより高付加価値な製品を少量作っていくモデル、もしくはサービスで稼いでいくモデルに移行していく必要があるという大きな流れがありますので、今までと同じように経済成長をし続けていくことは難しくなっています。その代わり、これからの世界の中での「成熟社会」としての今日の日本のポジショニングを踏まえたビジネスモデル、成長モデルが求められています。

                                                                                                              

成熟社会に求められる成長モデルとは

「成熟社会」では、どういった成長モデルが求められるでしょうか。労働人口が今後減少していく、ということは、「物量」で勝負することはできなくなるため、必然的に「質」を高めていく必要があります。つまり、日本が国際社会の中で競争力を維持していくには、まず、主要先進 7 国中 19 年連続最下位である労働生産性を向上する必要があります。また、「数」を補うために、子育て中や介護をかかえる人を労働力として取り込みつつ、地方でも東京と同様に仕事に就ける環境づくりを行っていくなど、いままで働けなかった人々を労働力として取り込んでいく必要があります。

これらに代表されるように、今後、日本及び世界で発生すると思われる環境の変化を経営者はうまく先回りして取り組んでいく必要がでてきます。いままでは企業のほうが従業員よりも立場が強く、従業員は企業が決めたとおりの制度の中で働かされる、といったモデルでしたが、労働人口が減ってくると、市場は買い手市場から売り手市場になっていくことが予想されます。従業員のニーズをうまく取り込んでいける企業のみが労働力を確保することができ、そうでない企業は人手不足になっていくといった二極化が進んでいきます。加えて、市場も今までの経験則が成り立たない変貌を遂げる可能性があり、その時に市場や環境の変化を客観的事実やデータに基づいて早期に適切に把握し、経営判断ができる環境を整えておくことが重要となってきます。

 

改革のポイントとなる 2 つの要素「経営の近代化」と「ワークスタイル変革」

以上のことをまとめると、個人の生産性を高めつつ魅力的な職場を作っていままで働けなかった人々も含め強力な人材を集める施策「ワークスタイル変革」と、事象の見える化を行い客観的事実やデータに基づいて、素早い経営判断を行えるようにする「経営の近代化」の 2 点について、経営者は重点的に取り組んでいく必要があります。「ワークスタイル変革」と「経営の近代化」はそれぞれ従業員と経営者の「習慣」を科学的な観点で変革し、最新の環境に対応できるようにすることです。両者は密接に関係しており、両方とも同時に実現していくことで、はじめてよい効果を出すことが可能になります。

                           

テクノロジーの力を利用しよう - 日本マイクロソフトの場合

日本マイクロソフトの場合はこれらの課題についてどのように取り組んでいるかについて少しご紹介します。日本マイクロソフトもかつては海外支社と比べた時の労働生産性の低さ、オフィスの分散による長い移動時間、月に 75 万枚という大量の紙の印刷などに代表される無駄なコスト、社員間の意識・文化の違いやビジネスパフォーマンスなどの点で多くの課題に直面しており、米国本社からは「Sick Sub (病める支社)」と呼ばれていました。これらの課題を解決するのに「企業文化」「経営ビジョン」「制度・ポリシー」「ICT 活用」「オフィス環境」といった 5 つのテーマに取り組み、改善をしてきました。具体的にはたとえば以下のような施策を行いフレキシブルワークの導入を行いました。

  • 2011 年に品川にオフィスを移転、東京のオフィスをすべて統合、フリーアドレスを導入。(オフィス環境)
  • テレワークと在宅勤務を段階導入、2011 年に全社員に展開。 (制度・ポリシー)
  • Lync を利用してオンライン会議や IP 電話が利用できる環境を実現。
  • 最新の BI ツールと CRM ツール導入によるパフォーマンスの見える化。(ICT 活用)

これらの総合的な取り組みにより、紙の消費量 28.1% 削減、電力消費 40.1% 削減を達成、従業員の評判もよく、9 割の社員がフレキシブルワークは必要とアンケートで回答しており、ワークライフバランスのスコアが 17% 改善、女性の退社率の低下、売上 27% 増、商談数 47% 増 (営業社員数は微減)、直近で先進 6 か国中トップの業績を 3 回取得、といったパフォーマンスの改善を実現しています。 

そして、これらのパフォーマンスの改善に大きく効いたのが Lync や BI ツールなどの最新の ICT ツールの導入でした。オフィス環境や制度・ポリシーの改善はこの ICT ツールの導入と活用があって初めて成り立つものでした。これらのツールは Office 365 というクラウドサービスの中にすべて含まれており、自社でコストをかけて構築しなくても、すぐに最新のツールを利用料のお支払いのみで使い始めることが可能になります。

Office 365 を適切に導入しながらオフィスや制度・ポリシーの改革、社員の意識や企業文化の改革を同時に行うことで、少ない人数で高付加価値、高品質の結果を出す組織を構築していく、というのが今後の日本企業の在り方を考える上でひとつのベストプラクティスとしてご紹介できるのではないか、と日本マイクロソフトの社員は考えています。どのようにして変わることができたか、その詳細を知りたい方は以下のページをご覧いただくか、弊社の営業担当者までお問い合わせください。

 

参考記事

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