「クラウドファースト」、「モバイルファースト」のコミュニケーションの導入

(この記事は 2014 年 3 月 31 日に Office Blogs に投稿された記事 Embracing cloud-first, mobile-first communications の翻訳です。最新情報については、翻訳元の記事をご参照ください。)

今回は、Office サービスおよびサーバー グループ担当バイス プレジデントを務める Jeff Teper の記事をご紹介します。

先週、新しく CEO に就任した Satya Nadella の基調講演において、「クラウドファースト」と「モバイルファースト」へのマイクロソフトの取り組み (英語) に関する発表がありました。この基調講演の中で、彼は、人々の好奇心と意欲が新しいものを生み出したり、流行をとらえたり、共同作業を促進することへの原動力となっている限り、マイクロソフトは世界中に存在するデバイスをこれに倣うようにすべきであると考えており、それを実現する方法がクラウドの活用であると述べました。

マイクロソフトは、3 月初旬に開催された SharePoint Conference において、新しいアイデアや新しいクラウドの活用方法を発表しました。その中で、Oslo というコード ネームの新しいエクスペリエンスと、グループやインラインなどのソーシャル エクスペリエンスのコンセプトを取り入れた Office Graph の導入を発表しました。これらはすべて、「Work like a network (ネットワークのようにつながり働く)」というマイクロソフトの中核的な理念に沿った機能であり、クラウドにおいてより共同作業がしやすく、個人利用や関連性を重視したエクスペリエンスを必要としているお客様の声に応えるものです。

テキサス州オースティンで今週開催されていた Microsoft Exchange Conference (MEC、英語) では、コミュニケーションと共同作業の中心となる電子メール アプリケーションに注目しつつも、新しい働き方を実現するこれらの機能に関して語られました。また、マイクロソフトが Yammer やソーシャル機能を取り入れてどのように電子メールを進化させているかについてや、オープンな会話やよりスマートな共同作業を行うためにどのようにグループを活用しているかを議論したり、Office Graph を活用してインテリジェントに電子メールの優先度を決めたり検索を実行するにはどうすればよいかといった説明がされました。また、電子メールの添付ファイルや共有ドキュメントに関する共同作業機能のサポートについても発表されました。これらの機能はすべて、お客様にあらゆるデバイスで最適なモバイル エクスペリエンスをご提供することを重視したものです。昨年は、iPhone、iPad 用の OWA アプリをリリースしました。そして今回、この取り組みの次のステップとして、Android スマートフォン用の OWA アプリを新たにリリースします。これによりスマートフォン ユーザーは、すべての機種で既定の電子メール アプリから優れた組み込み型の Exchange 機能を使用できるようになるだけでなく、iPhone や iPad、さらに今回のリリース以降は Android でも OWA アプリの最新の機能を使用することが可能です。

こちらのブログ記事には、MEC の基調講演でプレビューを行った機能の詳しい説明が載っています。これらの機能は、今年中に Office 365 の Outlook Web App に実装される予定です。これらの新機能は、電子メール エクスペリエンスをよりソーシャルに、より関連性があり、より共同作業しやすく、より管理が容易な最新の形に再定義するために重要な役割を果たします。

しかし、こうしたクラウドファースト、モバイルファーストのシナリオは、一般の IT 管理者にとってどのような意味があるのでしょうか。これを突き止めるために、マイクロソフトは数か月前に、企業が Office 365 に移行したときに Exchange 管理者には何が起こるのかを調査しました。Exchange Online を 2 年以上使用している 30 社以上企業を調査した結果、Exchange 管理者はこれまでと変わらず存在し、その重要性にも変化がないことがわかりました。クラウド化が進んでも管理者の仕事がなくなることはなく、むしろその逆だという声が聞かれました。この調査では、クラウド化によって管理者の仕事がよい方向に変化したという感想を何度もいただきました。インフラストラクチャの管理や夜間の緊急電話への対応、バックアップや復元の処理などに費やされる時間が減った代わりに、新しいプロジェクトや企業の業務のニーズにより細かく対応したり、他の製品の領域にまで目を向けられるようになったそうです。

最後になりますが、今週のカンファレンスでは、組み込みのセキュリティ機能やコンプライアンス機能 (アーカイブ、電子情報開示、DLP、暗号化など) に対する今後の取り組みについてもお話させていただきました。マイクロソフトでは、こうした Exchange の機能をさらに堅牢なものにしていくと共に、SharePoint や Lync などの他の製品にも機能を拡張していきます。また、機能を個別に管理していただく必要がなくなるように、Office 全体を通じてこのコンセプトを統合することを目指しています。

繰り返しになりますが、マイクロソフトでは、現在の取り組みについて皆様とお話しする機会が得られることを大変嬉しく思っており、そこでいただいたご意見を、今後予定されている魅力的なあらゆる新技術の改善に役立て、皆様に共有することができるよう今後も取り組みを続けてまいります。イベントにご参加くださる皆様に感謝すると共に、皆様にとって有意義な時間となりますことを心から願っております。

– Jeff Teper