SharePoint 2013 を Windows Azure 上で運用するという新しい選択肢 – トヨタ自動車が Gazoo.com のリニューアルで採用


4/17 のプレス発表「クラウド OS の中核を担う Microsoft Windows Azureの機能拡張とパートナー連携強化を発表」で Windows Azure のインフラストラクチャ サービスの正式運用開始がアナウンスされました。これにより、Windows Azure 上でも IaaS (Infrastructure As a Service) と呼ばれるクラウド コンピューティングの形態を実現することが可能になりました。IaaS は、ITシステムの構築に必要なハードウェアやネットワークなどのインフラを、ユーザー自身が用意することなく、事業者によるインターネット上のサービスとして利用できる仕組みです。

これにより、様々なサーバーソフトウェアを仮想マシンの形で Windows Azure 上で運用する道が開かれました。そして、Windows Azure 仮想マシン上でサポートされるソフトウェアの中に、SharePoint Server 2013 も含まれます。これにより、"SharePoint on Azure" と呼ばれる、SharePoint Online とはまた違った形での SharePoint のクラウドが実現できるようになります。

 

SharePoint on Azure と SharePoint Online の違いとは?

それでは、この 2 つの形態は何が異なるのでしょうか。それには、まず今まであった SharePoint Online の特徴と制限事項について詳しく見ていく必要があります。

SharePoint Online は、マイクロソフトが SharePoint をホスティングするサービスで、ユーザーはライセンスを購入してテナントの有効化を行えば、あとは特に難しい知識を必要とせずに SharePoint を利用できるようになるサービスです。運用をする上でのサイジング、各サーバーに必要なディスク容量などのリソースの調整、などのサービス運用にかかわる詳細なパラメータについて、ユーザーは特に気にする必要はなく、マイクロソフト側がすべて陰で運用します。 このため、SharePoint Online の場合は、ユーザーは SharePoint のインフラ部分を運用するノウハウは全くなくても SharePoint が利用できるというメリットがあります。

一方、SharePoint Online はマイクロソフトがほとんどの運用管理をやってしまうため、構成をカスタマイズしたい場合には不向きです。たとえば、ストレージ容量やサイトコレクション数については、ある程度追加が可能であるものの、パブリッククラウドであることもあり上限値は厳密に決まっていて変更することはできません。サーバー側のオブジェクト モデルを利用してアプリ開発を行おうとする場合も SharePoint Online だとできません。これに対して、SharePoint on Azure では、サーバーマシンを Windows Azure 状の仮想マシンとして利用する以外は、オンプレミスを利用する環境に近い環境で運用管理することができますので、SharePoint インフラの運用管理、開発について知識が豊富なユーザーにとっては、融通が利きやすいというメリットがあります。

文章で説明してきたことを簡単に表にまとめてみました。表で一覧にすると、理解も深まると思いますので、ご活用ください。SharePoint Online は概してインフラ運用の知識がなくても簡単に使い始められることがメリットであることに対して、構成や制限値にあまり柔軟性がありません。SharePoint on Azure を使うと、サーバーソフトウェアの管理運用はユーザー自身で行う必要がある一方、開発やカスタマイズの柔軟性が高く、知識のある人にとっては扱いやすいクラウド コンピューティングの形態となります。

機能 SharePoint Online SharePoint on Azure
 運用管理
 クラウド インフラの管理運用 マイクロソフト マイクロソフト
 SharePoint 構成の管理 マイクロソフト ユーザー
 SQL Server 構成の管理 マイクロソフト ユーザー 
 Active Directory 構成の管理 マイクロソフト ユーザー
SLA の担保 マイクロソフト

インフラ部分はマイクロソフト、
サーバーソフトウェアの運用はユーザー

 必要な知識レベル
 サーバーハードウェアの運用管理 不要 不要
 サーバーソフトウェアの運用管理 不要 必要
 サーバーのサイジング、構成 不要 必要
 SharePoint Server のインストール 不要 必要
 SharePoint サイトの運用管理 必要 必要
 制限事項
 ストレージ容量の制限 最大 25 TB 構成可能
 サイトコレクションあたりのクオータ 100 GB 構成可能
 テナントあたりのサイトコレクション数 3,000 構成可能
 アップロードできる最大ファイルサイズ 250 MB 構成可能
 VPN 接続によるオンプレミス環境との接続 不可 VPN サービスの利用で可能
カスタマイズ
サーバー側のカスタマイズ (サーバー側オブジェクト モデルの利用など) 不可 可能
SharePoint アプリ 利用可能 利用可能
Business Connectivity Services 利用可能 利用可能
タイマージョブ 不可 可能
バージョンアップ
 SharePoint Server のメジャーバージョンアップ 定期的に強制的に実施 ユーザー側で制御可能
 ビジュアルアップグレード 定期的に実施の必要あり ユーザー側で制御可能

以上のことから、SharePoint Online は、あまり複雑なカスタマイズはせずに、標準状態に近い形で利用することがベストプラクティスである、ということに対して、SharePoint on Azure は、オンプレミスと同等のカスタマイズを施すことが可能であるというところに大きな違いがあることがわかります。

 

トヨタ自動車が Gazoo.com の新しいプラットフォームに "SharePoint on Azure" を採用

4/26 には、正式運用開始のニュースが出たばかりの Windows Azure IaaS の環境を採用する「トヨタ、クルマの総合サイトGAZOO.comを一新」という発表がありました。特に大規模企業が社外向けの Web サイトとして SharePoint を採用する際には、大きなカスタマイズを求められる場合が多いと思いますので、その時には SharePoint Online よりも柔軟性が高い SharePoint on Azure を採用することで、クラウド サービスを利用することができるようになるケースが今後も出てくると思われます。

今回の事例記事については、以下でご覧いただけます。

http://www.microsoft.com/ja-jp/casestudies/toyota.aspx

Gazoo.com リニューアル共同記者会見の模様は、以下の記事からご覧いただけます。

http://gazoo.com/NEWS/NewsDetail.aspx?NewsId=ce6df73e-070c-4170-906f-56fe51c3bdcd

 

 

 

 

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