北米トヨタの CIO、自動車大手による Office 365 の展開について語る


(この投稿は、The Official Microsoft Blog に 2013 年 2 月 4 日に投稿された記事の翻訳です)

Jeffrey Meisner

2012 年 6 月、米国トヨタ販売と北米にあるその他の関連会社は、占有型の環境として Microsoft Office 365 Dedicated のクラウド サービスの展開を開始しました。日本のトヨタとその他の海外の関連会社では、Microsoft ExchangeMicrosoft SharePointMicrosoft Lync、および Windows Server の自社運用エディションを使用したハイブリッド モデルを利用する予定です。今回の展開は、マイクロソフト テクノロジによるトヨタの共同作業の拡大を表しています。トヨタとマイクロソフトは 2011 年 4 月に、Windows Azure クラウド プラットフォームを使用した次世代のテレマティクス サービスの提供において提携関係を結びました。

先日、北米トヨタの最高情報責任者である Zack Hicks 氏 (下の写真) に同社の Office 365 の展開についてお話を伺う機会がありました。

 

Q: 現在、どのようなテクノロジの動向に注目していますか? また、それがトヨタにとって重要な理由は何ですか?

A: モビリティとクラウド テクノロジを重視しています。当社では車を独自のモバイル デバイスと見なしており、最近のお客様は、個人用デバイスを接続したり、位置情報サービスを利用したりするなど、車にさまざまな機能を求めています。そのため、当社は自動車会社として視野を広く保っています。

車以外のことに関しては、もっと個人的な楽しい方法でお客様とやりとりするのに適したツールを従業員に提供したいと考えています。共同作業支援ツールをクラウドに導入することによって、設備やデータセンターの管理からサービスの管理へと業務内容を転換することができます。最初に販売およびマーケティング チームが移行を完了しており、年内には製造会社が Office 365 のクラウドに移行する予定です。

当社ではまた、ビジネス インテリジェンスも重視してきました。北米トヨタ、自動車、ソーシャル メディア、およびその他の体系化されたあるいは体系化されていないデータ ソースの情報を統合することによって、データ収集から多大な価値を既に実現しています。

テクノロジの使用におけるこうした変化はすべて、北米トヨタ、トヨタ製品およびお客様について、かつてなかったような洞察をもたらしています。当社は他社に先駆けて、このデータを、必要な人が必要なときに使える実用的な情報へと変えています。

Q: いつ、どのような理由から、北米トヨタの今回の実装について検討を開始したのですか?

A: 数年前に年次業務計画を立てていたときに、来年度にすべきことは何かを考えました。対処が必要なものの 1 つが、古くなった電子メールと共同作業支援のプラットフォームでした。そこで、サーバーの管理やアップグレードを行わなくても済むように、クラウド ソリューションについて検討するようチームに依頼しました。これにより当社は、お客様向けのサービスと、お客様に提供できる新しい技術やアイデアに引き続き重点的に取り組むことができます。実際に移行を開始したのは去年の 3 月ですが、移行は非常にスムーズに進んでいます。新しいツールを非常に気に入っているという大きな感謝と支持の声が、エンド ユーザーであるトヨタの従業員から既に届いています。

Q: このソリューションを導入する前に、コミュニケーションと共同作業に関して従業員が直面していた課題は何でしたか?

A: 北米トヨタでは、北米地域において有機的成長を体言している企業が実際に数社あります。多くの場合、これらの企業はすべて、電子メールや共同作業支援ツールを含め、まったく異なる別々のテクノロジを使用していました。そのため、これらの企業のサイロを壊し、従業員が望む方法で共同作業とコミュニケーションを簡単に行えるようにするために、このソリューションを導入することにしました。多くの従業員は、ビデオ チャットや IM、他の人の空き時間の確認などの機能を既に自宅で使用しています。簡単に言うと、互いに面識のない数千人の従業員を 1 つにまとめるために、これと同じような機能を職場に導入する必要がありました。

新しいツールによって、従業員は、個人的には知らなくても、その道の専門知識を持つ人物を探すことができ、最終的には自身の業務をより的確かつ効率的に行えるようになります。

Q: 北米トヨタのコミュニケーションおよび共同作業支援インフラストラクチャとして Office 365 を展開するという決定に至った経緯を教えてください。

A: サービスを自社で保有して管理するか、あるいは ASP やクラウド ベースのサービスとして提供されるサービスを検討すべきかなど、利用可能なさまざまな選択肢を、私のチームが主導して広範に分析しました。それ以外にハイブリッド ソリューションという方法もあったため、非常に多くの選択肢を検討する必要がありました。

しかし、分析を進めていくと、マイクロソフトのサービスが最も成熟しており、当社に必要な機能を備えていることがわかりました。また、この実装は北米トヨタとして行うものの、グローバル ソリューションが最終的な目標であることはわかっていました。当社は、トヨタの品質を確保するために必要なサービス レベルを保証しながら、グローバル ソリューション化を後から行える規模を備えた企業と提携関係を結びたいと考えていました。

Q: この展開にまつわる逸話はありますか? このテクノロジに関するフィードバックをユーザーから受け取りましたか? 意外なフィードバックはありましたか?

A: どのような企業でも、最も使用されているアプリケーションはおそらく電子メールでしょう。ソリューションからサービスに移行するという決断にはリスクが伴いますが、トヨタには有能なチームとマイクロソフトという素晴らしいパートナーがいました。移行は予想していたよりもはるかにスムーズに進みましたし、この移行については、ビジネス ユーザーだけでなく、当社との提携を希望するユーザーから非常に多くの積極的な関与がありました。

数週間前にタウンホールでレクサス担当の全従業員の前で話す機会がありましたが、彼らは移行のニュースを歓迎していました。この歓迎の最大の理由は、従業員の集中トレーニングを必要とせずに簡単に導入できることにあると確信しています。

Q: 北米トヨタでの展開を開始した時期を教えてください。北米トヨタではこれまでに何人の従業員を配置しましたか?

A: 北米トヨタでの展開は 2012 年 3 月に始まり、現在 14,000 人の従業員が Office 365 を使用しています。春先には製造会社の 17,000 人をさらに移行する予定です。また、世界中の複数のトヨタ関連企業が、この移行に関するサポートを当社に求めています。企業の一部では、PC、インフラストラクチャ、インターネット接続、帯域幅などをアップグレードする必要があることを考慮すると、全世界のトヨタ全体では完全な移行に数年かかるかもしれません。また、設備投資計画との調整も必要です。

Q: 北米トヨタの決定が組織内に及ぼした影響にはどのようなものがありますか?

A: 北米トヨタでの決定後すぐに、日本トヨタが Office 365 をグローバス サービスとして位置付けることを発表しました。同時に、ヨーロッパ トヨタおよびオーストラリア トヨタと提携し、北米トヨタの取り組みと能力を提供することになりました。また、その他の地域のトヨタを、北米トヨタのクラウド サービスに参加できるようにする可能性もあります。

Q: 機能面から見た場合、この IT における決定にはどのような意味がありますか?

A: 機能面から見た場合、この決定により、IT グループは常に最新かつ最高のサービスを継続して提供できるようになります。また、能力とリソースを、自動車における技術革新など、トヨタを特別な存在にするための取り組みに専念させることで、お客様の協力を得て改革を実現し、お客様全体と緊密な関係を構築することができます。

電子メールのような日常レベルのサービスではなく、革新的な機能の蓄積に投資できる能力を備えていることが、トヨタを世界有数の自動車メーカーたらしめる所以であると確信しています。

寄稿者: Jeff Meisner
マイクロソフト公式ブログ編集者

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