Exchange Server 2013 いよいよ登場


2012年12月1日にいよいよMicrosoft Exchange Serverの最新バージョン、Exchange Server 2013が販売開始となりました。今回はオンプレミス版のExchange Server 2013にフォーカスして、その魅力をお伝えします。

 

Exchange Server 2013を導入する3つのメリット

 

1. どのデバイスからもより多くのことを実現

あらゆるデバイスに対応し、どのデバイスでも一貫して使いやすい操作性を提供します。増加するメールをより効率的に処理し、メールを起点に仕事を行うユーザーの作業を効率化します。

2. セキュリティ・コンプライアンス対応の強化

マルウェアの脅威、法令順守など、セキュリティ強化とコンプライアンス維持を組織レベルで実施できます。ユーザーの生産性を犠牲にすることなく、組織のポリシーを適用できます。

3. 企業向け管理機能の提供と展開の選択肢

クラウド、オンプレミス、ハイブリッドの特性を活かし、組織の要件に合わせたメッセージング基盤の展開が可能です。どの構成でも変わらず管理・統制機能を提供します。パフォーマンスも大幅に改善されているため、ハードウェアの選択肢も増加しています。

 

それぞれについて以下で詳細にご紹介します。(※ 各機能が対応しているクライアント OS, Outlook のバージョン、ブラウザーの種類及びバージョンについては、TechNet 等でご確認ください。)

 

~ どのデバイスからもより多くのことを実現 ~

画面に最適化されたユーザーエクスペリエンス

Exchange なら、PC をはじめ、スマートフォンやタブレットなど、さまざまなデバイスからアクセスできます。標準的なスマートフォンやタブレット向けのオペレーティングシステムで Exchange ActiveSync が採用されているだけでなく、ブラウザーによる閲覧も可能です。新しい Outlook Web App では、閲覧するデバイスの画面サイズに合わせて、ユーザー エクスペリエンスを最適化。画面サイズに合わせて、フォルダー一覧、メール一覧、閲覧ウィンドウの表示と非表示をサーバー サイドで自動的にコントロール。ユーザーは画面サイズを意識することなく、いつでも同じ URL にアクセスするだけで、統一されたユーザー インターフェースを利用でき、IT 管理者も個別にマニュアルを用意する必要はありません。Outlook Web App を利用していれば、ローカル コンピューター上にデータを保持しないため、セキュアに閲覧できるのも特長です。

 

デバイスの画面サイズに合わせ表示を最適化され、タッチ操作に適したアイコン配置

 

素早くスムーズな操作

Outlook を活用すれば、より詳細なメッセージの処理を行ったり、予定、仕事、および連絡先などの管理をしたりすることができます。新しい Outlook では、画面を何度も切り替える必要がないよう、機能向上が行われています。たとえば、メールの返信は受信トレイ内での作成が可能で、予定や連絡先などはプレビュー機能で内容をすばやく確認。画面遷移を少なくし、メール本文の作成に注力できます。メールを起点としたスマートな情報処理をサポートします。さらに、新規に搭載されたタッチ モードでは、リボンやフォルダーのサイズを調整し、閲覧ウィンドウにはよく使うコマンドを表示。タブレットをご利用の場合でも快適に操作が行えるよう、タッチに最適化されたユーザー インターフェースに簡単に切り替えできます。

 

Outlook

 

チームでの共同作業を促進 

Exchange を活用すると、さまざまな共同作業をスムーズに行えます。たとえば、チームの予定を把握するには、グループ スケジュールを確認。選択したメンバーの予定をすばやく確認でき、また出席者の予定が空いている候補日時が提案されるので、会議の設定もスムーズです。SharePoint サイトを活用している場合には、メンバー全員でより効率的にメールとドキュメントを共有することも可能です。新しいサイト メールボックスはチーム サイトと連動し、ドキュメントは SharePoint に、メールは Exchange に一元的に保管。Outlook から単一のメールボックスとして活用でき、メンバー全員でのやり取りを一箇所にファイリングできます。サイト メールボックスは eDiscovery (電子情報開示) の対象とすることも可能。顧客からの情報開示要請や会計検査などがあった場合には、電子情報開示センターで対象の情報を素早く監査できます。
 
Outlook のドキュメント画面


社内外のソーシャル ネットワークとの連携
 

新しい連絡先カードは、人を中心として社内外のソーシャル ネットワークの情報を一箇所に集約します。組織内の SharePoint によるエンタープライズ ソーシャルに加え、LinkedIn や Facebook などのパブリック向けソーシャルの情報もリンク。すべての連絡先情報を一箇所で管理できます。リンクをクリックすれば、ダイレクトにソーシャルのページに移動でき、その人に関する情報や活動内容を確認できます。複数アカウントのメールやソーシャルから取得した連絡先情報はリンクすることも可能。同一人物が複数の連絡先として表示されることがなく、人を中心としてさまざまなメールやソーシャルの情報を包括的に管理できます。
 
連絡先カード

 

Outlookをカスタマイズ

新しい Office では、Office 用アプリの追加が可能になりました。一般公開を目的としたアプリは Office ストアで提供。企業向けアプリは、組織内の SharePoint によるアプリ カタログからも配信できます。
Outlook にはメール用アプリが用意されており、メールに記載された情報を基に自動的に Web アプリケーションを呼び出し、関連する情報をプレビュー画面に表示することが可能です。アプリはサーバー上で管理されるため、一度作成すると、Outlook だけでなく Outlook Web App からも同じように利用することができます。

 

アプリケーションの切り替え時間を短縮

たとえば、外部 Web サービスと連携するアプリを利用している場合には、外部 Web アプリに連携するキーワードが含まれているメールを受信すると、メールから画面遷移することなく、関連情報を取得することができるので、より迅速にメールを処理することができます。メール用アプリには、組織のビジネス アプリケーションと連携するアプリを開発することも可能。たとえば、ビジネス レポートの送信者は、レポート ページへのリンクなどのコンテキストを含めておけば、レポート自体を添付する必要がなく、安全かつ軽量なメッセージを送付できます。また、受信者は別のアプリケーションをわざわざ起動する必要もなく、Outlook や Outlook Web App 上でレポートを確認できます。

 

安全なアクセスの提供 

Exchange では、メール用アプリに使用する複数の Web サービスのアカウント情報を統合管理することが可能です。各メール用アプリに、アカウント情報を何度も入力する必要がありません。メール用アプリは Exchange サーバー上で管理されるため、管理者が利用できるアプリを制御することも可能です。

オプションのアプリ画面

 

 ~ セキュリティ・コンプライアンス対応の強化 ~

豊富なセキュリティ対策機能でコミュニケーションを多面的に保護

コミュニケーションのデータ量は年々増加しており、情報の管理作業をユーザーのスキルに依存するのは生産性に影響があるだけでなく、組織のセキュリティ ポリシーの維持も困難になります。Exchange Server 2013  では、ウイルス/スパム対策機能を標準で搭載。クラウドサービスと組み合わせることで、不要なメールや悪意のあるソフトウェアを組織で内外で防御可能。情報保護機能も強化されており、Rights Management サービス (RMS) との連携はもとより、内部コンプライアンス ポリシーに基づいて機密情報などを含むメールの流れを制御する機能も提供します。また、コンプライアンス対応の必要がある部署はアーカイブを行い、専用画面から SharePoint や Lync を含むアーカイブを監査。ウイルス・スパムの多重防御から、情報漏えい対策およびコンプライアンス対応まで、単一のソリューションで提供します。

 

System Center と同じエンジンでマルウェア対策

System Center Endpoint Protection と同等のマルウェア対策エンジンを標準搭載。Exchange Server の管理画面でウイルス対策を行えるようになりました。マルウェア対策ポリシーでは、検出した場合に、メッセージおよび添付ファイルの処理を設定できるほか、送信者や管理者への通知を行うことも可能。さらに、クラウド サービスとして Forefront Protection for Exchange (FOPE) の後継である、Exchange Online Protection (EOP) を提供します。組織内サーバーの標準機能と合わせて、組織内外で複合的にマルウェアを防御できます。EOP では複数のマルウェア対策エンジンを用意しており、コスト効率良く、多重化されたマルウェア対策が行えます。

 

スパムメールをクラウドサービスでブロック

不要な広告やフィッシング詐欺サイトなどに誘導するスパム メールは、さまざまな手法を使用して送信されるため、単一のツールやプロセスですべてのスパムを排除することは困難です。Exchange では、スパム メールの検出精度を向上するために、多面的な対策が講じられています。Exchange では送信者や受信者、Sender ID などの複数のフィルターで検出を行うとともに、過去の検出結果を累積的に活用。フィルターには言語や地域も設定でき、特定の地域から送信された特定の言語のメッセージだけを受信するように制限できます。また、Exchange Online Protection (EOP) では、スパム メール対策機能も提供。オンプレミスと組み合わせて利用することにより、組織内外の検出エンジンとフィルターを利用した、多層防御が可能になります。
 
 
コンプライアンス遵守を促進
 
情報漏えい対策ではユーザーへの注意喚起を徹底することも重要ですが、「うっかりミス」による誤送信をシステム的に防止することも重要です。Exchange では Rights Management サービス (RMS) との連携により、メールの流れを制御。送信者および受信者双方の誤操作などによる情報漏えいを防止できます。さらに、データ損失防止 (DLP) 機能を提供。たとえば、クレジット カードの番号やソーシャル セキュリティ番号などの個人情報に対して、ポリシーを設定しておけば、それを含むメールの送信前に注意をうながしたり、強制的に送信をブロックしたりすることができます。ポリシーはメールだけでなく、添付ファイルにも適用が可能。組織全体のポリシーを策定し、必要に応じてポリシー違反を確認することもできます。
 
ポリシー違反はメール作成中にヒントとして通知
 
 
可視化された詳細なメール保持ポリシー
コンプライアンス遵守の証明や証拠開示要求に対応するためには、メール データの保持期間を定義する保持ポリシーの設定も必要です。Exchange では、組織レベルで保持ポリシーを作成し、部署単位などで、適用することが可能です。ユーザーは Outlook や Outlook Web App の画面から、利用する保持ポリシーを選択可能。既定のフォルダーだけでなく、作成したフォルダーやアイテムごとにアイテム保持ポリシーを選択することができ、適切な保持期間を設定できます。アイテム保持ポリシーを設定すると、ポリシーに関する情報をメール ヒントとして表示。保持期限とどのようなポリシーが適用されているか、誰もが瞬時に把握できます。
 
組織のポリシーを確認しながら簡単に選択でき、設定されたポリシーはヒントとして表示
 
 
インプレースアーカイブ
 
従来のアーカイブ機能では、メールボックスと異なるデータ保存領域を用意し、ジャーナル機能を使用してその領域にメール保管をしていました。この場合、複数の保存領域を用意する必要があり、またそれらの管理作業も複雑になります。個人用のアーカイブをローカル コンピューターに作成している場合には、セキュリティ リスクもあります。Exchange Server 2013のインプレース アーカイブ機能は、Exchange 内で、アーカイブデータを保持します。組織レベルのアーカイブも、個人で行うアーカイブも同じ Exchange 上で行われるため、アーカイブごとに別システムを用意する必要がありません。利用頻度が高い比較的新しいメールはプライマリーに、それ以外のメールはセカンダリーに格納することで、効率よく領域を活用できます。プライマリーからセカンダリーの移動は、ユーザーが手動で行うことも、保持ポリシーを利用して一定期間後に自動的に移動させることも可能です。また、Exchange Online Archiving (EOA) を利用すれば、プライマリーはオンプレミスで、セカンダリーだけクラウド上に保管することも可能です。
 
統合されたeDiscoveryリスエストの実行
 
米国連邦民事訴訟規則が改正され、e-mail などの電子データを含む証拠開示要求に応じる義務が定められました。いわゆる eDiscovery 法です。日本企業も米国の自社顧客、競合他社、現地社員から米国で民事訴訟を提起されればこの制度に基づき対応する必要があります。Exchange では、情報開示要求があった場合にも即座に対応できるよう、eDiscovery 機能を提供します。法務担当者は、Exchange 管理者に依頼することなく、自分自身でアーカイブを含む複数のメールボックスに対して串刺し検索を実行。特定の条件で検索したメールを抽出して、専用のフォルダーに保管できます。さらに Office 製品群全体で搭載されているeDiscovery 機能を利用すれば、メールボックスに加えて、Lync によるインスタントメッセージング、SharePoint やファイルサーバーに格納されたドキュメントなども、統合検索可能。法務担当者は、検索結果をそのまま提出するだけで、情報開示要求に対応できます。
 
 
Exchange、Lync、SharePoint などのアーカイブを統合検索できる、eDiscovery 機能
 

~ 企業向け管理機能の提供と展開の選択肢 ~

クラウド、オンプレミス、ハイブリッド、構成に柔軟に対応

Exchange なら、サーバーの社内設置 (オンプレミス) はもちろん、パートナー企業が提供するパートナー クラウド、マイクロソフトが提供するクラウドサービス Exchange Online から、ビジネス ニーズに合わせて、最適なものを選択できます。もちろん、オンプレミスとクラウド サービスを併用するハイブリッド構成も可能で、たとえば、本社はオンプレミスで運用し、事業所や海外支店はクラウド サービスを活用する、といった利用方法も選択できます。ハイブリッド構成でも、統一された管理ツールで、シームレスに運用することができます。また、クラウド サービスとして、ウイルス/スパム対策の Exchange Online Protection (EOP)、アーカイブ機能の Exchange Online Archiving (EOA) が提供され、オンプレミスと組み合わせて利用できます。

 

柔軟なハードウェアの選択肢
Exchange Server 2013 では、I/O パフォーマンスを大幅に向上。マイクロソフトによるベンチマーク調査では、以前のバージョンと比べて約 50% 以上のディスク I/O を削減しています。レプリケーション機能も向上しているため、SATA (Serial Advanced Technology Attachment) の直接接続型ストレージ (DAS) や RAID (Redundant Arrays of Inexpensive Disks) レスのストレージにも対応。コストとパフォーマンスのバランスを考慮して、さまざまなハードウェア製品から最適なストレージを選択できます。さらに、ハードウェア製品と仮想化テクノロジの技術革新により、ハードウェア集約も可能。Exchange Server 2013 は、すべての役割サーバーが仮想化技術に完全に対応。サーバーを効率よく集約することで、ハードウェア コストと運用管理コストの削減にも貢献します。
 
2つのビルディングブロックによるシンプルな構成
新しい Exchange Server では、ハードウェア リソースの効率的な利用と容易なスケールアウトの実現を目指し、サーバーの役割を集約。クライアント アクセス サーバーとメールボックス サーバーの2 種類によるシンプルな構成でメッセージング環境を構築できるようになりました。クライアント アクセス サーバーとメールボックス サーバーの役割が新しく定義され、疎結合になっているため、クライアント アクセス サーバーとメールボックスサーバーは、それぞれ任意の順序でアップグレードすることができます。トランスポート層 (レイヤー4) による負荷分散も可能となり、また、すべてのサイトに 2 つの役割のサーバーを配置する必要はなく、かつネームスペースも最小 2 つまで削減されているため、より安価で組織の要件の応じた柔軟な構成が可能です。
 
管理負荷の大幅な軽減と付加価値の高い作業への注力
新しい Exchange では、Web ベースの管理コンソール、Exchange Administration Center (EAC) を提供。Exchange 管理シェルと合わせて、自社設置サーバーだけでなく、クラウド上の Exchange Online も一元的に管理することができます。
さらに、役割別管理モデルでさまざまなセルフサービス機能を活用することも可能。たとえば、コンプライアンス対応は法務責任者に権限委譲することにより、Exchange 管理者に負荷をかけることなく、組織の要件に合わせてメール保持ポリシーを設定し、情報開示要求を受けた場合でも即座に対応できます。役割別に管理作業を分担することで、メッセージング システムに対する問い合わせや作業が集中することがなくなり、Exchange 管理者はより付加価値の高い作業に注力できます。
 
Exchange Administration Center (EAC)
 

1 つの機能で可用性と災害対策を実現

Exchange の高可用性アーキテクチャは、障害発生時にも事業を継続するための統合フレームワークを提供。拠点を 1 つのデータベース可用性グループ (DAG) で管理することで、データセンター間にデータ レプリケーションを拡張できます。DAG では、データベース レベルでの自動的なフェールオーバーが可能。一部のディスクに障害が発生しても、他のディスクのデータベースを利用するユーザーに影響はなく、高速なフェールオーバーにより、対象のメールボックスも素早く復旧します。メールボックスはオンライン状態での移動をサポートします。また、各メッセージはサーバー上にシャドー コピーが保持されるため、ディスクやサーバーに障害が発生しても別の経路から再送信。ユーザーはメールボックスの移動中もメールボックスに接続し、一部のサーバーに障害があっても送受信を維持できます。
 
 
 
 
 
~ まとめ ~
 
以上ご覧いただきましたように、時代のニーズに合わせたメッセージング基盤として、Exchange Server 2013は大きく分けて 3 つの機能領域を大幅に改善しています。生産性と操作性の向上を図りながら、セキュリティとコンプライアンスを両立。現場のユーザーにも、組織の管理者にも納得いただける、最先端のメッセージング基盤です。
以下に関連リソースを記載しましたので、より詳細なExchange Server 2013の情報収集及び評価にご活用ください。
 
Exchange Server 2013 評価版
Exchange Server 2013 自習書シリーズ
TechNet Libarary
 
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