私が Google を辞めた理由

(この記事は MSDN Blog JW on Tech に 2012 年 3 月 13 日に投稿された記事の翻訳です) OK、わかりました。みんなが私の辞めた理由を知りたがっていますが、個別に答えているときりが無いので、文章で説明します。少しだけ目を通しても (要点は第 3 段落に書きます)、全部読んでも構いません。ただし、あらかじめ断っておきますが、ここにはドラマも、暴露も、元同僚に対する非難もありません。また、Google と、ユーザーのプライバシーやソフトウェア開発者に対する Google の方針を巡る最近の報道から既に推察できること以上の内容もありません。これはもっと個人的な話です。 Google を辞める決断は簡単なことではありませんでした。勤めている間、私はかなりの情熱を会社に注いでいました。Google Developer Day のイベントで 4 回、Google Test Automation Conferences で 2 回の基調講演を行い、Google testing blog にも何度も寄稿しました。採用担当者から、優秀な採用候補者に会社を売り込むように頼まれることもよくありました。Google の売り込みを断ったことはありませんでしたし、それができなくなって一番驚いているのは自分なのです。実際、Google に勤めていた最後の 3 か月は、死に物狂いで情熱を取り戻そうと無駄な努力をしていました。 私が情熱を注いでいた頃の Google は、従業員に変革の力をもたらしてくれるテクノロジ企業でした。私が辞職したときの Google は、会社から義務付けられたことだけをやっていればよい広告会社になっていました。 表向きには Google はずっと広告会社であったわけですが、最後の3 年間の大半はそれとも異なっていました。Google は、優れた TV 番組が広告会社をやっている、つまりコンテンツがよければ広告主が引き寄せられるという意味での広告会社に過ぎませんでした。 Eric Schmidt 氏の下では、広告は常に裏方に回っていました。Google は、革新的な工場のように運営され、創立者賞、ピア ボーナス、20%…


フレキシブル ワークスタイル実現のポイント (5) ~ 現実×仮想のワークプレイス設計

ワークスタイル変革において情報テクノロジーの活用は必要不可欠です。現在のワークスタイルの非効率をもたらしているのは、集合型オフィスに代表される 「現実の」 ワークプレイスにおける物理的な限界であり、それを超えるには、「仮想」 ワークプレイスによる論理設計が必要になるからです。 しかし、情報テクノロジーがすべてを置き換えるわけではありませんし、またそうすべきでもありません。ワークプレイスの仮想化はコストの低減と、新たな人や情報の結びつきを加速しますが、物理的コミュニケーションが果たす質を十分には担保できません。しかし、もっともリッチなFace-to-Faceコミュニケーションにはもっともコストがかかります。ワークプレイスの現実と仮想は対立するものではなく、どちらが主となりどちらがその不足をサポートするのかのバランスの問題です。さらにはその組み合わせにより、どちらか一方では実現不可能な新たな効率をどのようにして生み出すのかを考えるべきです。 物理的ワークプレイスをどうすべきか ビジネスモデルによって主従やバランスは異なるものの、多くの企業ではまだ物理的ワークプレイスの完全撤廃はできないでしょう。特に大都市圏では、B2B ビジネスにおける顧客やビジネス パートナーの所在地は、一般的な住宅街から遠く離れた都市部であることが多く、また移動手段にかかるコストが低いため、集合型の営業拠点を都市部に設置するメリットはまだそれなりにあります。 しかし、物理的ワークプレイスのみを前提したワークスタイルには、これまで述べてきたような様々な無駄が生まれます。その典型は会議です。顔を突き合わせて話す、という物理的な行為を重要視することで、コミュニケーションは時間だけでなく場所にも縛られることになります。一般に、人よりも会議室の確保のほうが難しいため、従業員の1日は会議室のスケジュールを中心に組み立てられます。開催に時間と手間のかかる会議は、1度により多くの関係者を巻き込もうとする動機を生み出し、それによって会議時間は長くなり、結果多くの人にとって無駄な時間が増えるという悪循環が始まります。テレビ会議のような仮想ワークプレイスでこの問題を解消しようという試みは古くからなされていますが、削減できるのはせいぜい拠点間の移動時間程度であり、悪循環を断ち切るほどではありませんでした。 ここでたとえば、物理的ワークプレイスを仮想ワークプレイスで置き換えるのではなく、仮想ワークプレイスによって物理ワークプレイスの利用効率を向上させる、という考え方をしてはどうでしょうか。たとえば、会議は会議室で行うもの、という前提に立つからこそ場所の制約に縛られるのですから、会議室ではない場所で会議を行えればいいわけです。会議室を使う理由は、プロジェクターやホワイトボードなど共有設備を使いながらディスカッションできる点にあります。一部を除き、社内の同僚に聞かれてはまずい会議などそうはないでしょう。つまり、前述のような共有設備を、それこそオンライン会議のような仮想ワークスペース技術によって代替すれば、話すべき人数が集まれる場所ならどこでも構わないはずです。 日本マイクロソフトでは、各オフィスフロアに 「Hubスペース」 と呼ばれるオープンな集合場所を、50名に1か所程度の割合で点在させています。イスとテーブル、ホワイトボードぐらいは用意されていますので、ちょっとした打ち合わせはここで十分です。資料を使った深いディスカッションが必要な場合も、各人がノートPCを持ち寄って、Lyncのオンライン会議機能を使ってスライドやアプリケーションを共有すれば、モニターやプロジェクターに投影する必要はありません。「相手が目の前にいるのにオンライン会議を使うなんて不自然」 という先入観を捨ててみると、書き込んだ資料の保存やレコーディングなど、むしろこちらのほうが便利なこともあることに気づくでしょう。 このHubスペースを作るためには、その分何かを捨てなければなりません。日本マイクロソフトでは、60%の従業員をフリーアドレス制に移行することで余剰スペースを生み出しました。事前の調査では、デスクスペースは平均すると、一日のうちピーク時でもせいぜい40% しか稼働していないことが分かっていました。これは 6割もの投資が無駄になっているということを意味しており、それをより効率的な投資に振り分けるのは必然です。その分はHubスペース以外にも、機密度の高い会話が必要な場合に利用するPhoneブースや、自販機なども備えたよりオープンな会話ができるスペースなど、会議室ではない様々なコミュニケーション スペースへと割り当てられました。オフィス内ではすべての場所で無線LANが利用できるため、従業員は自分のノートPCを持ち歩くことにより、相手や目的に合わせて自由に場所を選択し、効率的なコミュニケーションを実現しています。これにより、会議室の稼働率は大幅に低下、つまり従来型の無駄な会議が減ったのです。そしてこのようなワークスタイルに慣れたおかげで、自宅や外出先などからのアクセスの際にも、違和感なくスムーズに参加できるようになりました。 場所を問わずにワークスタイルを維持できることが重要 最も重要なポイントは、会社のデスク、会社の会議室、自宅、外出先といったそれぞれのシーンにおいて、仕事のスタイルが大きく変わることを避けることです。場所によってスタイルが大きく変わるようだと、異なる仕事の手順や事前準備が必要となり、ミスや失念も発生しやすく、生産性に差がつくことになります。そうすればおのずと、ワーカーはより慣れた場所、つまり自分のデスクに集合せざるを得なくなります。自らの生産性のマネジメントはもちろんですが、むしろ、同僚に迷惑がかかる、あるいはそうしてまで自分の都合を優先する人間であるという印象を上司に与えることへの恐れが、同僚と足並みをそろえようとする動機を与えます。そこに、組織全体としいてのコストや生産性、環境への影響などという考え方は一切ありません。いくら在宅勤務制度を整えたとしても、経営者や社会が要請したとしても、どこにいても同じ働き方ができ、生産性に大きな違いが生まれないようにしておかなければ、前述のような心理的な壁を超えることができず、その運用は決して長続きはしません。 ワークプレイスの現実と仮想の境界線は明確にすべきではありません。デスクにいようが会議室にいようが自宅や外出先にいようが、常に仮想ワークプレイスにより拡張された現実世界の中で働くことで、自分や相手の状況、目的や場所に応じて、今自分がすべきことがスムーズにできるようになります。日本マイクロソフトでは、2010年2月に本社を移転し現在の体制に移ったことで、3月に発生した東日本大震災当日における安否確認や情報伝達が迅速に行われ、またその後約1週間実施された強制的なテレワーク運用においても、ビジネスを止めることなく、さらには 「通れた道マップ」 や 「放射線情報サイト」 など様々な緊急プロジェクトを立ち上げることができました。これは、オフィスへの出社ができなくなってもワークスタイルや生産性の大きな変化が起きず、自分がなすべきことをなせたからなのです。 このようなお話をすると、セキュリティへの懸念を持ち出される方も多くいらっしゃいます。もちろんその気持ちは十分に理解できますが、これは技術的に解決済みの問題です。この点については次回触れたいと思います。


「Lync 体験セミナー」 は 4 月以降品川本社にて実施します

2010 年の Lync 製品リリースより大手町のマイクロソフト テクノロジー センター (MTC) にて定期的に実施しておりました Lync 体験セミナーは、4 月より日本マイクロソフト 品川本社にて実施を継続します。Lync 体験セミナーは、製品概要紹介に約 60 分間の実機体験を加えたハンズオン セミナーで、Lync のビジネス価値を実体験によりご理解いただくための重要な機会として、多くのお客様よりご好評いただいているイベントです。 現在大手センタービルに入居中の MTC は来週より、その機能の一部の品川グランドセントラルタワー 30F の移設を開始します。これに伴い Lync 体験セミナーも大手町における実施は本日が最終日となり、4 月 13 日の初回実施以降は品川本社にて継続をする予定です。現在 4 月 13 日および 4 月 20 日 (ともに金曜日) のお申し込み受け付けを開始しております。詳細およびお申し込みは以下のサイトからお願いいたします。 http://lync.microsoft.com/ja-jp/Events/Pages/events.aspx 


メーリングリストとして利用する Microsoft Office 365

Office 365 を利用シナリオにはいろいろとありますが、次のようなメーリングリストとしての活用も可能です。 組織をまたがるプロジェクト 自治会や同窓会 趣味の会など PTA など 共通しているのは、仕事やプライベート用のご自身のメールアドレスを持っているのに加えて、別のグループでのコミュニケーションが必要な状況です。もちろん、Office 365 に登録すれば、メーリングリストとしてだけではなく、情報共有のためのストレージや連絡のための掲示板としても利用可能です。 考え方は簡単です。Office 365 に関係する方の分のユーザーを登録し、その上でグループアリアスを作成し、関連メンバーをすべて登録し、転送設定をすることです。 こちらの図のように複数のグループを作成して、全メンバーとコアメンバーなどに分けることも簡単です。  設定の手順 さてそれでは、具体的設定の手順を見ながら、注意すべき点についてお伝えしましょう。 最初に [Outlook] の画面に進み、右上の [オプション] から [すべてのオプションを表示] を選択します。左側のメニューに [グループ] とあるのでそれを選択します。そうすると次のような画面が現れます。 右側の [所有するパブリック グループ] から [新規作成] をクリックします。[エイリアス] の欄に、@マークより前のメールアドレスを決めて入力します。[電子メールアドレス] には、上記の [エイリアス] と同じメールアドレスを入れ、@マーク以降のドメインを選びます。通常はいつも利用するドメインを選択すれば問題ありません。必要に応じて、説明を加え、[所有権] のところに、このグループの設定を変更できるメンバーを追加します。 そのあと、右下の [保存] をクリックします。次に今作成したグループを選択して、[詳細] をクリックします。[メンバーシップ] を開いて、必要なメンバーを追加します。 さて、ここで一つ重要な作業があります。 [配信の管理] を開いて、[組織内および組織外の送信者] を選択することです。 [組織内の送信者のみ] というのは、このOffice 365 に登録されているユーザーのみがこのグルーブメールアドレスに送信できることを意味しています。今回の場合、Office 365 のメールアドレス以外に自分のメールアドレスを持っていることを前提としているので、「組織外」から送信する必要があります。  最後に転送設定です。改めて左側に表示されているメニューの [アカウント] をクリックします。そうすると右側に次のようなメニューが現れます。     この中の…


最新オフィスと進化するワーク スタイル

(この記事は 2012 年 2 月 7 日に  here it is online に掲載された記事のクロスポストです。) I. オフィス移転と共に進化した、 マイクロソフトの新しいワーク スタイル 2011 年 2 月、日本マイクロソフトは「日本に根付き、信頼される企業」へと進化するため、東京都内 5 拠点 (新宿、初台、代田橋、赤坂、霞が関) のオフィスを統合し、品川の新オフィスへと移転しました。オフィス移転と同時に目指したのは、社員がおのおのの仕事に最も適した仕事環境を選択し、個人の可能性を最大限に発揮させ、業務効率を向上させるよう、ワーク スタイルを進化させること。そのためには、社員どうしの情報共有と連携の質を高める「コミュニケーションの進化」と、セキュリティを確保しながら業務効率性を向上させる、また、あらゆる無駄を省き電力やコストの削減を実現するといった社会的要請に対応する「ファシリティの進化」が必要でした。 移転からおよそ 1 年がたち、移転による実際の効果や、社員たち現場の生の声も集まってきました。そこで本特集では、新オフィスで目指したワーク スタイルの進化の効果と、それを実現したファシリティのさまざまな工夫、そしてこれらを支えた ICT とは何かをご紹介しましょう。   コミュニケーションの進化 コミュニケーションとコラボレーションを加速するワークスタイルの変革 品川オフィスの重要なコンセプトの 1 つが「Workplace Advantage (WPA)」 &「 New World of Work (NWoW)」─おのおののビジネスに適した理想の職場環境を実現し、社員の業務効率を向上させる考え方です。新オフィスでは、従業員の約 60% が固定席を持たないフレキシブル シートで働いています。 これにより、社員間のコミュニケーションやコラボレーションが加速され、生産性と創造性を引き出すことに成功しました。また、フレキシブル シートで共用スペースを大きく増やすことが可能になった点も重要です。集中作業やプライバシーを必要とする作業に使える個室から、グループで自由にコミュニケーションしながら作業できるスペースまで、従業員は仕事に合わせて、最適な場所で、最適な方法で働く選択をすることが可能になりました。   いつでもどこでも質の高いコミュニケーション環境を確保 自由に席を選べるフレキシブル シートをはじめ、社員のさまざまな働き方を支援および実現するには、社員がいつでもどこにいても、適切なデバイスで必要な人と効率的なコミュニケーションがとれるしくみが不可欠です。マイクロソフトでは、Microsoft® Lync®…


利用しているクラウド サービスでは、セキュリティに最高レベルの国際標準が設定されていますか

(この記事は Whymicrosoft.com に 2012 年 2 月 3 日に投稿された記事の翻訳です) マイクロソフトでは、人々のやり取りが毎日数千回も国や企業の境界を越えて行われていること、また、多くのビジネスではトランザクションは国内でのみ発生していることを理解しています。ビジネス データは従業員、事業運営、お客様、およびパートナーに対して機密性の高い資産であるため、マイクロソフトでは、お客様のデータが世界のどこにあろうとも、セキュリティで保護されるようにしています。政府や機関との取り組みを通じて、マイクロソフトでは、さまざまな国際的な標準、規制、および契約条項に従うことの重要性を理解しています。 国境を越えるデータ セキュリティとデータ転送に影響する数多くの法令、標準、および要件に関して、常に最新の状態を維持するのは大きな課題です。また、データ セキュリティの国際規制は通常、米国内でビジネスを行う米国企業が従っている規制よりも制限が多くなっています。 国内のデータ保護とコンプライアンス、および国境を越えたデータ保護とコンプライアンスの両方を広く可能な範囲で考慮した場合、クラウド生産性ツールの利用を開始する際に、どのような認定を把握しておく必要があるでしょうか。マイクロソフトは、クラウド サービスを利用するビジネスにとって、データ転送に対処する上で 2 つの標準が特に重要であることを理解しており、最初の主要なクラウド生産性サービスとなることで、次のことを行っています。 データ セキュリティの国際標準認定である ISO 27001 を取得 Office 365 がEU 標準契約条項対応を担保する最初かつ唯一のサービスに Google は、提供しているクラウド サービスに関して、いずれにおいても優位性がありません。   ISO 27001 認定 国境を越える場合と国内の場合の両方について、お客様におけるセキュリティ ベンチマークとしての重要性、およびデータ転送における重要性を認識し、マイクロソフトは国際標準化機構 (ISO) の27000 ファミリ規格に準拠しています。ISO 27001 の広い範囲と高い認知度が組み合わさることで、ISO 27001 は非常に厳しい認定となっています。このファミリ規格では、プライバシー、機密性、およびセキュリティに関する技術的な問題を対象とし、組織内で情報セキュリティ管理を開始、実装、保守、および改善するための確立されたガイドラインと一般原則に対処しています。 ISO 27001/27002 では、数百もの可能なコントロールとコントロール メカニズムについて概要を説明しています。また、ISO 27001/27002 では、情報セキュリティを明確にコントロールするための管理システムを規定しています。ISO 27001 でOffice 365 が認定を受ける際、マイクロソフトはクラウド スイートに高レベルの物理的および論理的なプロセス コントロールと管理セキュリティ…


事業所グローバル展開時の IT インフラ・考 (1) ~ 情報共有システムの基本設計

近年の日本企業は超円高によるコスト高を回避し、力をつける海外企業との競合に勝つために東南アジアの安くて優秀な労働力確保のため海外に生産拠点を現地に移動したり、もしくは中流階級が台頭してきている中国やアジアをはじめとする成長マーケットにも事業展開を行うために店舗を開設したり、と海外展開をおこなって現地スタッフを取り込んだグローバルな組織づくりを行う必要性が急速に高まってきています。これらのことを実際に強く感じているお客様も多いのではないかと思います。   海外展開時のITインフラの課題 現地に拠点や店舗を開設するにあたって固定電話、携帯電話と並んで必要になる情報共有インフラが、電子メールやファイル共有サーバーなどの情報共有インフラです。また、一部の従業員には、報告書をまとめたり資料を作成するためのOfficeソフトウェアも必要になってきます。これらのインフラについては、構築するに当たり以下のようなことが気になってくるでしょう。 Ÿ人数増減の柔軟性: 世界情勢の変化に伴い、拠点の新設や引上げを柔軟に行う必要がある。また、ほかの国と地域に人員を異動させる場合も柔軟に対応できる必要がある。 ŸIT管理者の不在: 各拠点の正社員の人数は少なく、その中でIT管理者に人を割くことができない。 Ÿ世界中の拠点で利用: 拠点を置くところからは常に利用可能な仕組みである必要がある。拠点によって異なるインフラを使うのは非効率であり、中国やタイ、ベトナムなど東南アジアの国々からも利用したい。また、対応言語もなるべく多いことが望ましい。 これらのことを考えたとき、内部設置型のサーバーを各拠点に設置していったり、Officeソフトウェアを現地で管理していくのはあまり現実的な選択肢となりません。また、日本にサーバーを集約して各拠点にサービスを展開するにしても、一緒の認証基盤やファイル共有サーバーを利用するためには拠点と日本を専用線やVPNなどでつなぐ必要があり、インフラコストがかさみます。   グローバル クラウドの活用でインフラ投資は最小限、かつスピードを確保 そこで、より低コストかつ短期間で導入できるオプションとして検討材料にあがってくるのが、クラウドコンピューティングです。クラウド事業者は国内外にいろいろな選択肢がありますが、情報共有インフラのように世界中で利用する可能性があるものについては、地理、対応言語の両面でグローバルに展開している事業者を選択することをお勧めします。 クラウドを使うことで、現地での投資は最小限に抑え、PCのブラウザーからメールやOffice文書を利用することもできるようになります。また、Officeクライアントを使わせたい場合でも、クラウドアカウントごとにライセンス認証をして利用させることができるため、現地で知らず知らずにライセンス違反をしてしまうこともなくなり、ライセンス管理を自分で行う必要がなくなります。 マイクロソフトでは、グローバルに展開可能な情報共有基盤をクラウドで提供しており、それはMicrosoft Office 365 と呼ばれています。Office 365 はクラウド上の一か所の管理ポータルでユーザー管理、メールやファイル共有ポータルについてのアクセス権限も含めすべて日本からWebコンソール上で行うことができ、必要に応じてActive Directoryと連携してユーザー管理を統合することができます。   グローバル クラウドの選択と構築時の注意点 グローバル クラウドで海外拠点のシステムを構築する場合、注意すべき重要なポイントが何点かあります。ここでは、そのうち最も重要なものを3点取り上げます。 IDとディレクトリの配置 まず、IDとディレクトリ管理をどのように設計するかというところが大きなポイントとなります。ライセンスについては、人員が拠点間を異動することを考えると、日本でまとめて購入して国と地域間を自由に異動できるようにしておくことが好ましいでしょう。また、Active Directoryなどの認証基盤を各拠点に配置するかどうかは展開する人数次第になります。 拠点に100人以上の従業員がいる場合、すでにローカルでActive Directoryを展開してしまっている場合もあるでしょう。Office 365でアカウントを管理する際は、クラウド上のみで管理するか、日本の本社のActive Directory上で海外拠点分のユーザーも登録管理してしまうことが望ましいです。その場合は、ローカルのドメインへのログイン (Windowsログイン) とクラウドへのログインはドメインの名前が微妙に異なる形になり、パスワードも別になります。 パスワードもWindowsログオンと同じにしたい場合は、Active Directory Federation Services (AD FS) を日本の本社で構築することになります。拠点との間でVPNなどを用意しなくても、Webポータル上からWindowsログインと同じアカウントとパスワードを入力することでログインを行うことができます。 利用する機能設計における拠点のチーム分け 次に、情報共有インフラで利用する機能と、その共有範囲を明確に定義します。たとえば、ファイルの共有はチーム単位と、拠点全体の2通りで共有されるパターンがあるとします。そして、アドレス帳はメールなら全社単位、社員名簿のレベルでは拠点単位、詳細な連絡先の共有はチーム単位、といった具合に、情報共有の深さと共有範囲を定義していきます。以下の図は、そのように定義していったひとつの例です。 利用する機能と共有範囲が決まったら、次にそれぞれの共有形態を実現可能なExchange/SharePoint の機能と対比して、実装に落としていきます。たとえば、アドレス帳であれば、Exchangeのアドレス帳は全社に公開する情報を掲載するのが適切なのに対して、SharePoint 上ではアクセス権をコントロールして共有する範囲をチームに限定することができるので、より詳細な連絡先情報を共有できる、また、名刺情報などの個人情報の保持にはExchange の連絡先が適切である、など、似たような機能であっても可能な共有範囲が異なることがありますので、吟味が必要です。その際には以下の表を参考にするとよいでしょう。チームや拠点については、クラウド上でセキュリティグループを定義して、その中に必要なメンバーを登録することで便利に運用することができます。 機能 全社 拠点 チーム 個人 Exchange …


フレキシブル ワークスタイル実現のポイント (4) ~ コミュニケーションを設計する

もし、最初から最後まで一人で完結できる仕事ばかりならば、ワークスタイルに悩む必要などありません。仕事の材料を持ち運べるかどうか、またそれらを個人が所有または占有できるものなのかどうかが、唯一ワークスタイルの決定要因となります。しかし、複数人での共同作業が前提になると、そこにコミュニケーションという要素が追加されます。コミュニケーションの成立のためには、自分と相手との接点が必要であり、互いのワークスタイルの中でその接点をどう扱うべきかを考えなければならなくなります。よってワークスタイル効率化のためには、企業や組織全体としてのコミュニケーション設計が重要なのです。 コミュニケーションとは? コミュニケーションを 「人と人」 の情報交換に限定したとしても、一般にコミュニケーションとして認識されている範囲の情報交換だけでは、そのプロセス全体をカバーすることはできません。たとえば、電話や電子メールはもっともイメージされやすいコミュニケーションだと思いますが、それらによって伝達を仲介される電子ファイルの共有も、電話や電子メールの情報交換効率を補完する行為ですから、コミュニケーションの一部として扱うべきです。さらにはそのファイルの生成に至る情報活用プロセスもまた、コミュニケーションの質に大きな影響を与えているはずです。 電話や電子メールは、単なる伝達ツールであって、コミュニケーションそのものではないことを改めて認識する必要があります。コミュニケーション ツールは、その時点でのコミュニケーションを効率化するために導入されます。したがって、ツールにばかり気を取られていると、ワークスタイル変革は実現できません。前回の例でいえば、現在の 「Face-to-Face 至上主義」 においては、集合型会議というツールが、あらゆる意思決定において欠かすことのできない存在と映ります。しかし、会議を意思決定のためのコミュニケーションと考えれば、気心の知れたプロジェクトメンバー間など、質よりもスピードの価値が大きくなる意思決定では、Face-to-Face の重要性は相対的に低く、スピードを得るための包括的な情報伝達の仕組みのほうがより重要だと気づくはずです。つまりコミュニケーション設計は、企業や組織全体における情報流通設計の中で考えられるべき話なのです。 コミュニケーションによる情報への価値の付加 情報活用のゴールをビジネス価値の生成とするならば、その価値は情報が形状を変え伝達されていくプロセスの中で追加されていきます。詳細は別の機会に譲りたいと思いますが、たとえば業務システムに蓄積された数値データが、人の視点や意思を得てレポートなどの形式化情報に編成され、それを別の人が自らの経験を踏まえて解釈する、といった一連の情報生成と消費のプロセスを通じて、最終的なビジネス価値を生み出す知恵に変換されていきます。 一般にコミュニケーションと呼ばれているものは、人の知識をいったん言葉に形式化したうえで、音声または文字で伝達する、揮発性の高い行為を指しています。しかし前述のように、そこに至るまでの情報活用プロセスがなければ、この狭義のコミュニケーションは成立し得ません。業務データはビジネス活動の成果を表す情報であり、業務データ活用は市場と人のコミュニケーションともいえます。共有ファイルは人の意思や経験の交換の記録であり、情報活用は時間をまたいだ人と人のコミュニケーションでしょう。つまり、これらを含めた情報流通全体を設計することで、より全体の質とスピードを向上させることができます。そしてその設計は、その企業や組織のビジネスモデルに密接に関連しています。 日本マイクロソフトにおける情報流通設計 日本マイクロソフトは、米国マイクロソフト コーポレーションの製品を日本市場において販売する会社です。日本マイクロソフトのビジネス モデルは、Windows や Office、SQL Server といったソフトウェア コンポーネントやツールを市場に安価かつスピーディに投入し、それらをベースにパートナー企業がソリューションを提供することで、エコシステム全体の継続的な成長の中で、自らは中核の安定的な収益を拡大していくというものです。したがって、それらコンポーネント単位での市場開発戦略が相対的に重要となり、常に多数のプロジェクトが同時に走ることになります。プロジェクト メンバーは複数の部門を横断し、各メンバーは複数のプロジェクトに同時に参加、おのずと近くの席に座っていない相手とのコラボレーション機会が多くなります。プロジェクト期間は 1 年より短いことも多く、中止の決断も迅速になされます。プロジェクト チームごとのメンバー数はさほど多くなく、またプロジェクトごとに必要となる情報の種類や質、タイミングも一定ではないため、コミュニケーションの定型化は困難です。期初に時間をかけて戦略の伝達と調整、合意を行ったのちは、役割と権限に基づき、各メンバーがそれぞれの裁量に基づきスペシャリティを発揮して、プロジェクトを遂行します。 おのずと、弊社におけるコミュニケーション プロセスは 「人中心」 になります。すばやい意思決定と行動のためには、いちいち組織ツリーをたどった情報伝達や意思確認など行っていられません。プロジェクトは組織横断で、かつ 1 年単位で消滅するため、過去のプロジェクトにおけるプラクティスは、自分で探し当てるしかありません。組織内のハコに業務が割り振られるわけでも、組織内に脈々と暗黙知が蓄積されているわけでもないため、組織図では仕事ができないのです。 さらに 2010 年 2 月に本社を品川に移転して以降、約 6 割の従業員をフリーアドレスに移行しファシリティ コストを削減、また東日本大震災以降は全社員が当日でもテレワークを採用できるようにし事業継続性を維持するようにしたため、コラボレーション相手が近くにいる保証はありません。 よって弊社では、情報共有のハブとしての SharePoint サイトとそのオフライン クライアントである SharePoint Workspace を活用し、ドキュメントやデータなどの非同期の情報交換を確実にしています。SharePoint サイトは個人が自由に作成でき、プロジェクトやチーム メンバー同士の情報共有場所として機能するばかりでなく、その活動に関するナレッジベースともなります。技術的な詳細は次回ご紹介しますが、SharePoint では各ユーザー個人専用のワークスペースが用意され、自分用のネットワーク ストレージとして活用できるとともに、Facebook のようなプロファイルやコミュニティへのアクセス機能によって、人と人、人と知識のつながりが強化されています。また同じくSharePoint に搭載されているエンタープライズ検索機能によって、キーワード一つでそれに関連するドキュメントや Web…


マイクロソフトを選ぶ理由とは? Office 365 の優れたアクセシビリティ

(この記事は Whymicrosoft.com に 2012 年 1 月 20 日に投稿された記事の翻訳です)   マイクロソフトのユニバーサル アクセスへの取り組みマイクロソフトは 20 年以上にわたってアクセシビリティに対する巨額の投資を継続しており、年齢や障害にかかわらず、誰もが使えるテクノロジを開発することに全力で取り組んでいます。このような将来を見据えた活動は、マイクロソフトの Office 製品の歴史、現在のサービス、今後の計画にとって不可欠な要素です。このため、マイクロソフトは新しい製品ラインにアクセシビリティを組み込むことを計画しています。つまり、あらゆるコミュニティに配慮した製品をリリースするために、マイクロソフトの製品リリースのサイクルにはアクセシビリティの分析が盛り込まれることになります。   Office 365 スイート全体に及ぶアクセシビリティたとえば、Office 365 の Office Web Apps コンポーネントを作成するときは、以下の領域に多額の投資を行いました。 画面を見ることのできないユーザーのためにスクリーン リーダーを提供する。 マウスを使わないユーザーがキーボードを使ってすべての機能にアクセスできるようにする。 視覚に障害があるユーザーが画面を見ることができるように、ハイ コントラスト モードと高 DPI モードでも Office Web Apps が適切に機能するようにする。 この結果生まれた Office 365 スイートの多様なアクセシビリティ機能は、アクセシビリティに対するマイクロソフトの長年の取り組みと、その実用的なテクノロジの提供が成功したことを証明しています。スイートのコンポーネントである、Office Web Apps、SharePoint Online、Lync Online、Exchange Online、および Office は、複数の特定の基準を満たしています。マイクロソフトのお客様は、Office 365 の機能を、この投稿の最後に記載する Office および Windows に固有の機能で補完することもできます。 以下の表の Web…


今のメール環境をOffice 365 に統合して利用

すでに何度かお伝えしていますが、MicrosoftOffice 365 はメールシステムを含む情報共有やコミュニケーションのためのクラウドサービスのセットです。従来のメールシステムに不満はあるけれども、乗り換えるのはとても面倒である、とお考えの方に良い方法をご紹介します。今回ご紹介する内容は、小規模の組織であくまでそれほど大きくないメールシステムを利用の方を対象としておりますので、あらかじめご了承ください。大規模の場合には、しかるべきプロセスを経て移行をしていただくのが正しいと考えております。 Office 365 にメールを取り込みましょう Office 365 のメールシステムを担う Exchange Online には 「統合アカウント」という機能があります。これは、ユーザーが利用するOffice 365 のメールボックスに複数のメール環境を取り込む機能です。 Office 365 にサインして、Outlook のタブをクリックすると、Outlook Web App の画面が出ます。その画面の右上に [オプション] というリンクがあります。それはドロップダウンでメニューを選べるようになっていますが、そのなかで [すべてのオプションを表示] を選んでください。[マイ アカウント] が表示されているはずですが、上部にあるその隣の [接続されているアカウント] を選択してください。 その際に表示される画面がこちらの画面ショットです。ここではすでに一つのメールアカウントが設定されています。   ここにある [新規作成] をクリックしていただくと、取り込むメールアドレスの情報を入力する画面が現れます。その画面がこちらの画面ショットです。設定は簡単です。ここに取り込むメールアドレスとそのメールアドレスで利用されているパスワードを入力します。その上で [次へ] をクリックすれば完了です。メール情報が認証されれば、メールの取り込みが始まります。   ここで取り込むことの出来るメールアカウントは最大5つまで可能です。フリーのメールアドレスや、有償で利用しているメールアドレスもすべて取り込んで一元管理しながら利用することができるわけです。 こうして取り込むことのメリットは次のような点が考えられます。 ウィルス・スパム対策Office 365 のメールシステムは大変強力なウィルス・スパム対策の仕組みが標準で組み込まれています。スパムメールの数が激減することは間違いないです。 25GBのメールボックス容量メールボックス容量が小さくて、何度もローカルにバックアップを取る、というような作業をしていないでしょうか? Office 365 で管理すれば、そうした作業を相当量減らすことができます。 「検索フォルダ」を利用すれば、複数のメールアカウントのメールを取り込んでも自分で整理することなく、自動的に仮想のフォルダに表示することができるので、ここでも無駄な作業を省くことができます。さらに、特定の条件で複数のメールアカウントを横断的に表示されることも可能なので、利便性が飛躍的に高まります。検索フォルダについてはこちらをご覧ください。http://office.microsoft.com/ja-jp/outlook-help/HP007328474.aspx まとめてスマートフォンなどで読み書きもできるので、スマートフォンユーザーにもとても便利になります。 さらに、この仕組みの優れているところは、返信するメールアカウントも選択できることです。Office 365 のアカウントによる代理送信という形ですが、この機能も大変便利にご利用いただけるものと思います。 詳細はこちらのサイトにも記載がありますので併せてご覧ください。 http://help.outlook.com/ja-jp/140/dd181953.aspx?sl=1  最後に、Office 365…