次期 Lync のご紹介 

今回は、他の Office ファミリーと共に先日 RTM の情報も発表され、現在評価版も公開中の新しい Lync についてご紹介します。
ご存知の方も多いかと思いますが、 Lync はマイクロソフトのプロダクティビティプラットフォームの中でも企業で発生するすべてのコミュニケーションを担う製品です。 

一つ前のバージョンである Lync 2010 は 2010年 12月にリリースされており、マイクロソフトのプロダクティビティ製品群の中でも比較的新しい製品と認識されている方も多いかと思いますが、実はコミュニケーション製品としては Office Communication Server 2007/ 2007 R2、以前は  Live Communication Server 2005 と今回リリースされる予定の Lync 2013 で 4世代目となります。また、更にそれ以前は Windows Server 内の Real Time Communication 技術として Microsoft が継続して投資を続け、成熟・進化したテクノロジーになります。

プレゼンスとチャット、オンライン会議(Lync 会議)に加え、企業の内外線の電話インフラをも統合するエンタープライズボイス(VoIP 外線通話)機能を備え、いつでも、誰とでも、どこからでも利用可能で、人と人とのコミュニケーションを強化する Lync の新しいバージョンの進化のポイントについてまとめました。

 

ポイント 1 : 選択肢も広がり、更に使い易く進化した統合クライアント

在宅勤務やフリーアドレスに代表されるように、企業ユーザーが働く環境は今、時代と共に急激に変化、進化しユーザーのニーズも多様化しています。それに伴いデバイスも多様化し、従来の PC のみならずタブレットやスマートフォンなど働く場所やシーンに合わせて、複数のデバイスを選択して利用しているかと思います。

コミュニケーションの基盤である Lync も、こうした背景を踏まえ以下の様な各デバイス、使い方に最適化されたクライアントを複数用意し、提供致します。

 

■ 簡易クライアント Lync 2013 Basic
**** (提供予定)****

■ PC 用統合クライアント Lync 2013

        

 

 

  

■ Windows 8 に最適化された専用の Lync


 

■ 各デバイスに最適化された Lync Mobile クライアント(こちらの画面は開発中のものです)

 

 

 

また、今回から新たに Lync Web App という名称でブラウザからの Lync 会議へのアクセスが可能となりました。
従来、外部ユーザーや Lync クライアントがインストールされていない端末から Lync 会議に参加してすべての機能を活用したい場合、会議参加用の専用クライアントのインストールが必須でしたが、今後はお使いの HTML5 ベースのブラウザから、統合クライアントの Lync 2013 とほぼ変わらない機能、使用感で Lync 会議への参加が可能となりました。

この様に、 Lync の持つ優れたユーザーインターフェースを多様なプラットフォーム、デバイスを通じて日々のコミュニケーションの中心手段として利用することで、ユーザーはいつでも、どこにいても高い生産性を維持することが可能です。

 

ポイント 2 :   「コミュニケーションの質」の向上、 Office 製品との連携強化

様々なシーンで使い分けが可能な統合クライアントの種類や使い易さだけではなく、最も肝心な「コミュニケーションの質」の部分も大きく進化しました。

特に Lync 会議は、ユーザーの皆様から要望が強かった複数拠点での顔写真・動画の表示(ギャラリービュー)も高解像度を維持したまま可能になり、従来に増してビジュアルコミュニケーションを中心に強化されています。
この強化された Lync 会議を上手に活用いただくことで、世界中どこにいてもお互いのジェスチャーや表情の変化などを確認しながら、より face-to-face に近い形でのコミュニケーションが可能となります。

また、業界標準の規格(H.264 SVC *)への対応による動画の表現力の向上や、統合クライアント全体に言えることですが直観的な UI の向上などの足回りの部分も強化され、より美しく、より便利にオンラインでの会議を行えます。

*) ITU(国際電気通信連合)によって勧告された、動画データ圧縮符号化方式の標準の一つ。
 H.264 SVC では映像を複数の品質に分けて符号化し複数のチャンネルで送受信を行う事で、ネットワークの問題などで帯域が不安定な場面でも、受信側が低帯域のデータを選択し動画の表現を続ける事が可能なため、会議を継続することができる。

ユーザーは、従来通り Active Directory のユーザー認証をベースに「人」を起点にコンタクトの開始が可能です。こうしたコミュニケーションは、Lync のリアルタイムなコミュニケーションに欠かせない存在であるコンタクトカード(以下イメージ参照)と呼ばれる連絡先相手の高解像度写真、プレゼンス情報、ステータスその他詳細を表示する仕組みで開始されます。次期 Lync で更に進化したコンタクトカードは、内部 / 外部のソーシャルネットワーク(例えばSharePoint、 LinkedIn、 Facebook )とも接続し、情報を収集することが可能です。

■ コンタクトカード

 

Office アプリケーションとの連携も従来に増して強化されており、日々利用するOutlook, SharePoint をはじめその他マイクロソフトアプリケーションから、コンタクトカードを表示しすぐに直接「1 クリックで」コミュニケーションを開始する事が出来ます。 Project や Visio からもこうした連携が可能となり、ますます幅広くアプリケーションの利用から思考の中断なく他の人とのコミュニケーションが自然に開始できることで、ストレスなく効率的に仕事を進める事が可能です。
また、 Lync 会議では PowerPoint アニメーションが更にリッチになるなど、共有されるコンテンツの再現性が大きく向上しています。更に、議事録ノートを取ったり、会議のレコーディングを行うために、 OneNote を Lync から直接利用することができます。(以下イメージ参照)

■ Lync 会議の OneNote 連携 

      

ホワイトボードのメモや共有スライドも同様に OneNote への直接保存が可能になるなど、 Lync 会議の準備、デジタル議事録作成など、重要なツールとしてシームレスに利用が可能になります。

 

ポイント 3 :  ユーザーのニーズに応じた展開が可能に

ご利用いただくユーザーのニーズに応じて、今まで以上に柔軟な展開、構成が可能となります。
これまでの自社設置(オンプレミス)と、Office 365 の Lync Online を利用するオンラインサービスに加え、オンプレミス、オンラインでユーザーを分割してご利用いただく「ハイブリッド」構成が新たに利用可能となります。これにより、例えば本社や自国内のユーザーをオンプレミス、拠点や海外ユーザーをオンライン、など展開の状況に応じて構成を選択いただけます。

また、従来通り外部組織の Lync や主要なパブリック IM サービスとのフェデレーション構成を設定することで、プレゼンスの確認や IM、音声など接続するサービスに応じた連携が可能です。今回から、先日買収の完了した Skype も接続サービスの対象となり、世界中の数億人の Skype ユーザーとのコミュニケーションが可能となる予定です。

 

まとめ

以上、ここまでポイントをかいつまんでご紹介致しましたが、次期 Lync の進化はこれだけではなく、 VDI 対応やエンタープライズボイスの更なる強化、その他様々な新機能や機能改善がございます。
これら詳細情報は今後製品サイトTechNet ライブラリでも順次公開してまいりますので、是非ご確認ください。