次期SharePointのご紹介


今回は、現在プレビュー版を公開中 の、新しい SharePoint のご紹介になります。非常に幅広く豊富な機能を搭載していますので、記事のボリュームも大きくなってしまいますが、ご容赦ください。

SharePoint は初代 SharePoint Portal Server 2001 から数えて 5 代目がこれからリリースされようとしていますが、企業内情報ポータルや文書管理、検索といった、テキスト コンテンツの管理活用だけでなく、データやビジネス プロセス、人の頭の中の知識さえスピーディかつ的確に共有できる、ビジネス プラットフォームへと進化を続けてきました。

間もなく登場する SharePoint 2013 では、マルチデバイスやクラウド、ソーシャルといった、新しいワークスタイルをもたらすテクノロジーの変化にも対応し、ユーザーの皆様に大きなビジネス価値をもたらします。ではここからはまず、SharePoint 2013 の進化のポイントについてまとめてみます。

ユーザー エクスペリエンスの改善

スマートフォンやスレートといった新しいデバイスが普及するにつれ、情報を扱うタイミングや目的にも変化が起きています。スマートフォンによって、移動中や会話中でも、確実に必要最低限のコミュニケーションや情報入手が可能になりました。スレートにより、デスクなどキーボードが使えない環境での情報操作も可能になりました。これらにより新しく追加された情報活用シーンは、ワークスタイル全体の在り方に影響を及ぼします。

情報活用ワークスペースである SharePoint も、これらのシーンごとに最適なインターフェースを提供する必要があります。スマートフォンやスレートでは、リッチで緻密なコンテンツを作成するのに必要なデスクトップPCとキーボード、マウス ベースのインターフェースとは異なり、外出先や移動中の短い時間で必要最低限レベルの情報を消費したり発信したりするのに適したインターフェースが求められます。したがってSharePoint 2013 では、できるだけ単一の画面で、スピーディな情報のやり取りが可能になるような設計を採用しています。

たとえば、新しくなったドキュメント ライブラリでは、シングルクリックまたはタップ操作だけでドキュメントのプレビューがポップ アウトすると同時に、そこに各種操作ボタンが表示されすばやくアクセスできす。この間、元の画面は背景に表示されたままで再ロードなどは発生しません。なお再ロードが発生するような画面操作でも、SharePoint 2013 は変化する部分のみを再描画しメニューなどその他の構造をそのまま利用するため、非常にすばやいレスポンスを得ることができます。さらにHTML5やjQueryに対応したインターフェースにより、リッチなデザインのままレイアウトを自動変更するなど、面積の異なるデバイスでも適切な画面表示が得られるようになります。

またたとえば、拡張された SharePoint 2013 の個人用サイトは、ユーザーごとに必要な情報にすばやく確実にアクセスするためのシングル ビューを提供するようになりました。さまざまなサイトに分散するディスカッションやドキュメントの更新情報、ソーシャル ネットワークを通じて交換される話題を集約するニュース フィードや、To Do を集約しガントチャートで表現するタスクなどが搭載されるようになり、スマートフォンなど画面サイズや操作に制限のある環境でも、必要な情報の確実な入手を可能にしています。新しく採用された SkyDrive Pro のテクノロジーにより、いつでもどこでも、自分のドキュメントに同じコンディションでアクセスし、作業を実施、継続できるようになります。

これらはごく一例にすぎません。SharePoint 2013 はこのようなインターフェースの改善により、エンドユーザーの迅速で確実な情報作業を支えます。

クラウドへの対応

ビジネス システムでのクラウドの利用は、もはや現実的な選択肢として検討されるようになりました。最新テクノロジーの展開や運用コストの削減、費用化など会計上の動機だけでなく、いつでもどこからでも社内の情報にアクセスできるようにする方法として、インターネットを経由してアクセスできるクラウドが注目を集めています。SharePoint 2013 ではこのようなクラウド化への展望に対応できるプラットフォーム機能を提供します。

SharePoint をクラウド上でサービスとして提供する方法にも、いくつかの選択肢を用意しています。マイクロソフト自身が提供するパブリック クラウド サービスである次期 Office 365 でも SharePoint Online の提供が予定されていますが、さらにクラウドに最適化した設計により、オンプレミス環境との機能差はかなり少なくなりました。新たに FAST Search Server for SharePoint の機能が完全統合され、この先進の検索テクノロジーを、SharePoint Online からでも利用できるようになります。もちろん、SharePoint Server 2013 は仮想化テクノロジーに対応しており、Windows Azure や一般的なデータセンター上でも動作するため、組織の事情に合わせて様々なクラウド展開が可能です。さらに、クラウドとオンプレミスのハイブリッド構成もサポートしており、情報の種類や展開のステージに合わせて、組み合わせてご利用いただくことも可能です。

一方、クラウドを通じて提供されるさまざまな優れたサービスを SharePoint 上に取り込み、統合して利用できるような、新しいアプリケーション開発アーキテクチャーを追加しました。Apps for SharePoint と呼ばれるこのアーキテクチャーは、Officeデスクトップ アプリケーションにおける Apps for Office と同様のフレームワークです。このフレームワークでは、フロントエンド インターフェースとバックエンドのデータやロジックは完全に分離され、REST などの標準プロトコルにより通信を行います。クラウドのパワーを簡単にフロントエンドで活用できるようになるだけでなく、SharePoint Online でもオンプレミス SharePoint Server でも、同じアプリケーションを同じように動作させることができるようになります。マイクロソフトが提供予定のマーケット プレイスを通じて世界中の優れたアプリケーションを購入、ダウンロードしてすぐに使い始めることができ、アプリケーション開発者は世界中のユーザーに自分のアプリケーションを販売する機会を得ることができるようになります。もちろん、サードパーティのマーケットプレイスを利用したり、自社内に限定して利用するためのアプリケーション カタログを SharePoint 上に作成し、購入したりカスタム開発したりしたアプリケーションを、ユーザーにダウンロード配布することもできます。

このように SharePoint 2013 は、クラウドのパワーを余すことなく活用するため、アプリケーションとしてもプラットフォームとしても、大きな進化を遂げています。

コア機能の進化

初代 SharePoint から搭載されているコンテンツ管理や検索、近年追加されたビジネス インテリジェンスや Web コンテンツ管理といった機能群はもちろん、それぞれ進化を続けています。さらにそこに、エンタープライズ ソーシャル機能群が追加されました。これらの機能群は単独で利用するだけでなく、組み合わせたりカスタマイズしたりすることで、よりニーズにマッチしたアプリケーションを構成することができます。

コンテンツ管理

企業内情報ポータルや文書管理、ワークフローといった伝統的な企業コンテンツ管理領域でも、さらなる改善が行われています。

PCだけでなくスマートフォンやスレートデバイスからアクセスし、直観的な操作が可能な見栄えの良いサイトを非常に簡単に作成できるようになりました。レイアウトや配色、背景画像などは豊富なテンプレートが用意されているほか、簡単にカスタマイズも可能です。各ページのコンテンツには新たにアプリケーションという概念が採用され、スタンドアロンやクラウド連携で動作する高度なアプリケーションを、オンライン、オンプレミス問わず利用できるようになります。もちろん従来型の Web パーツ フレームワークも同時にサポートしており、過去の資産を引き継ぐこともできます。

文書管理機能へのアクセスは、ファイルを選択することでポップ アウトするホバー カードが提供します。このホバー カードでは、Office Web Apps を使って Word や PowerPoint、Excel ファイルの内容をすばやくプレビューできます。またそこからファイルを編集したり、特定の相手と共有したり、更新情報を通知させるためにフォローしたりといった操作が、クリックまたはタップ操作で簡単に行えるようになっています。さらに、オプションメニューを選択することで、ワークフローやチェックイン/チェックアウト、バージョン管理などの機能へもアクセスできます。

ワークフローは、従来までの SharePoint 2010 ワークフローに加え、Windows Azure 上でホスト可能な新しい SharePoint 2013 ワークフローが搭載されました。SharePoint Designer などで作成する際に、ループやステージといった、今まで対応できなかった処理も可能になっています。また Project Server と連携した承認ワークフローもサポートします。

Access Services は、SharePoint 2013 アプリケーションの開発ツールとしての位置づけが強化されました。Access Services を利用すれば、Access 2013 の基本的な知識だけで、簡単にフォーム アプリケーションを構築し、SharePoint アプリとして利用できます。さらに、SQL Server への接続やデータ マクロなどもサポートしているため、高度なカスタム アプリケーションの開発も可能です。

コンプライアンス対応機能も強化されました。コンテンツの閲覧や変更といった監査ログをクリック操作で簡単に出力できるほか、検索機能を利用した eDiscovery 対応機能によって、ファイルサーバー上のドキュメントなども含め、検索インデックスが作成可能なあらゆる場所の情報を、Exchange や Lync のメッセージも含めて、一括抽出することができます。

ビジネス インテリジェンス

ビジネス インテリジェンスは、進化した Excel 2013 との組み合わせにより、非常に高度でインタラクティブな分析レポートを、IT 知識なしに作成、組織全体に展開できるようになりました。

Excel 2013 には従来まで別途インストールが必要なアドインとして提供されていたインメモリー分析エンジンの PowerPivot や、SQL Server 2012 に搭載されたインタラクティブでダイナミックなレポート機能である Power View が標準搭載されました。これらを使って、データベース設計に関する高度な知識を必要とせず、Excel だけで分析データ モデルを作成したり、リッチな分析レポートやダッシュボードを構成したりすることができるようになります。さらに、App for Office により作成されたクラウド ベースのアプリケーションを取り込み、複雑で高度な分析操作を組み込んだレポートを作成することもできます。

PowerPivot や Power View など Excel 標準機能を利用して作成された Excel ファイルを SharePoint に格納、Excel Services を使って Web レンダリングすることができます。Excel Services 上では Sliverlight ベースの PowerPivot や Power View の関連コンポーネントが動作するため、Excel アプリケーションと同様の操作性とリッチでリアルタイムな描画で、レポートの表示や操作が可能です。また新たに Safari ブラウザーにも対応した新しい PerformancePoint Services や、Visio Services などを組み合わせることで、さらにリッチなダッシュボードの構築が可能です。

さらに、Excel の標準機能である INQUIRE を使ったスプレッドシートの内容の比較や参照関係の表示などに加え、Audit and Control Management Server for SharePoint を追加することで、スプレッドシート利用状況の分析やエラー、リスクの評価などができるようになります。

このように SharePoint 2013 のビジネス インテリジェンスでは、高度に統制された環境の中で、多くのユーザーに使ってもらうための柔軟性と簡便性を提供します。

エンタープライズ検索

SharePoint 2013 には新たに、FAST Search Server for SharePoint として別途提供されていたエンタープライズ検索機能が完全統合され、あらゆるプラットフォームで利用可能になりました。

SharePoint 2013 の新たな検索エクスペリエンスは、より直感的に、できるだけすばやく、必要な知識にたどり着けるようになっています。過去の検索履歴に基づくクエリーの推奨、結果のすばやいフィルタリングやインライン プレビュー、関連コンテンツの表示など、ユーザーができるだけ早く結果にたどり着けるような、様々な機能拡張がなされています。

検索対象になるのはドキュメントばかりでなく、エンタープライズ ソーシャル上での会話、ビデオ、分析レポート、人のプロファイルやタグ付けなどの行動に基づく専門性など、様々な視点で必要な情報を引き出します。見つけ出した情報を選択するとボップ アウトするホバー カードでは、コンテンツのプレビューや各種操作にすぐにアクセスできるため、ユーザーはすばやくアクションを起こすことが可能です。

また SharePoint 2013 では、リッチな Out-of-Box の検索機能だけでなく、組織特有の環境でより適切な結果を得るための、クエリー ルールのチューニングも可能です。この機能によって、重要な結果を昇格させたり、クエリーに利用するキーワードを使って適切なコンテンツをブロックにまとめて表示したり、ランキングの調整を行ったりすることができます。

これらの優れた検索機能は、SharePoint 2013 上のコンテンツに限らず、ファイルサーバーや Web ページ、Exchange パブリック フォルダー、Documentum や Lotus Notes といった外部アプリケーションのリポジトリーに至るまでを対象にすることができます。これら外部ソースへのコネクターのいくつかは SharePoint 2013 に標準搭載されるほか、Business Connectivity Services (BCS) フレームワークを使用して新規に開発することもできます。これにより、eDiscovery に対応した組織全体での監査についても、SharePoint から統合的に実行することができます。

エンタープライズ ソーシャル

SharePoint 2013 のエンタープライズ ソーシャルは、もっとも大幅に強化された概念です。SharePoint 2010 でも、個人用サイトやタギングによって人と人、人と情報の組織横断的なつながりを強化していました。今回のバージョンでは、コンシューマー向けの SNS で普及しているマイクロブログをはじめとしたテクノロジーを取り込み、企業や組織の内部にソーシャル ネットワークを築くためのプラットフォームを提供しています。

エンタープライズ ソーシャルの中核となるのは個人用サイトのニュース フィードです。ユーザーは自分のニュースフィードからメッセージを発信できるだけでなく、SharePoint 上に分散するドキュメントやサイトなどのコンテンツ、チームやグループでのディスカッションをフォローすることで、自分のニュースフィードに常に最新の情報を届けさせ、それに対して直接アクションを起こすことができます。また、関心のあるキーワードを登録しておけば、そのキーワードをハッシュタグとして使う組織内の会話も自動的にフォローすることができます。つまりユーザーは、ニュースフィードにアクセスするだけで、組織全体で流通する情報から、自分に関係しそうなものだけを一目で把握することができるのです。

組織内でソーシャル ネットワークを活性化させるためには、メンバー共通で関心の高いテーマと、そこに参加し貢献するインセンティブの設定が何より重要です。SharePoint 2013 では、コミュニティ サイト テンプレートにより、特定メンバー間でのコラボレーションを促進するためのサイトを簡単に作成できます。このテンプレートを用いて作成されたコミュニティ サイトでは、マイクロブログ機能によるディスカッション ボードが生成され、投稿や返信、人気などの統計情報がわかりやすく表示されます。さらにメンバーには、ディスカッションへの投稿や返信およびその内容への評価などに応じてポイントが与えられ、貢献度の高いメンバーが表示されるようになっています。管理者が特定のエキスパートにバッヂを与えることも可能です。このようなメンバーをリワードする仕組みによって、参加への後押しをするとともに、投稿や回答への信頼性の判断基準を与えることができます。

そしてソーシャル ネットワークによる組織内コミュニケーションの活性化と合わせ、セキュリティやコンプライアンスの確保も重要です。たとえば、本来提供範囲を絞り込むべきドキュメントなどが、投稿を通じて広範囲に伝達されないようにする必要があります。不適切な投稿や返信が行われないようにする必要もあります。SharePoint 2013 には高度なコンテンツ管理機能やコンプライアンス対応機能が搭載されており、ソーシャル機能と完全に統合されたプラットフォームを提供します。ソーシャルでやりとりする情報は、ドキュメント ファイルも含めて SharePoint 上で安全に管理、統制されています。さらに、すべてのコミュニケーションはレポーティング機能や eDiscovery 機能によって常に監視されるため、不適切なコミュニケーションの迅速な発見とともに、その抑制の効果を発揮します。

Web コンテンツ管理

SharePoint をインターネット Web サイト用インフラストラクチャーとして活用する例が増えています。スケジュールに沿ったコンテンツ発行機能やユーザー ID に基づくパーソナライゼーション、個人用サイトなどの機能を活用し、高度なマーケティング サイトの構築が可能です。

SharePoint 2013 ではさらに、ユーザー インターフェースの大幅な改善がなされています。SharePoint のサイト デザインは従来、SharePoint Designer と呼ばれる専用ツールを利用する必要がありました。SharePoint 2013 では、DreamWeaver などの一般的な Web オーサリング ツールを使ってサイト テンプレートなどのデザインが可能になっています。こうした一般的なツールを利用できる豊富なデザイナーを使って、優れたデザインのサイト作成が可能です。デバイスに応じて最適なコンテンツとインターフェースを表示するためのチャネル設定や、機械翻訳機能も搭載しています。

さらに FAST の高度な検索エンジンが完全統合されるため、Eコマース サイトなど多種多様なコンテンツを持つサイトにおいても、操作性の高いインターフェースを提供できます。たとえば、検索結果をさらに絞り込むための独自のページ リファイナーを作成したり、検索クエリーによりサイト横断で収集した情報に基づいてページを自動生成したりすることができます。これらにより、ユーザーやコンテンツ、ブラウザーごとに膨大な数のバリエーションを作成する必要がなくなり、少ない管理コストであらゆるユーザーに最適なインターフェースの提供が可能になります。

まとめ

ここまで膨大な量の情報をご紹介してきましたが、これでもまだすべてではありません。Word や PowerPoint のファイルフォーマットを自動変換するオートメーション サービスや、データベース アタッチによるコンテンツ マイグレーションなど、様々な機能追加や改善が図られています。これらの詳細情報については、製品サイ トTechNet ライブラリ などで順次公開していきますので、ぜひご参照ください。

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