日本マイクロソフトの 「テレワークの日」 実践レポートを公開

PC Watch などいくつかのメディアで取り上げていただきましたが、日本マイクロソフトでは去る3月19日を 「テレワークの日」 とし、品川本社を含む全国各地のオフィスを原則としてクローズしました。セミナーや来客など先約がある場合は出社 OK としましたので、のべ人数で 2割ほどの従業員が一度は出社したようですが、それでも大多数が自宅や出先など、オフィスではない場所で勤務をしました。ただし、今回の試みは 「テレワークができるかどうか」 を確認するためのものではありませんでした。

日本マイクロソフトでは常日頃、ノート PC 1台だけで、電話を含むすべての業務環境をどこでも再現できるようになっており、日本テレワーク協会からも、テレワーク推進賞の最高賞 を頂いているぐらいですから、技術的に困ることはほとんどないことはあらかじめ分かっていました。また諸事情あって3月11日近辺のタイミングを逸したので、正直なところ PR 効果も期待していませんでした。業務管理サイドとしては、BCP の観点としてフローの確認や、ワークライフバランス評価への影響の分析も考えていたようですが、ここで私がやりたかったのは、日常環境としてのテレワークの実践と、その結果のフィードバック収集、そしてその結果の公開でした。

ずいぶん以前から、特殊事情によるテレワークは制度として導入されていましたが、そのようにごく一部の限られた人のみがテレワークに入っている環境では、ビジネスプロセスは、集合型を前提に運営されます。そうではなく、全員がリモート環境にある中で何が起きるのか、を調べたかったのです。そのため、想定の範囲内での答えしか出ない定量的な質問項目はあまり設けず、フリー回答欄を多くしました。結果、回答者のうち 8 割以上が何らかのフリーコメントを寄せ、おもしろいものからがっかりするものまで、貴重な意見をたくさん収集することができました。その裏腹で、本当はホワイトペーパー形式での分析レポートを作成しようと思っていたのですが、想像以上にまとめるのが大変で、短期的にはギブアップしてしまいました。申し訳ありません。

その代りに、当日行われたことや、ここに至るまでのテレワークへの取り組みなども含めたジャーナル形式で、ITmedia Enterprise に記事を公開しました。ITmedia に提供した原稿の段階では 3万字を超える、5回連載の超大作ですので途中でいやになるかもしれませんが、ご関心と根気がありましたらぜひ、頭から順にご一読ください。手前味噌ですが、同じ週内に公開された3本がその週の ITmedia Enterprise 内記事のTOP 3を占めましたので、非常に関心を集めた内容だと思われます。

第1回: 実録 日本マイクロソフトが無人になった日:そして誰もいなくなった

第2回: 日本マイクロソフト品川オフィス探訪(前):フリーアドレス制が変えたワークスタイル

第3回: 日本マイクロソフト品川オフィス探訪(後):Lyncが実現する“どこでもドア”

第4回: テレワークの日 総括(前):オンライン会議は無駄を省く

第5回: テレワークの日 総括(後):テレワークが労働者のマインドを変える