Google でプライバシーは保護されるのか?

(この記事は Whymicrosoft.com に 2012 年 6 月 1 日に投稿された記事の翻訳です)

顧客リストなどの重要な機密情報は、企業にとって生命線です。企業では、このような情報を保護するため、できる限りのことをするでしょう。それにもかかわらず、ますますソーシャル化が進んでいるインターネットの世界では、情報の機密性を保つことは、検索用にすべてをインデックス化するという Google の利益に反することになります。結局のところ、Google のビジネスの 96 % が広告であり、ビジネス ユーザー向けの Google Apps SLA (サービス レベル契約) では、Google のオンライン サービスのうち 8 つのサービスのみを “Google Apps 対象サービス” としています。

Google Apps for Business では、広告をオフにして、Google の他の一部のサービスとは異なるプライバシー保護を設定できますが、ビジネス ユーザーは、多くの場合、Google の “フリーウェア” を使用していることに気付きます。ビジネス ユーザーは、他のユーザーとやり取りするために、Google+、Gmail ボイス、または Google ビデオ チャットを使用して、Google Apps に含まれていないサービスを使用したり、Google Cloud Connect を使用してタスクを実行することができますが、Google はこのプロセスで、ビジネス ユーザーに関する情報を収集し、共有しています。

実際に、Google Apps for Business Web ページの一番下にある "ポリシーと規約" のリンクをクリックすると、利用を検討しているビジネス ユーザーは直接ポリシーと原則に移動することになります。Google+ のアイコンの下には、次のように記載されています。

サービス間を簡単に横断的に使用。 新しいポリシーは、必要なときに必要なものが得られるシンプルなサービスを実現したいという Google の願いを反映したものになっています。たとえばメールを読んでいて家族の集まりを計画したくなったときや、お気に入りの動画を見つけて共有したいと思ったときなどに、 Gmail 、カレンダー、検索、 YouTube 、その他必要なサービスなら何でも、簡単に横断的にお使いいただけるようにしたいと Google では考えています」

Google が Google Apps for Businessのユーザーに提唱しているユーザー エクスペリエンスは、広告を提供するために使用できるアクティビティに関する情報を Google が収集している、Google+ や YouTube などのサービスにビジネス ユーザーを誘導するものです。

Google はユーザーのコンテンツを自由に利用できる

なぜここでこのように述べるかというと、ZDNET や、Google+ にも適用される Google の利用規約には、次のように記載されているのです。

「本サービスにユーザーがコンテンツをアップロードまたはその他の方法により提供すると、ユーザーは Google ( および Google と協働する第三者 ) に対して、そのコンテンツについて、使用、ホスト、保存、複製、変更、派生物の作成 ( たとえば、 Google が行う翻訳、変換、または、ユーザーのコンテンツが本サービスにおいてよりよく機能するような変更により生じる派生物などの作成 ) ( 公衆 ) 送信、出版、公演、上映、 ( 公開 ) 表示、および配布を行うための全世界的なライセンスを付与することになります」

Neowin の「Comparing Skydrive and Google Drive's privacy policy」(SkyDrive と Google ドライブのプライバシー ポリシーの比較) という記事には、次のように記載されています。

「重要な違いが 1 つあります。 SkyDrive では、マイクロソフトはユーザーのコンテンツを " サービスの提供に必要な範囲でのみ 使用します。つまり、製品のメンテナンスを行うために使用し、広告目的で使用するのではないということです。ユーザーが Google にコンテンツをアップロードすると、コンテンツへのアクセス権を Google に付与することになり、 Google が自由にコンテンツを利用できることになります。どちらのサービスもユーザー コンテンツの所有権を主張していない点に注意する必要があります。これは、小さいながらも重要な違いです。 Google は、ターゲットとなる広告を提供するために、既にユーザー コンテンツをさまざまな方法で利用していますが、マイクロソフトは、ユーザー コンテンツの扱いについてはユーザーが判断するという立場を取っています。ユーザーにとって望ましいのは、どちらでしょうか ? それは、個人が判断することです」

個々のビジネスについては自分で判断する

ブルームバーグは「Google May Face Further U.K. Action After FCC Privacy Report」(FCC のプライバシーに関するレポートに続き、Google が英国のさらなる法的措置に直面か) という記事で、以下のように言及しています。

「ストリート レベルのマップをユーザーに提供するために、ストリート ビュー カーで建物や住宅を撮影する際に、 Google は一線を越え、無線接続を使って人々の個人的な通信内容を収集していました」

このような活動が原因で、2 つの大陸で捜査対象となっている企業を、企業情報を託す相手として信頼することができますか?