クラウドにおいて柔軟性が重要な理由

(この記事は Whymicrosoft.com に 2012 年 4 月 4 日に投稿された記事の翻訳です)

私にとってガソリンの節約は重要です。しかし、新車を購入するとしても、電気自動車は選びません。プラグイン ハイブリッドにします。これは、一言で言うなら、柔軟性のためです。

常に私が車のバッテリーに充電できる場所にいるとは限りません。たとえ充電できなくても、立ち往生したくはありません。ガソリン エンジンをオフにして自動車を走らせられるように、ハイブリッド モードに戻せるオプションが必要です。この柔軟性が、生産性を維持するために重要なのです。

同様に、生産性を最大限に高めるために、または情報リソース資産およびコストを最適に管理するために、多くの組織には、クラウドへの柔軟なアプローチが必要になります。組織のニーズと目標は、それぞれ異なります。多くの場合、Google が提供するような「全か無か」というアプローチはまったく機能しません。

 

クラウドへのハイブリッドアプローチを選ぶ理由
Google は、企業の意向とは関係なく、一度にクラウドに移行するよう企業に求めますが、マイクロソフトはこれとは異なり、最大限の柔軟性を組織に提供します。企業は、そのすべてのアプリケーションをクラウドに移行することも、一部だけを移行することもできます。クラウドに移行するアプリケーションと自社運用を維持するアプリケーションを選択できます。また、移行は各自のペースで進めることができます。

一部の企業にとっては、クラウドへの完全な移行がビジネス上最も有効ですが、他の多くの企業にとっては、まったく有効ではありません。実際、あるクラウド コンピューティングに関する調査によると、CIO の 45% がクラウドへのハイブリッド アプローチが最善の選択だと考えています。

ハイブリッド アプローチが最適に機能するシナリオは多数あります。企業によっては、独自のペースで移行したいと考えています。組織全体に導入する前に、一部のユーザーで試験運用することを望む企業もあります。多くの組織では、既存の投資を活用しながら、新しい状況にクラウドを採用することを望んでいます。たとえば、既存のシステムを総入れ替えすることなく、現場作業員に IT を利用させる安価な方法としてクラウドを使用する場合もあります。あるいは、企業を買収したときに、新しい企業を統合するコスト効率の高い方法として、クラウドを採用する場合もあります。

自社運用環境から物理的に離れているリモート
ユーザーに対するサービスを改善するために、クラウドを使用する場合もあります。また、複雑な法的要件を抱える企業では、一部のアプリケーションにはクラウドを活用しながら、その他のアプリケーションはコンプライアンスやセキュリティのニーズを満たすために自社運用を維持することもあります。

 

現場スタッフに最新のテクノロジを提供
例として、ローム市を取り上げます。ジョージア州北西部に位置するこの市では、クラウドを使用して、電子メールを警察および消防士に配信しながら、他の職員には自社運用の Microsoft
Exchange でサービスを提供することを希望していました。市の IT グループは、現場スタッフへの Microsoft Office 365 の導入が、新たにネットワーク接続を構築するよりも簡単であると判断しました。さらに、ホストされているソリューションの Web ベースのインターフェイスは柔軟性に富んでいるため、現場作業者は自身の電子メール アカウントを確認するモバイル デバイスを選択できます。市の情報技術責任者の Johnny Bunch 氏は次のように述べています。「このハイブリッド ソリューションは、ローム市の環境にぴったり合っているので申し分ありませんでした」

Office 365 を少人数のユーザーに導入することにより、ローム市は、組織全体にクラウド ベースのサービスを導入する前に評価を行うことができました。「ユーザーのスキル、データの漏えい、その他の法的な問題に対する不安のため、アプローチには非常に慎重になっていました」と Bunch 氏は述べています。「クラウド ベースのシステムを市全体に展開すると決めた場合に、どのような問題がクラウド環境で発生するか、またこれらの問題をどのように処理すればよいかを調べる必要がありました。どのような事態になるかを把握したかったのです」

 

買収した企業の統合
MedcoEnergi Internasional 社は、さまざま理由からハイブリッド アプローチを選びました。同社は、インドネシアに本社を構える総合エネルギー企業であり、小規模企業の売買を繰り返しています。同社は、本社では Microsoft Exchange、SharePoint Server、および Lync Server の自社運用展開を維持し、新しい企業を買収したときに新しい従業員をそのメッセージングおよび共同作業ソリューションに移行するための簡単な方法を作り出す必要がありました。

Office 365 を利用することで、MedcoEnergi 社は、その既存のインフラストラクチャから利益を手にし続けながら、管理コストを削減できました。「当社の拠点の多くで、Exchange Server を稼働している自社運用サーバーを完全になくした結果、管理作業が大幅に減りました」と、MedcoEnergi Internasional 社のインフラストラクチャ サービス担当マネージャーである Cecep Saefudin 氏は述べています。「それだけではありません。新しい企業を買収したときに、その場所にハードウェアを追加して展開しなくて済みます」

 

一部のアプリケーションを自社運用で、その他はクラウドでホストする
スカンジナビアの食品、エネルギー、農業の分野で最大グループの 1 つであるLantmännen 社は、スウェーデン人の農場主によって所有され、10,000 人以上の従業員を抱えています。同社は、従業員のコミュニケーションの標準化を進める一環として、メッセージング、コミュニケーション、および共同作業をクラウド ベースのソリューションに移行させることで、コストを削減する必要がありました。同社は Office 365 を選びました。

従業員のそれぞれのニーズを見てみると、一部の従業員にはクラウド内のアプリケーションを介して、一部の従業員には自社運用のアプリケーションで、適切にサービスを提供できることがわかりました。「チーム サイトの一部をクラウドに移行する予定ですが、複雑な用途には自社運用の SharePoint Server の使用を続けます」と、エンドユーザー サービス担当サービス マネージャーの Linda Westerback-Litzén 氏は述べています。

同グループは、段階的な実装も選択しました。「さまざまな組織からさまざまな従業員を移行させる必要があるので、まず最大規模の従業員用メールボックスを移行します。こうすることで移行の経験を積むことができ、残りの従業員を移行する最善の方法がわかります」とWesterback-Litzén 氏は述べています。

現代建築家のAnthony Lawlor 氏は、「柔軟性とは、水が表しているように生命のしるしであり、反対に、硬直化は死を示している」と言っています。マイクロソフトには、硬直化も、テクノロジの究極の選択もありません。代わりに、皆さんは広範なクラウド サービスで柔軟性を得ることができ、組織に最も適したサービスを判断することができます。