サービス稼働率 ー 数字の裏を読む


(この記事は Whymicrosoft.com に 2011 年 12 月 22 日に投稿された記事の翻訳です)

Office 365 プロダクト マネージャーの Kumar Venkateswar は、さまざまな Office 365 の高可用性機能や、Office 365 のサービス稼働率への取り組みについて説明しています。クラウド サービスの稼働率は話題になり、お客様にとってもきわめて重要なものですが、クラウド サービスを選択し使用しているお客様はこの稼働率についてもっとよく知りたいと思うでしょう。それゆえ、Office 365 サービスに関するドキュメントと「Google Apps SLA (サービス レベル契約)」から抜粋してこの投稿を作成しました。Microsoft Office 365 と Google Apps はどちらも 99.9% の稼働率の実現に向けて努力していますが、Google の取り組み方はお客様の観点からかけ離れています。実際に、クラウド サービスの稼働率を考える上での重要な基準は 7 つあります。

 

1. 問題の影響を受けるユーザーの割合

Google Apps のサービス レベル契約は、サービスの問題があるかどうかを決定するものです。つまり、問題であると見なされるためには、その問題が Google クライアントのユーザーの少なくとも 5% に影響を及ぼす必要があります。Google Apps の問題のうち、5% 以上のクライアントのユーザーに影響が及んでいないために、Google の稼働率の計算に加味されないものがどのくらいあるのでしょうか。これは Google が定期メンテナンスによるダウンタイムを都合よく隠すための手法でしょうか。

マイクロソフトのサービス レベル契約では、1 人のユーザーに影響が及んでいる場合、クライアントの問題があると見なします。これは、Office 365 とそれぞれのマイクロソフトのオンライン サービスにも該当します。さらに、マイクロソフトは Office 365 のメンテナンスが予定されていれば、明確にお伝えしています。お客様は何が問題であるのかを決定し、メンテナンスによるダウンタイムがいつ生じるのかを把握できることを高く評価しています。

2. 稼働率の計算に利用されている顧客

Google はそのコンシューマー ユーザーと電子メール サービス ユーザーを、Google Apps for Business Gmail ユーザーの稼働率計算に含めています。これにより、Gmail の稼働率計算の結果は、それが含まれない場合よりも高い値になっています。

Gmail の稼働率 (%) = コンシューマー ユーザーが利用可能な時間 + ビジネス ユーザーが利用可能な時間  X 100
                                                                           合計時間数 

Exchange Online の稼働率 (%) =   Exchange Online をお客様が利用可能な時間  X 100
                                                                         合計時間数

Google Apps のユーザーは 4 千万人ですが、2011 年 10 月の時点で 7 年目になる Gmail サービスのコンシューマー ユーザーは 2 億 6 千万人に上ります。Google は、ユーザー数が 4 千万人であるサービスの稼働率を計算するための基礎として 3 億のユーザーを利用しています。コンシューマー向け Gmail が利用可能な状態であれば、企業向け Gmail と Exchange Online が月単位で 724 時間のうち 30 分間利用不可能になっていても、計算式は次のようになります。

Gmail の稼働率 (%) = (724 X 260)/300 + (723.5 X 40)/300  X 100 =  99.99%
                                                     724

Exchange Online の稼働率 (%) = 723.5 X 100 = 99.93%
                                                 724

Google がすべての Gmail ユーザーを含めてダウンタイムを調整しなければ、Gmail の稼働率は 99.93% となり、Exchange Online の稼働率と等しくなります。Google は稼働率が高く見えるように計算を操作しています。

3. 稼働率計算に反映されるサービス

Microsoft Exchange Online には Gmail で提供される以上の機能があります。Google が機能でこれに追いつくためには、Gmail、Google カレンダー、Google コンタクト、Google グループ、Google タスク、および Postini が必要になります。その上、Google カレンダーの停止が発生したとしても、Gmail  の稼働率計算に加味されません。Google コンタクトの停止が発生しても、Gmail の稼働率を左右することはありません。購入する場合はご用心ください。Gmail が主張する 2011 年の 99.99% という稼働率は、電子メールのみを対象とするもので、ユーザーが併用する機能は対象として含まれません。Gmail の稼働率は、Google Apps の全体的なパフォーマンスを測定する基準になるのでしょうか。私はそうは思いません。

4. サービス レベル契約の対象となるクラウド サービスの数

Office 365 サービス レベル契約は、SharePoint Online、Outlook Web Applications、Exchange Online、および Lync Online を含むオンライン スイート全体を対象としています。サービスのいずれかのコンポーネントでお客様に問題が発生した場合、マイクロソフトは、マイクロソフト オンライン サービスのサービス レベル契約の条件に基づいて問題に対処します。

Google Apps ユーザーが Labs 機能、Google ボイス、Google+ ハングアウト、Google タスクなどを利用するサービスに関する問題に直面しても、これらの機能の問題は Google Apps の 99.9% の稼働保証の対象になっていません。このような機能の高可用性が重要である場合、お客様はリスクにさらされます。-- Google の顧客は、カスタマー ヘルプ センターを通じてしか、これらのサービスのテクニカル サポートを受けることはできません。

5. 広範なプロダイバーにわたるクラウド サービスの停止回数

興味深いことに、Google、マイクロソフト、および Amazon の稼働率実績はこれらのすべてで停止が発生しており、前途に問題があることを示しています。CNET の 2011 年 9 月 9 日の記事では、以下のようにまとめられています。

「マイクロソフトに限ったことではないのは確かだ。Google でも大量のダウンタイムが発生していた。つい先だっての水曜日に、約 30 分間 Google Docs がダウンした。5 月には、ほぼ丸一日同社の Blogger サービスが利用できなかった。2009 年には、世界中で Google サービスのホストの一時的なダウンが発生した。先月上旬には、ほぼ一日中、世界中の多数の Yahoo メール ユーザーがサービスにアクセスできなかった。Amazon でもこの 1 年間に Elastic Compute Cloud (EC2) サービスで停止が発生していた。このサービスは多くの主要企業の Web サイトをホストしている。4 月に発生した停止により、Quora、Reddit などの顧客に影響が及んだ。先月発生したもう 1 つの停止では Netflix、Foursquare、Quora、Reddit がオフラインになった」

6. プロバイダーがクラウドの提供のために投資している資金の額

マイクロソフトは 2011 年、同社の研究開発費 96 億ドルの 90% をクラウド戦略に注ぎ込んでいます。マイクロソフトは適切なインフラストラクチャを整備し、可用性強化のために尽力しています。結局のところ、お客様へのサービス提供における 30 年の経験と、データ センター サービスの提供における 22 年の経験を活かし、さらにマイクロソフトは世界中に分散しているデータセンター インフラストラクチャに投資しています。他社が同レベルの専門知識を得るにはある程度の時間がかかるでしょう。一方、Office 365 を利用し始めた有名なサービス会社が当社のサービスを使い始めたのも、このような投資であると言えるでしょう。

 

「Office 365 環境の管理をマイクロソフトに任せたことで当社の IT リソースが解放されたため、他の業務分野により積極的に取り組むことができます。[マイクロソフトの] インフラストラクチャの回復力は、多額の投資なしには会社が単独で実現できるようなものではありません」

--The Hongkong and Shanghai Hotels Limited、IT 担当ゼネラル マネージャー Shane Izaks 氏

7. 生産性の低下に対するお客様への賠償の金額とタイミング

Google Apps の顧客の 5% 以上のユーザーに対する月間の稼働率が 99.9% を下回った場合、このような顧客は 3 日を契約期間に上乗せされる形で、10% のサービス クレジットを受け取ります。Office 365 のお客様は、万一月間稼働時間が 99.9% を下回った場合には、影響を受けたユーザーが何人であっても、マイクロソフトから月額の 25% の返金を受け取ります。さらに、マイクロソフトと Google はどちらも稼働率の 99% と 95% の段階でそれぞれに賠償を行います。ここに詳細を記すことはしませんが、賠償はそれぞれにサービスの延長と返金という形を取ります。

停止の発生時に生産性の低下に対する賠償として、マイクロソフトのお客様は翌月中に十分な返金を受けられることを高く評価していると思われます。一方、Google の場合、翌年になってから、返金のない比較的十分と言えないサービス期間の延長を受けることになります。

はっきりしているのは、サービスの稼働率を計算し、稼働率に関する考慮事項に取り組むマイクロソフトの手法は、マイクロソフトが Office 365 のお客様を重んじていることを示しているということです。マイクロソフトの責任のある返金という方法は、強力なサービスの可用性を提供するための努力を表しています。

 

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