Office 365って何? Office 2010の後継? XBox360の親戚?

“ビジネスプロダクティビティ製品チーム”でMicrosoft Office 365 を担当しております米田です。秋は「食欲の秋」、「運動の秋」、「読書の秋」などと言いますが、我々IT業界にとっては「イベントの秋」でもあります。秋は毎週のように大きなイベントが目白押しです。私も先月末に行われた「The Microsoft Conference 2011」や先週東京ビッグサイトで開催された「ITpro EXPO 2011」などで大勢のお客様とお話をさせていただきました。

トピックとしての「クラウド」は相変わらず大変な盛況ぶりでした。我々が出展した「Microsoft Office 365」も皆様に大変多くの反響をいただきました。そんな中で、「Office 365ってどういうサービスなの?普通のOfficeと何が違うの?」というご質問を大変多くいただきましたので、今回はOffice 365のサービスの内容と、「Office」と名前がつく製品群の中での位置づけをわかりやすく解説したいと思います。

 

Office 365はOffice 2010の後継製品ではない
まず「Office 365」は「Office 2010」をはじめとするOfficeクライアントの後継製品という位置づけでも、Xbox 360の親戚という位置づけでもありません。Officeは、古くは「Microsoft Office 4.x」とバージョン表記、そのあとは年号で「Office 95」「Office 97」と2桁の数字で表記され、2000年以降は「Office 2000」「Office 2003」「Office 2007」「Office 2010」と、eXPeriential マーケティングがはやった時代のOffice XP (=2002相当)を除くと4ケタの数字表記になっています。

「Office 365」の「365」はバージョンや年号と同じ場所についていますが、バージョンを表す数字ではありません。これは「Officeを使って365日、いつでもどこからでも仕事ができる」ということを表しています。Office 365は、最新バージョンのOffice (2011年10月現在はOffice 2010) をフロントエンドに利用して、バックエンドに専用のクラウドを使えるようになることで、単なるデスクトップ文房具ではなく、コミュニケーションや共同作業をいつでも様々な場所から様々なデバイスを通して行えるようになることを目指しています。Office 365 はフロントエンドのクライアントとバックエンドのクラウドを組み合わせた全体の仕組みのことをさしています。以下の図が、この仕組みを端的に表しています。
  

ちなみに、この仕組み自体は、いままでも大企業であればクラウドにあたる部分を自社でサーバー (Exchange Server、SharePoint Server、Lync Server) を構築することで実現することができました。クラウドになることで、いままでサーバー構築が費用や管理工数上難しかった中小企業のお客様にも同じ機能をご利用いただけるようになったわけです。この規模のお客様は、サーバーで構築するよりもコストが約70%程度低くなる場合もあるなど、コスト上のメリットが特に大きくなります。

 

Office 365の構成要素と特長
Office 365を構成する部品は以下の通りです。

  • Office Professional Plus: フロントエンドに利用するOfficeクライアントです。Office 365の中には、企業向けの最上位エディションであるOffice Professional Plusをユーザー単位の月額料金で利用できるサービスが含まれています。Office 365はOffice 2007以降のソフトウェアをお持ちであればクライアントから使うことができますが、それをお持ちでない場合は、この月額課金サービスを利用するのもひとつのオプションとなります。特に、短期の利用、ユーザーの増減が激しい場合、海外拠点でライセンス管理が大変な場合などに、サービスの形態でOfficeを利用するとメリットがあります。
  • Exchange Online: 標準で25GBの大容量メールボックスを持つのが特長のメールと予定表の共有サービスです。Officeに含まれるOutlookからはもちろんのこと、Internet Explorer、FireFox、Safariなどの主要なブラウザー、Windows Phone、iPhone、iPad、Androidなどのスマートフォンからも利用することが可能です。メールボックスはクラウド上にあるため、複数の方法でアクセスを行っても、常に同じデータが表示されます。
  • SharePoint Online: クラウド上のファイル共有スペースおよび掲示板などの機能を備えた情報共有ポータルです。ここに置いたOfficeファイルはOffice Web Appsと呼ばれるWeb版のOfficeで閲覧が可能です。上位のプランを購入すると簡単な編集も可能になります。
  • Lync Online: プレゼンス情報という在席状況をアイコンの色で示す仕組みをOutlookやSharePointなどの各アプリケーションに提供したり、短文メッセージや音声・映像を交えたオンライン会議をPCで行うことができる仕組みです。デスクトップを複数人で共有して遠隔地からも隣にいるかのような雰囲気で会議を行うことができます。プレゼンスは、何かあった時の安否確認にも使うことができます。

 イベントでは、よくお客様に「Office 365の特長は一言でいうとなんなの?」と聞かれました。その時には私は「使いなれたOfficeクライアントからクラウドをつかえてしまうという使い勝手の良さが最大の特長である」と答えています。クラウドというと、ブラウザーから使うものであると考えている人もいらっしゃるようですが、クラウドはデータを格納するバックエンドの仕組みであり、ユーザーが操作をするフロントエンド側がブラウザーである必要があるわけではありません。フロントエンド側はむしろ、状況によってPCのソフトウェアやスマートフォンであってもよいのです。その場に応じたフロントエンドを使い分けることにより、作業の効率が最大化されます。

 

無償で体感することでより具体的に理解できます
クラウドのサービスを比較するときには、ともすると単純に機能ベースの比較表の○×で比較してしまいがちですが、導入後の使い勝手は機能の○×だけではなかなかわからないものです。私も複数のクラウドサービスを扱っている販売店の方からもお話を聞くことがあるのですが、単純に価格と機能○×だけで決めてしまったが実際の使い勝手が想像以上に悪く苦労されているお客様もいらっしゃるようです。そのようにならないためには、やはり百聞は一見にしかず、購入前に実際に使い勝手を確かめてみることをお勧めします。

Office 365も30日間の無償トライアルを実施しています。簡単な4つのステップで3分程度のお時間ですぐに登録ができますので、お手元に名刺情報と電子メールアドレスをご用意の上、以下のリンクからご登録ください。(トライアルは小規模企業向けプランPと通常版プランEの2種類あります。)

手順の概要は以下の資料をご覧ください。