パブリック クラウドに移行する理由


(この記事は Whymicrosoft.com に 2011 年 5 月 12 日に投稿された記事の翻訳です)

シアトルに住んでいると、窓の外に目をやるだけで、目を見張るようなさまざまな形の雲を目にすることができます。企業はどんどん自分たちのクラウドを準備しています。Office 365 のような中核となる生産性向上アプリケーションだけでなく、特別な業務用途に使用する他の多くのアプリケーションをパブリック クラウドで利用できます。つまり、これらのアプリケーションはファイアウォールの外側にあり、Web 経由でアクセスできるのです。組織はなぜ、アプリケーションをパブリック クラウドに移行したり、パブリック クラウドに移行するアプリケーションに優先順位を付けたりしているのでしょうか? パブリック クラウドの導入の選択について理解するために、企業が従来の自社運用ソフトウェアを維持する理由、プライベート クラウドを使用する理由、プライベート クラウドとパブリック クラウドの両方のアプリケーションをハイブリッドで使用する理由を考えてみましょう。

 

従来の自社運用アプリケーションを使用する理由
企業、非営利団体、および教育機関の多くが、一定数の「順調に動いている」アプリケーションを所有しています。これらの組織では、ユーザーは、アプリケーションに満足し、熱中しています。現在のソフトウェア ライセンス契約はまだ有効です。また、このようなアプリケーションを直接サポートしている IT インフラストラクチャへの投資は、会計部門が適切に償却しています。多くの場合、このようなソリューションによって、ビジネスに不可欠な情報や、現場で使用しているカスタマイズされたソフトウェアが、最大限のセキュリティと信頼性で維持されます。このような組織は良い条件に恵まれているため、特定のアプリケーションを Web パラダイムに移行するという当面の計画はありません。このソフトウェアは、ユーザーと企業の期待に応えています。また、最先端の革新的なソフトウェアである可能性もあります。

 

プライベート クラウドを導入する理由
企業と組織の多くが、サーバーの仮想化によりファイアウォールの内側でアプリケーションを維持し、ハードウェアの使用を最適化し、Web 上で従業員、パートナー、顧客にアプリケーションを提供しています。これらの組織には、どこからでもアクセスできるビジネス アプリケーションを実現し、セキュリティを確保することに意欲的な、有能な IT チームやシステム統合パートナーが存在します。また、次のような優先順位を設定している組織もあります。

  • パブリック クラウド アプリケーションに関する情報セキュリティのベスト プラクティスについて、または最新のアプリケーションの機能やテクノロジについて学習する時間の確保
  • サーバーやストレージなどの資本資産の償却に関する財政的関心
  • 社内で開発および保守を行っているアプリケーション (知的財産であるか、または業務に特化したアプリケーション)
  • 個人を特定する情報や機密性の高い記録など、情報のプライバシーに関する規制上の制約または社内のビジネス ポリシー

プライベート クラウドを導入することで、企業はパブリック クラウド コンピューティングがもたらす多くのメリット (セルフサービス、スケーラビリティ、柔軟性など) を活用できます。さらに、専用のリソースによって追加のコントロールとカスタマイズを利用することもできます。

 

パブリック クラウドを選択する理由
これは、私が今夢中になっているテーマです。その理由の一つとして、組織や企業がパブリック クラウドについて計画し使用しているのには、非常に多くの理由があることがわかったからです。パブリック クラウドを利用することで、企業はコストを削減しています。また、IT を利用した日常業務はさまざまな点で改善されています。

 

さらなる生産性向上の追求
最近では、ベビーブーム世代、X 世代、および新世紀世代の多世代で構成される職場が、IT によって実現しています。テクノロジに関して言えば、世代によって作業スタイルは異なります。Office 365 のようなアプリケーションでは、ユニファイド メッセージング、プレゼンス、オンライン会議、ユニファイド コミュニケーション、予定表、および電子メールの操作を多様な方法で実行できます。パブリック クラウド アプリケーションを使用すると、企業の IT スタッフは資産およびクラウド アプリケーションに関して最適な ROI を得ることができます。また、IT 作業者は、サーバーやストレージのインフラストラクチャに対する日々の保守作業やトラブルシューティングに費やす時間を短縮できます。パブリック クラウドを導入している企業の IT スタッフは、時間をかけずに、技術的な課題を取り除き、従業員が思いのままに作業できる環境を実現できます。これが、生産性の向上につながるのです。たとえば、従業員のためにモバイル インターフェイスを最適化することに重点を置き、ユニファイド コミュニケーションやユニファイド メッセージングを使用した円滑な共同作業を実現することができます。

 

動的な IT とコストの削減
クラウド アプリケーションを使用すると、ソフトウェア需要の急増に対処できます。企業の総勘定元帳アプリケーションの使用は、月末に向けてピークを迎える可能性があります。同時に給与計算アプリケーションの使用がピークを迎え、さらに、営業拠点で予測を発表すると、営業支援システム ツールの使用も急増します。クラウドの導入によって、ピーク時およびオフピーク時にも最大限の処理能力を利用できます。また、負荷が最大となる期間に合わせて自社のハードウェアを購入する必要がなくなるため、コストを削減できます。

さらに、コストのかかるサーバー導入や時間のかかるサーバー保守に頭を悩ませる必要はありません。経費を抑えながら、データセンターによる環境への影響を和らげることは、難しい課題です。パブリック クラウドを利用すれば、IT 部門は環境フットプリントを削減できると同時に、コストを抑えて最新のテクノロジを実装できます。

 

技術革新
企業では最新のソフトウェアを使用したいと考えています。また、テクノロジや生産性ツールについて、顧客や従業員に自社のビジネスが最新であると思わせることも必要です。マイクロソフトは、エンタープライズ レベルのセキュリティ、返金制度のある 99.9% の信頼性、必要に応じて規模を拡大/縮小できるアプリケーションやツール、およびお客様のビジネス ニーズに最も適したサービスを提供します。特に Office 365 は、パブリック クラウド アプリケーションとして、最新のセキュリティ更新プログラムの保持やバックエンド システムのアップグレードなどの日常的な IT 管理作業の負担を減らしてくれます。Office 365 を使用すれば、IT スタッフはユーザー管理およびサービス構成の制御を維持できるため、自社のビジネス手法に合うようにサービスを調整できます。

 

パブリック クラウドとプライベート クラウドのハイブリッド環境を利用する理由
たとえば病院では、最高インフラ責任者には、患者のきわめて私的な個人情報を保護する責任があります。このような個人情報には、患者の病歴、過去の治療歴、健康状態、臓器提供の意思、個人的な遺言の存在、請求書、身元を特定する情報などがあります。また、特殊医療、実績、患者の利用できる設備、認可、一般人にも非常に関係のある医療業務および地域サービスに関する情報も管理します。このような地域関連の情報に限って言えば、患者の個人的な情報ではありません。

この場合、ビジネス アプリケーションのニーズは「パブリック」または「プライベート」にきちんと対応することであり、この組織はクラウド コンピューティングへのハイブリッド アプローチによりメリットを得ることができます。機密データとアプリケーションをファイアウォールの内側で保持する際に、Web サイトのホスティングと公開や外部の募金活動の管理を行うアプリケーションを使用すると、パブリック クラウドのメリットを得ることができる可能性があります。

 

クラウドの構築
クラウドを活用する第 1 段階、または第 2 段階の準備ができているとします。まず、ユーザーが必要な機能セットを確認し、利用可能なクラウド ソリューションとの対応付けを開始します。規制やプライバシー ポリシーなど、アプリケーションが社内で最適な状態に保持されていると考えられる要因を特定します。業務用にカスタマイズする必要のあるアプリケーションがあるか、およびそのアプリケーションを変換して社内で保持したいかを考えます。

次に、移動可能な主要な機能セットをクラウドに移行した企業の事例を検討します。アプリケーションをクラウドに移行すると、コストを削減できます。予算の優先順位と配分を考えます。IT コストの削減と ROI を評価します。最後に、アプリケーションをクラウドに移行することによって可能になる、ライセンス取得を合理化する方法と導入バックログを削減する方法を考えます。

今週、レーニア山を地平線上に見ながら、ルート  520 を通って通勤しているときのことでした。一筋の雲が、両側を青い空に囲まれて、白いリボンのようにハイウェイを流れてゆきました。過去 120 年間で最も寒い 4 月が終われば、シアトルにも春がやってきます。皆様のクラウド構築が成功することを願っています。

Skip to main content