クラウド コンピューティングの現在と未来を支えるマイクロソフトのクラウド サービス

ビジネス プロダクティビティとクラウド コンピューティング

「プロダクティビティ」という言葉は多義的ですが、便利な言葉でもあります。会社や組織の競争力を高めるためには、戦略的判断も大切でしょうが、個々人の仕事の効率や創造性を高めることもとても重要です。

クラウド コンピューティングの普及と発展は、こうしたプロダクティビティの向上に対して 2 つの大きな影響があるものです。1 つは、経営戦略という視点から見ると「コスト センター」となっていた IT の管理業務を削減し、より戦略に沿った IT
活用を実現することを可能にしているという点です。もう 1 つは、「マルチ テナント」というクラウド コンピューティングの特徴を活かして、これまで利用できなかった幅広い層にまで、最新のビジネス向けに設計された情報システムを利用できるようにした点が挙げられます。

総じてクラウド コンピューティングは、情報システムの利用環境を急速に変え、「プロダクティビティ」の次元を数段ステップアップする可能性を秘めていると言っても過言ではなく、だからこそ単なる流行を超えた広がりをもたらしいているものと思われます。

 

クラウド コンピューティングにおけるマイクロソフトの実績

クラウド コンピューティングにおけるマイクロソフトの実績は実は大変長いものがあります。クラウドというと Google という名前を思い浮かべる方も多いですが、Google が設立されるよりも前から、Hotmail というクラウド メール サービスを提供しています。現在、Hotmail は容量無制限でたいへん使いやすい、パーソナルなご利用に最適なメール サービスとなっています。

ビジネス向けのクラウド サービスの先駆けになったのは、Office Live Meeting という Web 会議を実現するサービスです。それは、Gmail のサービス提供よりも早い時期です。

このように、マイクロソフトのクラウド コンピューティングへの取り組みは、大変長い歴史と実績を持つものであり、決して後発で始めたものではない点をご理解いただきたく思います。

 

ビジネス向けクラウド コンピューティング : Microsoft Online Services

マイクロソフトのクラウド コンピューティングに対する考え方の 1 つの特徴は、パーソナルな利用とビジネスでの利用とでは、必要な要件がかなり異なる、という前提を持っていることです。セキュリティ上必要な管理要件も異なれば、求められる可用性のレベルも異なるでしょう。したがって、マイクロソフトでは、ビジネス向けサービスを提供するデータ センター運営についても、パーソナル クラウド サービスの運営ノウハウを活かしながら、ビジネス向けに特化した要件のもと行われております。

現在、マイクロソフトのクラウド サービスの中核を担っているサービスの 1 つが、Microsoft Online Services というグループウェア機能を提供するサービスです。

このサービスは、4 つのサービス コンポーネントから構成されています。電子メールや予定管理、タスク管理などを提供する Exchange Online、組織のための情報共有基盤を提供する SharePoint Online、プレゼンスやインスタント メッセージングというリアルタイム コミュニケーションを実現する Office Communications Server、同じくリアルタイム コミュニケーションを Web 会議などの形で実現する Office Live Meeting です。

 

マイクロソフトのクラウド コンピューティングの特徴

さて、これらのマイクロソフト クラウド サービスの特徴ですが、何よりもリッチ クライアントとしての Microsoft Office との親和性が高いということです。

時折クラウド コンピューティングはブラウザだけで利用するもの、という誤解のある表現を見かけますが、決してそのようなことはありません。クラウド コンピューティングとは、インターネットの向こう側から提供されるサービスを、必要なときに必要なだけ利用して、それに応じて利用料を支払う、というものが最も基本的な定義と考えています。実際の課金形態は、利用時間に応じて支払いが発生する場合、ユーザー単位の月額課金の場合、などさまざまなものがあります。ただ、共通しているのは、情報システムを所有することなく、提供されるサービスを購入するという点です。

サービスのユーザーがそのインターフェイスとしてブラウザを利用するにしても、リッチ クライアントを利用するにしても、それはユーザーの選択次第である、という点がポイントです。

ブラウザだけの環境が適していると判断されている場合はその環境を、リッチ クライアントと併せて利用した方が使いやすい、という判断があればその環境を、それぞれのユーザーのご希望に合わせて提供できるのがマイクロソフトのクラウド
コンピューティングの大きなメリットです。

特に、皆様が普段利用され、使い慣れている Microsoft Office をフロント エンドのインターフェイスとしてご利用いただくことで実現する利便性は、高い効率を実現し、コア業務への集中による効果を生み出すはずです。

もちろん、ほとんどのスマートフォンに対応していますし、パートナー様のソリューションを利用すれば、一般携帯での利用も可能になります。

こうした数々の優れた特徴を持つマイクロソフトのクラウド サービスについて、各回テーマを定め、順次ご紹介をしていきます。