Microsoft Lync 2010 次世代のコミュニケーション – VoIP


電話を IT として管理、運用する価値

電話は、面前にいない相手と音声を交換する手段であり、最も普及した ICT と言えますが、長らく他の IT システムとは独立した存在でした。デスクや会議室と同様のファシリティとして扱われ、その上を流れるコンテンツの統制や効率化は考慮されていません。しかし近年、デスクのフリー アドレス化や危機管理やグリーン IT の観点からのテレワークの検討など、従業員のワーク スタイルは確実に変化しつつあります。いつ、どこにいても、オフィスと同じ生産性と安全性、管理性を維持できる IT 環境が求められつつあり、電話もまた例外ではありません。

利用者視点での電話システムの問題点は、電話を掛けてみなければ相手の状況がわからないことです。相手の作業の集中力を邪魔するかもしれません。電話に出てもらえない場合、席にいないのか、携帯なら電車移動中なのか商談中か、それとも無視されているのかもわかりません。このような不安が電話を掛けることを躊躇させ、「Microsoft Lync 2010 次世代のコミュニケーション – IM 」でご紹介のような、電子メールのオーバー ロードを招くのです。

管理者視点でも、電話システムが独立した管理性の低いインフラであることが問題です。コンピューター  ネットワークでは通常、終端である PC やサーバー、プリンターなどのデバイスは、アドレスで管理されます。またそれらのデバイスや、その利用者であるユーザーは、Active Directory などにより中央で集中管理されます。そのため、ユーザー単位で機能のオン、オフやアクセス権などを自由に制御できます。またデバイスは場所に縛られずにどこでも接続できますし、ユーザーもデバイスに縛られずにどのデバイスでも自分の ID でログイン可能です。

一方の電話ネットワークは、電話機によるピア ツー ピアの音声伝送路です。外部との通信はもちろんキャリアに依存、構内回線は多くの場合 PBX ハードウェアで制御しますが、元来音声通話の接続制御であり、中央での終端のコントロール性は高くありません。ユーザーの概念はなく、電話番号という回線の ID で制御されるため、電話は場所に縛られ、ユーザー単位のアクセス制御もできません。そのため座席変更により人が移動する場合、回線も移動しなければならないのです。また当然、電話回線のメンテナンスは LAN との二重投資になります。主にハードウェアで実現される構内交換網の設備および保守費用は非常に高額です。電話回線は IP ネットワークに比べて、非常に非効率なインフラです。

 

Microsoft Lync が提供する多彩で使いやすい VoIP 電話

Microsoft Lync の VoIP 電話機能は、これら電話システム特有の問題点を解消します。Lync では、これまでご紹介してきたような、プレゼンスや IM、会議、および電子メールなどのコミュニケーション手段が 1 つのインターフェイスに統合されています。

 

 

利用者視点では、「Microsoft Lync 2010 次世代のコミュニケーション – プレゼンス 」でご紹介したように、プレゼンス情報により相手の状況を事前に把握、ワンクリックで電話を掛けることができます。電話番号による発信もできますが、AD で認証された相手なら、人の名前や部門名、得意分野などで相手を検索して発信できます。電話番号ではなく人そのものに対してコンタクトするため、相手がどこにいても、どんなデバイスを使っていても、確実にコミュニケーションできます。電話では十分な目的が果たせなくなったら、そのセッションのままビデオ チャットに移行したり、ファイルやアプリケーションを共有したりできます。また、Outlook などの Office アプリケーションや SharePoint といった、現在利用中のアプリケーションからも直接プレゼンスを確認、発信できるため、作業や思考を邪魔しません。いっせい呼び出し、パーク保留やグループ ピックアップなど、日本企業で多用される機能も搭載しており、VoIP 電話単体としても十分な機能を備えています。

管理者視点では、電話機を IT デバイスとして扱える大きな利点があります。Lync 2010 がソフトフォンとして稼働する PC だけでなく、PC がなくてもスタンド アロンで動作する IP 電話デバイスもまた AD で統制できます。これらの電話機はネットワークのどこでも接続するだけで使用でき、物理回線を意識する必要がありません。利用者はこれらの電話機にユーザー ID を使ってログインすれば、自分の電話として発着信でき、その挙動やアクセス権はユーザー単位で中央から統制されます。

またデータ センターやブランチ (支社) の耐障害性機構による通信回線の多重化や、帯域監視と通話品質の自動調整など、可用性のためのさまざまな機構が備わっています。さらに、ソフトウェア PBX 機能も搭載、既存 PBX との組み合わせによる展開だけでなく、PBX そのものを代替することもできます。これらにより、安全で統制のとれた電話システムを、低コストで運用できるようになります。

Lync は、長らく人の声の交換するための伝送路であることだけに特化してきた電話の意義を、大きく変えます。電話が、プレゼンス、IM や会議などのマルチメディア通信により拡張され、そこに IT のパワーが追加されることで、新時代のワーク
スタイルにマッチした、よりスピーディで、より確実、濃密な情報交換が、いつでも、どこでも、だれとでも可能になるのです。

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