フローチャートや座席表などのビジネス図表を Web 化して共有

できること

Visio 2010 を使って作成したフローチャートやマーケティング図、分析図、座席表などの図表 (ダイアグラム) を、Visio を持たない利用者に対しても、簡単にブラウザー上で共有することができます。

 

解決したい課題

PowerPoint や Word などよりも簡単かつ高度に、フローチャートなどのビジネス図を作成できる Visio は、この分野における定番ツールになっています。様々なステンシル (図を構成するパーツ) が搭載されている Visio は、それら標準パーツの組み合わせで出来上がるような様々なダイアグラムを作成するのに大変便利です。フローチャートの作成はその 1 つですが、アセンブリ図面や電子回路などのエンジニアリング図表、UML モデル図や DFD などの IT 系図表、フロア図や道路地図などのマップ図表、TQM やマインドマップなどのビジネス図表など、様々な形式の図表作成に対応しています。図表をデータベースと連携させ、ステンシルに色やデータを出力したり、多次元データベースをツリー構造で視覚的に表現しドリルダウン分析したりすることもできます。また、ステンシルをクリックしたときに画面を切り替えたり、データベースと連携して特定の動作をさせたりすることなども可能です。

 

しかし、Visio がインストールされたデスクトップは、Word や Excel、PowerPoint などと比べるとまだまだ少なく、せっかくの高度なダイアグラムも、共有は簡単ではありません。JPEG や TIFF などの通常のピクチャーファイル、あるいは SVG (スケーラブル ベクター グラフィックス) といった拡大表示にも十分に耐えうる形式のファイルとして保存することで、ブラウザーでも共有可能になりますが、すべてが一旦ピクチャーに変換されるため、共有している図を編集したり、ステンシルのクリックにより画面を切り替えたりすることはできません。Visio Viewer と呼ばれるダウンロード可能なビューワーもありますが、個々のデスクトップにインストールが必要ですし、ブラウザー上では Active X コントロールとしてふるまうため、ブラウザーのセキュリティレベルを下げないと、煩雑な警告が都度表示されてしまいます。

 

2010 シリーズ Office 関連製品群で解決

Visio 2010 と SharePoint Server 2010 を利用することで、Visio で作成した高度なダイアグラムを、簡単に Web 化できます。SharePoint に搭載される Visio Services は、Visio ファイルとして作成した図表を Silverlight のビューワーを通じてブラウザー上に出力します。Visio アプリケーションと同様の描画エンジンを搭載しており、Visio による高品質なグラフィックスがブラウザー上でも再現されます。

 

Visio Viewer ではステンシルなどもオブジェクト単位で判別されるため、Visio アプリケーション上での動作もまた同様に再現されます。たとえば、データセンターの稼働状況を示す世界地図上で、稼働に問題があり赤い信号色が表示されている地域をクリックすると、同じ Visio ファイルの別のシートに描画されているデータセンターのフロアレイアウト図が表示され、そこでさらに稼働に問題があると表示されているサーバーをクリックすると、別のシートに描画されているラックマウント図が表示される、といったような動作が Visio アプリケーション上で定義しておけば、Visio Services によるブラウザー上でも、同じように動作します。さらに、SharePoint 上で Visio Services 図面を Web パーツとして貼り付けておくと、Visio Services 図面で選択されたステンシルの情報を、他の Web パーツに対して転送することができます。たとえば先の例であれば、ラックマウント上で稼働状況にあるブレード サーバーをクリックすると、サーバーのスペックやエラー情報が、同じ画面上の別の Web パーツ内に表示されている Excel Services のレポートに出力される、といった動作も可能です。

つまり Visio および Visio Services は、従来であればグラフィカルなアプリケーションの構築スキルを持つユーザーでなければ実現できなかったような、リッチな Web アプリケーション (RIA) を、Visio 図面や Excel の知識だけで簡単に作成できるようになる、革新的なエンドユーザー コンピューティング ツールとなります。