スライドショーを簡単にブロードキャスト配信

できること

PowerPoint 2010 で作成されたスライドの「スライドショー」を、ネットワークを経由してブロードキャスト配信、遠隔地にいる人に対しても、Web ブラウザーを使ってリアルタイムにプレゼンテーションをすることができます。

 

解決したい課題

多くの企業でコスト削減努力の一環として、出張や大規模な集合形式会議の実施が抑制されています。しかし、消費者ニーズの細分化や変化のスピードアップに伴い、ビジネスパートナーや社内の従業員に対するコミュニケーションの機会はむしろ増加しています。ビデオ会議システムを使ってこのような課題に対処する企業も増えています。しかし、通常のビデオ会議システムは高価なハードウェア設備を要し、さらに参加者全員が同じ会議システムを所有している必要があるため、新規投資は容易ではありません。またビデオ映像だけでは PC 画面の投影などはできないため、あらかじめ紙ベースなどでの非同期な資料共有が必要です。

マイクロソフトは、PC を使ったオンライン会議が可能な Office Communications Server 2007 R2 が提供しています。このソフトウェアを利用すれば、大掛かりなハードウェア投資は必要なく、PC だけで PowerPoint スライドやその他アプリケーション、デスクトップ画面をリアルタイムに共有しながら、オンライン会議を進めることができます。簡易な Web カメラを接続すれば、お互いの様子を見ながらビデオ会議を実施することができます。音声や書き込みなどで、双方向のコミュニケーションが多発する意思決定会議においては、Office Communications Server によるオンライン会議は最適なソリューションです。

しかし、日常業務でのちょっとした情報伝達に使うには、もっと簡便な方法が望ましいと感じる場合があります。同僚やビジネスパートナーとの電話によるコミュニケーションにおいて、PowerPoint スライドを見せることでより簡潔に説明できるといった程度の場合、そのためにビデオ会議をセットアップし、会議の相手に参加を促し、相手が Office Communications Server の会議に参加するためのコンソールを持っていない場合にはダウンロードを促し、といった手順を踏むのは少々面倒です。

 

2010 シリーズ Office 関連製品群で解決

PowerPoint 2010 と SharePoint Server 2010 を使えば、デスクトップで実施中のスライドショーを、Web ブラウザーに対してブロードキャスト配信することができます。受信側のブラウザーに専用のアドインをインストールする必要はありません。受信側は、SharePoint Server 2010 がホストする Office Web App に組み込まれた PowerPoint Web App を使ってスライドショーを閲覧するため、PowerPoint 2010 がインストールされていなくてもかまいません。企業ネットワークの外部に対してブロードキャストする場合は、外部に対して用意された SharePoint、またはマイクロソフトが提供するサービスである PowerPoint Broadcast Service を使用することができます。

作成したプレゼンテーションを、PowerPoint のメニューから「ブロードキャスト スライドショー」として送信するだけで、特別な設定の必要なしに、即座にブロードキャストが開始されます。この操作によって、他のユーザーとスライドショーを共有するためのリンクが作成されますので、電子メールなどを使ってこれを相手に送信します。受け取った相手はそのリンクを開くだけで、ブラウザー版の PowerPoint である PowerPoint Web App が起動し、スライドショーをリアルタイムに受信することができるようになります。

 

 

この方法でブロードキャストされたスライドショーは、受信側から操作したり、ブロードキャスト中のスライドを送信側が途中で編集したりすることはできません。さらに、作成された URL が分かれば、だれでもブロードキャストに参加できるため、アクセスするユーザーの厳密な制御はできません。このような操作の必要がある場合は Office Communications Server を使用してください。しかし、電話などによる通常のコミュニケーションの中で単発的に必要とされるような、比較的単純で一方向でのスライドショー共有であれば、PowerPoint から直接実行でき、煩雑な手続きが一切必要ないこのブロードキャスト スライドショー機能が最適です。