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クォータが設定されたフォルダをネットワークドライブとして割り当てた際に表示される空き容量について

こんにちは、Windows プラットフォーム サポートの大川です。
今回はファイル サーバー リソース マネージャー にてクォータが設定されたフォルダをネットワーク ドライブとして
割り当てた際の空き容量表示についてお伝えいたします。

ファイル サーバー リソース マネージャーはサーバーに保存されるデータのサイズや種類を制御する場合に利用される役割
になります。サーバーに保存されるデータのサイズを制御する場合には、クォータと呼ばれる機能を使用します。クォータ
はフォルダに保存されるデータサイズに対して制御かけることができ、以下の 2 種類が用意されています。

クォータの種類

.
– ハード クォータ : 指定された制限値を超えてデータを保存できない
– ソフト クォータ : 指定された制限値を超えてデータを保存できる

ハード クォータは対象フォルダに利用させたいサイズを制限値として設定することで、ディスク容量の枯渇回避や特定
ユーザーに多くのデータ容量を保存させないようにする際に利用されます。
ソフト クォータは主に制限値を超えたときにメール送信やイベントログへの出力を行い、容量枯渇を監視する際に利用
されます。

例) ハード クォータの場合

.
D ドライブ (総容量 : 10GB)
|
|— TestFolder1 (共有フォルダ/ハード クォータ 制限値 5 GB) <<< ドライブ割り当てフォルダ
|…….|
|…….|— Test1.txt (1 GB)

TestFolder1 をネットワーク ドライブとして割り当てた場合、空き容量は 4 GB と表示されます。
(5 GB (ハード クォータ制限値) – 1 GB (Test1.txt) = 4 GB となります。 )

例) ソフト クォータの場合

.
D ドライブ (総容量 : 10GB)
|
|— TestFolder1 (共有フォルダ/ハード クォータ 制限値 5 GB) <<< ドライブ割り当てフォルダ
|…….|
|…….|— Test1.txt (1 GB)

TestFolder1 をネットワーク ドライブとして割り当てた場合、空き容量は 9 GB と表示されます。
(10 GB (D ドライブ総容量) – 1 GB (Test1.txt) = 9 GB となります。 )

ただし、ハード クォータをご利用いただいている場合、注意があります。環境において、以下の
条件が合致する場合、表示されるのはハード クォータの空き容量ではなく、ドライブの空き容量が
表示されるようになります。

// 条件
1. ドライブの空き容量がハード クォータの空き容量よりも小さい場合
2. SMB 2.001 以前を利用しており かつ ハード クォータをサブフォルダに設定している場合

以下に各条件の詳細についてご説明させていただきます。

1. ドライブの空き容量がハード クォータの空き容量よりも小さい場合

.
ドライブの空き容量がハード クォータの空き容量よりも小さい場合には、表示される空き容量は
ドライブの空き容量が表示されます。例えば、以下のような状況のときです。

例) ドライブの空き容量がハード クォータの空き容量よりも小さい場合

.
D ドライブ (総容量 : 10GB)
|
|— TestFolder1 (共有フォルダ/ハード クォータ 制限値 5 GB)   <<< ドライブ割り当てフォルダ
|       |
|       |— Test1.txt (1 GB)
|
|— Test2.txt (7 GB)

この場合は、D ドライブの空き容量が 2 GB となり、ハード クォータの空き容量 4 GB よりも小さいです。
TestFolder1 をネットワーク ドライブとして割り当てると、表示される空き容量は 2 GB になります。

※空き容量の計算詳細
D ドライブ : 10 GB (D ドライブ総容量) – (1 GB (Test1.txt) + 7 GB (Test2.txt)) = 2 GB
ハード クォータ : 5 GB (ハード クォータ制限値) – 1 GB (Test1.txt) = 4 GB

このような状況でハード クォータの制限値に沿った空き容量を表示させる方法はありません。もし、
ハード クォータの空き容量を表示させたい場合は、ドライブの空き容量を増やしていただく必要が
ございますので、当該ドライブ内の不要なファイルの削除やドライブの拡張についてご検討を
いただければと思います。

// Test2.txt が無い状態

<サーバー側の空き容量>


<クライアント側の空き容量>


## クライアント側の空き容量としてハードクォータの制限値から計算した値が表示されます。

 

// Test2.txt がある状態

<サーバー側の空き容量>

<クライアント側の空き容量>

## クライアント側の空き容量としてサーバー側のドライブの空き容量が表示されます。

 

2. SMB 2.001 以前を利用しており かつ ハード クォータをサブフォルダに設定している場合

.
SMB 2.001 以前を利用しており、ハード クォータをサブフォルダに設定している場合にも、表示されるのは
ドライブの空き容量になります。例えば、以下のような状況のときです。

例) SMB 2.001 以前を利用しており かつ ハード クォータをサブフォルダに設定している場合

.
D ドライブ (総容量 : 10GB)
|
|— TestFolder1 (共有フォルダ)
|       |
|       |— SubFolder1 (ハード クォータ 制限値 5 GB)   <<< ドライブ割り当てフォルダ
|               |
              |— Test1.txt (1 GB)

この場合、SubFolder1 をネットワーク ドライブとして割り当てると、ドライブの空き容量である
9 GB が表示されます。ちなみに、SMB 2.002 以降のバージョンを利用されている場合には、上記
のようにハードクォータをサブフォルダに設定していても、ハード クォータの制限値が適用されます。
そのため、空き容量は 4 GB と表示されます。

※空き容量の計算詳細
SMB 2.001 以前の場合 : 10 GB (D ドライブ総容量) – (1 GB (Test1.txt) = 9 GB
SMB 2.002 以降の場合 : 5 GB (ハード クォータ制限値) – 1 GB (Test1.txt) = 4 GB

 

// SMB 2.001 以前の場合

<サーバー側の空き容量>

<クライアント側の空き容量>

## ハードクォータの設定に関係なく、サーバー側の合計サイズおよび空き容量が表示されています。

 

// SMB 2.002 以降の場合

<サーバー側の空き容量>

<クライアント側の空き容量>

## ハードクォータの設定に沿って、合計サイズおよび空き容量が表示されています。

 

SMB のバージョン対応は以下のようになっています。古いバージョンのOS から新しいバージョンのOS へ
移行される方におかれましては、上記のように表示動作が変わりますので、ご注意いただければと思います。

– Windows XP/Windows Server 2003 : SMB1.0 に対応
– Windows Vista RTM : SMB1.0、SMB2.001 に対応

※Vista RTM に MS07-063 (KB942624) のセキュリティパッチを適用した場合、SMB2.001 に代わり、SMB2.002 対応となります。

<MS07-063>
SMBv2 の脆弱性により、リモートでコードが実行される (942624)
http://www.microsoft.com/japan/technet/security/bulletin/ms07-063.mspx

– Windows Vista SP1, SP2/Windows Server 2008 SP1, SP2 : SMB1.0、SMB2.002 に対応
– Windows 7/Windows Server 2008 R2 : SMB1.0、SMB2.002、SMB2.1 に対応
– Windows 8/Windows Server 2012 : SMB1.0、SMB2.002、SMB2.1、SMB3.0に対応
– Windows 8.1/Windows Server 2012 R2 : SMB1.0、SMB2.002、SMB2.1、SMB3.0、SMB3.02に対応

本ブログが少しでも皆様のお役に立てますと幸いです。