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シャドウコピーの記憶域を設定するボリュームの制限について

こんにちは、Windows プラットフォーム サポートです。

VSS (ボリューム シャドウ コピー サービス) をご利用の環境で、シャドウ コピーを保存するための記憶域を、
別ボリュームに設定できないという事象についてご説明します。

 

■ VSS のボリューム サイズ制限

シャドウ コピー対象のボリュームと、シャドウ コピーを保存するための記憶域

どちらも、ボリューム サイズに制限がございます。

64 TB 未満のボリュームをご利用ください。

 

■ VSS とは?

ボリューム シャドウ コピー サービス(VSS)は、ボリュームの静止点であるシャドウ コピーを作成するサービスです。
このシャドウ コピーをもとにバックアップを作成したり、そのまま保管して古いファイルを復元できるようにするなどの
用途で利用されます。

※ 詳細は、ボリューム シャドウ コピー サービス (VSS) についてのブログをご参照ください。

 

■ シャドウ コピーの記憶域とは?

シャドウ コピーは、ボリュームの差分データを指します。
シャドウ コピーの記憶域は、この差分データを保存するための領域です。

シャドウ コピーを利用したバックアップを実行すると、シャドウ コピーの記憶域が設定され、シャドウ コピーが作成されます。

多くの場合は、シャドウ コピーを取得するボリュームに、シャドウ コピーの記憶域が設定されます。

(バックアップ ソフトウエアの動作に依存しますので、例外もございます。)

 

■ シャドウ コピーの記憶域のボリューム設定を変更するシナリオ

ボリュームのデータ更新量が多い環境では、差分データが大きくなる傾向にあります。
シャドウ コピーが作成されるボリュームで、容量の枯渇が懸念される場合に、シャドウ コピーの記憶域を、別のボリュームに設定変更したいというシナリオがあると思います。

また、VSS に関するエラーが発生し、対処策として、シャドウ コピーの記憶域を、別のボリュームに設定を変更するケースもあります。

※ VSS のエラーと記憶域の移動については、VolSnap 33 が大量に出てしまう問題についてのブログをご参照ください。

 

■ シャドウ コピーの記憶域のボリューム設定確認

シャドウ コピーの記憶域ボリュームは、以下のコマンドで確認することができます。

”シャドウ コピーの記憶域ボリューム” の項目を確認します。

>vssadmin list shadowStorage

表示結果の例)
————————————————————————————————-
シャドウ コピーの記憶域関連付け
ボリューム: (C:)file://%3f/Volume%7baaa12345-2233-4455-k1ds-00lt6ye7651mb9%7d/
シャドウ コピーの記憶域ボリューム: (D:)file://%3f/Volume%7baaa12345-2233-4455-k1ds-00lt6ye7651mb9%7d/
シャドウ コピーの記憶域の使用領域: 0 B (0%)
シャドウ コピーの記憶域の割り当て領域: 0 B (0%)
シャドウ コピーの記憶域の最大領域: 544.887 GB (9 %)
————————————————————————————————-

この場合は、C ドライブのシャドウ コピーが、D ドライブに保存されています。

C ドライブが、シャドウ コピーを取得するボリュームです。

D ドライブが、シャドウ コピーの記憶域のボリュームとして設定されています。

 

■ シャドウ コピーの記憶域のボリューム設定を変更できない事象

シャドウ コピーの記憶域を配置するボリュームは、GUI や コマンドで設定を変更することができます。
その際、以下のように、シャドウ コピーの記憶域に設定したいボリュームに、設定できないケースがあります。

<コマンドで設定する手順>
vssadmin コマンドで、C ドライブのシャドウ コピー記憶域を、E ドライブに設定する例です。
コマンド:vssadmin add shadowstorage /for=C: /on=E: /Maxsize=10%

参考:Vssadmin add shadowstorage

<コマンドで設定に失敗したときの表示例>
”エラー:指定されたボリュームのシャドウ コピーはサポートされておりません。” というエラーが表示され、設定できない場合がございます。

<GUI で設定する手順>
エクスプローラのプロパティーから、”シャドウ コピー” タブを開きます。
シャドウ コピーの記憶域があるボリュームを選択し、[設定] をクリックします。

<GUI で設定に失敗したときの表示例>
プルダウンメニューから、シャドウ コピーの記憶域に設定したいボリュームを選択する際、
特定のドライブ(今回はE ドライブ)が表示されない場合がございます。

 

■ 原因と対処

シャドウ コピーの記憶域を設定するボリュームは、64 TB 未満という制限があります。(正確には、64 TB – 16 KB までです。)
64 TB 以上のボリュームにシャドウ コピーの記憶域を設定しようとすると、上記のように設定できません。

上記の設定では、E ドライブを 70 TB に設定しています。

シャドウ コピーの記憶域を設定する際は、移動先のボリュームも64 TB 未満のボリュームをご利用ください。

 

(補足 1 )64 TB 未満なのに、シャドウ コピーの記憶域のボリュームに設定できない

シャドウ コピーの記憶域に設定できない条件は、ボリュームサイズ以外にもあります。

設定のボリュームが、以下の条件に該当している場合も、同様にシャドウ コピーの記憶域に設定できません。

こちらも併せてご確認ください。

1.ネストしたボリューム

例えば、親ボリュームが存在するマウント ボリュームなどです。

2.暗号化されたボリューム

3.ボリュームのセクタ サイズが、シャドウ コピーを取得するボリュームより大きい

             –  ボリュームのセクタ サイズ確認方法

             コマンド プロンプトを管理者権限で起動して、fsutil fsinfo ntfsinfo <ドライブ文字>: を入力します。

             “セクターあたりのバイト数” の値を確認します。表示例では 512 です。

             表示例)
                                 NTFS ボリューム シリアル番号 : 0x740618640618299e
                                  バージョン : 3.1
                                  セクター数 : 0x000000007fffe7ff
                                  総セクター数 : 0x0000000003ffff3f
                                  空きクラスター数 : 0x00000000014e8152
                                  総予約数 : 0x0000000000000000
                                  セクターあたりのバイト数 : 512
                                  クラスターあたりのバイト数 : 16384
                                  ファイル セグメントあたりのバイト数 : 4096
                                  ファイル セグメントあたりのクラスター数 : 0

4.System アカウントにクォータが設定がされている

             – クォータ設定の確認方法

             エクスプローラで、該当のボリュームを右クリックし、”クォータ” タブを選択します。

             クォータ エントリをクリックし、”<ボリューム名> のクォータ エントリ” を表示します。

             以下のように、ログオン名に “NT AUTHORITY\SYSTEM” があり、”ディスクの領域を制限する”

             と表示されていましたら、System アカウントでクォータが設定されています。

(表示例)

 

■(補足 2 ) VSS のボリューム サイズ 制限 公開情報について

今回は、シャドウ コピーの記憶域の ”保存先ボリューム” について、サイズの制限をご紹介しました。

シャドウ コピーを ”取得するボリューム” についても、同様に 64 TB 未満というサイズの制限があります。

シャドウ コピーを取得するボリュームとは、vssadmin list shadowStorage コマンドでは”ボリューム”の項目に該当します。

こちらは、公開情報がございますので、ご参照ください。

(公開情報)

          Usability limit for Volume Shadow Copy Service (VSS) in Windows

(公開情報の抜粋)

          Microsoft does not support VSS on volumes larger than 64 TB.

 

いかがでしたでしょうか。
本ブログが少しでも皆様のお役に立てましたら幸いです。