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WSFCのクラスター破棄手順について

いつも弊社製品をご利用いただきまして誠にありがとうございます、Windowsプラットフォーム サポートの相沢です。
今回は、WSFC のクラスター破棄(破壊)手順についてご紹介いたします。

システムを運用されている中で、クラスター環境をシングル構成に戻したい場合や、何かしらの問題が生じてクラスターを再構築したい場合があるかと思います。このような場合には、「クラスターの破棄」を実行することでクラスターを解除することができますので、本記事にて手順をご案内いたします。

WSFC のクラスター破棄手順


はじめに

本手順では以下の環境を想定しております。

対象 OS
Windows Server 2012
Windows Server 2012 R2
Windows Server 2016

▼注意事項
必要に応じて、作
業前にシステムのバックアップを取得してください

1. クラスター環境のバックアップ


クラスターの破棄を実施すると、現在構成しているクラスターの設定は破棄されます。
クラスターの再構築を目的としている方は、必要に応じてクラスター環境の現在の設定値(LooksAlive IsAlive の値、クラスター ノード間のハートビートの閾値等)を控えてください。

2. 役割の削除


クラスターの破棄を実施するには、事前にクラスター上に作成されている役割を全て削除する必要があります。
以下の手順で役割の削除を実施してください。

 (1) フェールオーバー クラスター マネージャーを開きます。
 (2) 左ペインから、[フェールオーバー クラスター マネージャー] – [クラスター名(CNO] – [役割] を選択します。
 (3) 中央ペインに役割の一覧が表示されますので、各役割を右クリックし、[削除] を実行します。
 (4) 確認ダイアログ ボックスが表示されますので、[はい] を選択します。
 (5) 手順 (3)(4) を繰り返し、 全ての役割を削除します。

 ※ 役割の削除後、Active Directory 上の対象の仮想コンピューター オブジェクト(VCO)は自動的に無効化されます。
 ※ 役割の削除後、DNS Server から対象の DNS レコードが自動的に削除されます。

3. 仮想マシンの退避(Hyper-V クラスターをご利用の場合)


クラスターの破棄を実行すると、クラスター共有ボリューム(CSV)が削除されますので、CSV 上に保存されている仮想マシンの設定を変更することができなくなります。Hyper-V クラスターをご利用の場合には、「クラスターの破棄後」の目的に応じて、何れかの手順を実施してください。

・クラスターを再作成する場合
  – CSV を同じ名称で構成する場合には、仮想マシンは再利用可能ですので「4. クラスターの破棄」に進んでください。
    仮想マシンは事前に「シャットダウン」または「保存」を実行して停止させてください。
     クラスターの破棄に伴い CSV が失われますので、仮想マシンを稼働させておくと異常終了する場合がございます。
   ※ 仮想マシンをオンライン状態で作業する場合には、後述の<仮想マシンの退避手順>にてローカル ストレージに一旦退避します。
  – CSV を別の名称で構成する場合には、後述の <仮想マシンの退避手順>にてローカル ストレージに一旦退避します。

・クラスターを再構成しない場合
  以下の<仮想マシンの退避手順>にてローカル ストレージに退避します。

 <仮想マシンの退避手順>
 (1) Hyper-V マネージャーを開き、画面中央ペインから対象仮想マシンを右クリックし、[移動] をクリックします。
 (2) 仮想マシンの移動ウィザードが開きますので、次へをクリックします。
 (3) [仮想マシンの記憶域を移動する] を選択し、次へをクリックします。
 (4) [仮想マシンのすべてのデータを 1 つの場所に移動する] を選択し、次へをクリックします。
  ※ 要件に応じて、その他のオプションを選択していただいても構いません。
 (5) [新しい場所]のフォルダー欄に移動先のフォルダを入力し、次へをクリックします。
  ※ クラスターに登録されている共有ストレージではなく、ローカル ストレージを入力してください。
 (6) 次へをクリックすると記憶域の移動が開始しますので、インジケーターが終了したら 完了をクリックします。

4. クラスターの破棄


全ての役割の削除が完了しましたら、「クラスターの破棄」を実行することができます。
以下の手順でクラスターの破棄を実施してください。

 (1) フェールオーバー クラスター マネージャーを開きます。
 (2) 左ペインから、[フェールオーバー クラスター マネージャー] – [クラスター名(CNO] を右クリックし、[他のアクション] – [クラスターの破棄] を選択します。
 (3) 確認ダイアログ ボックスが表示されますので、[はい]をクリックします。

 ※ クラスターの破棄後、Active Directory から対象のクラスター名オブジェクト(CNO)が自動的に無効化されます。
 ※ クラスターの破棄後、DNS Server から対象の DNS レコードが自動的に削除されます。

5. コンピューター オブジェクトの削除(任意)


クラスターの破棄を実行すると、Active Directory にはクラスター名オブジェクト(CNO)、仮想コンピューターオブジェクト(VCO)が無効状態で残ります。再度、同一名称でクラスターを作成する場合には当該コンピューターオブジェクトは再利用されますので削除する必要はありません。別名でクラスターを作成する場合や、クラスターを作成しない場合には、必要に応じて手動で削除をお願いします。

 (1) Domain Controller サーバーに管理者アカウントでログオンします。
 (2) Win + R キーを同時に押下し、ファイル名を指定して実行画面で “dsa.msc” を実行します。
 (3) [Active Directory ユーザーとコンピュータ] が開きますので、左ペインから CNO VCO が存在する OU(又はコンテナ)を選択します。
  ※ CNO VCO は、クラスター ノードが所属する OU に作成されます。既定では [Domain Name] – [Computers] コンテナに作成されます。
 (4) 右ペインの一覧から CNOVCO を右クリックし、[削除] を実行します。
 (5) 確認ダイアログボックスが表示されますので、[はい]をクリックします。
 (6) CNO および VCO が削除されたことを確認し、完了です。

参考情報


フェールオーバー クラスタリング機能を削除したい場合には、以下の公開情報をご参照ください。

Uninstalling and reinstalling the Windows 2012R2 Failover Clustering feature
https://blogs.technet.microsoft.com/askcore/2017/04/04/uninstalling-and-reinstalling-the-windows-2012r2-failover-clustering-feature/

よくある質問と回答


Q1. 稼働中の仮想マシンはオフラインにする必要があるか

仮想マシンを停止することができない場合には、本手順中の「仮想マシンの退避手順」でローカル ストレージに移動していただければ、仮想マシンをオンライン状態のまま作業を行うことができます。
尚、本手順を実施することで仮想マシンのデータが失われることはございませんのでご安心ください。

Q2. 仮想マシンをローカル ストレージに退避した場合、クラスタ再構築後、仮想マシンをどのように追加すればよいか

仮想マシンをローカル ストレージに一時退避(仮想マシンの記憶域の移動)した場合には、以下の手順で仮想マシンの追加をお願いいたします。

 ・クラスターを再構築する
 ・CSV を作成する
 ・Hyper-V マネージャーから仮想マシンの [記憶域の移動] にて、退避先のストレージから CSV に仮想マシンを移動する
 ・仮想マシンを CSV に移動した後、フェールオーバークラスターマネージャーから仮想マシンの役割を登録する

Q3. 作業時、クラスター共有ボリューム(CSV)を事前にオフラインにする必要があるか

クラスターの破棄を実行すると、クラスター共有ボリュームは自動的にアンマウントされますので、特に操作は必要ありません。