ワークグループ環境でのWindows 10 のシステム イメージ回復を行う際にエラー ERROR_NO_SUCH_LOGON_SESSION (0x80070520) が発生する場合の対処方法について

こんにちは。
Windows プラットフォームサポートの福田です。

今回はワークグループ環境での Windows 10 のシステム イメージ回復を行う際にエラー ERROR_NO_SUCH_LOGON_SESSION (0x80070520) が発生する場合の対処方法についてご紹介いたします。

皆さん、普段利用している PC に障害が起こった場合などに備えて Windows 10 のシステム イメージをバックアップされているかと思います。

また、バックアップ先として、バックアップを取得した PC とは別の PC の共有フォルダー や NAS などのファイルサーバーにバックアップを保管している場合は、回復を行う際に注意が必要となります。

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具体的な現象
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ワークグループ環境での Windows 10 のシステム イメージ回復を行う際に、ネットワーク資格情報にユーザー名だけを入力し、接続しようとするとエラー ERROR_NO_SUCH_LOGON_SESSION (0x80070520) が発生します。

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システム イメージ回復の手順について
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まず、システム イメージの回復を行う際には、保存先の PC もしくはファイルサーバーに接続し、ネットワーク上のシステム イメージの場所を指定します。

次に、バックアップを保管している PC に接続できるとネットワーク資格情報の入力が求められます。

WindowsBackup

ここから注意が必要になります。

Windows 10 より以前の OS ではバックアップ先に接続できるユーザ名のみを入力すればよかったのですが、Windows 10 ではログオンセッションが存在しない、エラー ERROR_NO_SUCH_LOGON_SESSION (0x80070520) が発生します。

Windows10_BMR

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エラー ERROR_NO_SUCH_LOGON_SESSION (0x80070520) が発生する理由と対処方法
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Windows 10 では セキュリティ向上のため、システム イメージ回復時の資格情報の扱いが厳しくなっています。

以前の OS では、資格情報にユーザー名だけを入力すると、ホスト名が補完され、"<ホスト名>\<ユーザ名>" で接続先に情報が送信されていました。接続先ではユーザ名のみを参照し、認証をチェックします。

しかし、Windows 10 では、ホスト名の補完を行わないように実装が変わったため、ユーザ名のみで接続しようとすると、エラー ERROR_NO_SUCH_LOGON_SESSION (0x80070520) が発生してしまいます。

そのため、ユーザ名の欄には 明示的に "<ホスト名>\<ユーザ名>" という表記でユーザ名を指定する必要があります。

 

同様のエラーが発生した場合には、上記の対処方法を実施していただき、改善するか確認してください。

本ブログが少しでもお役立てれば幸いです。