Windows Server 2012 R2 Hyper-V クラスター環境のフェールオーバーのしきい値設定について

こんにちは。Windows プラットフォーム サポートの古谷です。

本日は、Windows Server 2012 R2 Hyper-V クラスター環境のフェールオーバーのしきい値設定についてご説明します。

クラスターではグループ (役割) がノード間を指定した時間 (既定では 6 時間) で何回フェールオーバー可能か指定可能です。
既定のフェールオーバーのしきい値はノード数により異なり、例えば 2 ノードのクラスター環境の場合グループ (役割) のフェールオーバーしきい値は 1 回、3 ノードの場合は 2 回となります。指定した時間が経過すると回数はリセットされます。

failover_01

しかし、Windows Server 2012 R2 から追加された仮想マシンのネットワーク障害を検出したフェールオーバー  ([保護されているネットワーク] 機能有効) の際は動作が一部異なります。
本機能でネットワーク障害を検出しフェールオーバーした場合にはフェールオーバーとして 1 回カウントされますが、通常の仮想マシンの障害と異なり指定した時間を経過しても回数はリセットされません。
※ 指定した時間を経過しても回数はリセットされませんが、クラスター リソース (仮想マシン) の失敗によるフェールオーバーやクラスターの停止 (シャットダウン) によりリセットされます。

具体例としまして、2 ノードの Hyper-V クラスター環境で仮想マシンのネットワークの障害によりフェールオーバーを 1 回実行した場合、フェールオーバーの回数は 1 カウントされます。しかし、指定した時間を経過しても回数はリセットされず、また、フェールオーバーのしきい値は既定で 1 回であるために2 回目以降のフェールオーバーは実施されません。

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Windows Server 2012 R2 Hyper-V から追加された [保護されているネットワーク機能] (既定で有効)

Hyper-Vvm

そのため、Windows Server 2012 R2 Hyper-V クラスター環境の仮想マシンの設定で [保護されているネットワーク機能] をテストする場合は、フェールオーバーのしきい値を既定値よりも多めに設定いただくこともご検討ください。
なお、[保護されているネットワーク機能]はリンクダウン時にしか動作しないため、この機能が複数回動作する確率は非常に低いと考えられますが、この値は大きくしていただいても、クラスター動作に悪い影響はございません。そのため、運用にあたって大きい値に設定していただいても問題ございません。

フェールオーバーのしきい値設定は、以下の手順で設定します。

1. フェールオーバー クラスター マネージャーを起動します。
2. 左ペインの仮想マシンの [役割] を選択します。
3. クラスター グループ (仮想マシン) を右クリックし、[プロパティ] を選択します。
4. [フェールオーバー] タブを選択します。
5. [フェールオーバー] の [指定した期間内の最大エラー数] でフェールオーバーのしきい値を設定します。

このブログが皆様のお役に立てれば幸いです。