MinDiffAreaFileSize レジストリ に関しての更新プログラムが公開されました。

こんにちは、Windows プラットフォーム サポートの城野です。
ボリューム シャドウコピー サービスに関しまして重要な更新が二つ公開されましたので以下にご説明いたします。

Windows Server 2012 R2 環境で、MinDiffAreaFileSize レジストリ の設定が正常に動作しない問題、
および MinDiffAreaFileSize レジストリの最大設定値の変更について、以下二つの更新プログラムが公開されました。

文書番号: 3140250
MinDiffAreaFileSize doesn't work on Windows Server 2012 R2
https://support.microsoft.com/en-us/kb/3140250

文書番号: 3145384
MinDiffAreaFileSize registry value limit is increased from 3 GB to 50 GB in Windows 8.1 or Windows Server 2012 R2
https://support.microsoft.com/en-us/kb/3145384

- 詳細
Windows Server 2012 R2 で MinDiffAreaFileSize レジストリにて、Diff Area の初期サイズを任意のサイズに設定しているにも関わらず、レジストリの設定が無視され Diff Area の初期サイズが、規定値に設定されてしまう現象がございます。
今回公開された更新プログラム KB3140250 では、MinDiffAreaFileSize レジストリが任意に設定した値に基づいて、正常に動作するように修正されました。また、更新プログラム KB3145384 では MinDiffAreaFileSize レジストリで設定可能な最大サイズが
3000 MB (3 GB) から 50000 MB (50 GB) まで拡張されております。

当ブログでも、 VolSnap ID: 25 エラーの対処法として、 MinDiffAreaFileSize レジストリをご紹介していることがありますので、ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが以下に簡単にご説明いたします。

- VolSnap ID: 25 エラー と MinDiffAreaFileSize レジストリ について
ボリューム シャドウコピーを使用されている環境で、シャドウ コピーの作成中に問題が発生し、意図せずシャドウ コピーが削除され
VolSnap ID: 25 がシステムイベントとして記録されることがあります。この現象は、シャドウ コピーの差分情報を保存する Diff Area と呼ばれる領域に差分情報を正しく書き込めないことにより発生することがあります。Diff Area は元々一定サイズで作られており、シャドウ コピーの差分情報を書き込む際に、差分情報の増加量に合わせてDiff Area 自体も拡張する処理が行われますが、何らかの要因で Diff Area の拡張処理で問題が発生した場合に、差分情報 が正しく書き込めず、前述のVolSnap ID: 25 が記録されすべてのシャドウ コピーが削除されます。

この現象の発生頻度を下げる方法として、あらかじめ Diff Area の初期サイズを増やしておき、拡張する頻度自体を抑えることが有効ですが、その初期サイズの設定は MinDiffAreaFileSize レジストリを作成、編集し設定を行います。

[参考情報]
- ボリューム シャドウコピーの履歴が消える現象について
https://blogs.technet.microsoft.com/askcorejp/2012/09/21/12390/

しかしながら、Windows Server 2012 R2 では、この MinDiffAreaFileSize を設定しても、サイズが規定値に設定されてしまう現象があるため、この対処法を行うことができませんでした。今回の更新プログラム KB3140250 ではこの問題が修正され、MinDiffAreaFileSize レジストリにて設定した値が、正常に動作するようになりました。

また、MinDiffAreaFileSize で設定可能な最大値 3000 MB (3 GB) を設定しても、それを超えた差分情報の書き込みが発生した場合には Diff Area の拡張処理が起きるため、結果 VolSnap ID: 25 が発生することとなり、問題が解決しないことがありました。今回の更新プログラム KB3145384 では、より多くの初期値の確保が必要な環境を考慮し、MinDiffAreaFileSize で設定可能な最大値が 50000 MB (50 GB) まで拡張可能に修正されております。

Windows Server 2012 R2 のボリューム シャドウコピー サービスを利用されている環境で、履歴が削除されてしまう等の障害の対処策、あるいは障害の抑止方法の対処策として MinDiffAreaFileSize レジストリの変更をされている場合には、是非これらの更新プログラムを適用し、
Diff Area のサイズを増加させることで回避となるかご確認頂ければと思います。

[備考]
本更新プログラムをインストール後、言語パックを新たにインストールした場合には、再度本更新プログラムをインストールする必要がありますのでご注意ください。

* ボリューム シャドウコピー サービスの関連情報について、以下ブログでも紹介しておりますのでよろしければご参照ください。

[参考情報]
- Volsnap 25 イベントについて
https://blogs.technet.microsoft.com/askcorejp/2012/02/21/volsnap-25/

- VolSnap 33 が大量に出てしまう問題について
https://blogs.technet.microsoft.com/askcorejp/2009/06/04/volsnap-33/

以上ご参考になりますと幸いです。