フェールオーバー クラスターの環境で FailoverClustering ID : 1069 もしくは ID : 1573 のイベントが記録される

こんにちは。Windows プラットフォーム サポートの鎌滝です。

クラスター環境で FailoverClustering ID : 1069 もしくは ID : 1573 のイベントが記録され、ディスク リソースがオンラインにならない、といったお問い合わせをいただきます。

そのような事象の原因のひとつとして、サードパーティーのフィルター ドライバーの問題で、弊社のフィルター ドライバーと競合する事例が報告されています。

フィルター ドライバーの競合が原因のお問い合わせの中で、Data Protection Manager (DPM) とウイルス対策ソフトの競合により、ディスクのオンラインができない問題が複数報告されております。

[DPM] DPM と特定のウイルス対策ソフトの競合について
https://blogs.technet.com/b/systemcenterjp/archive/2012/04/10/3491184.aspx

今回のブログでは、このような事象が与える影響について、クラスターの観点でご紹介いたします。

このフィルター ドライバーの競合が発生すると、ディスクのオンラインに時間がかかるようになります。
OS 領域のディスクのように、OS が起動するタイミングでオンラインになるディスクは競合するフィルター ドライバーがロードされる前にオンライン処理が行われるため、時間がかかることはありません。
しかしながら、クラスターが制御する共有ディスクはフェールオーバーなどタイミングでオンラインになることがあります。
このタイミングではすべてのフィルター ドライバーがすでにロードされているので、オンラインの処理に時間がかかり、結果的にディスク リソースのオンライン タイムアウトが起こるため、前述のエラー イベントが記録されます。

ディスク リソースがオンラインにならないことにより、目に見えるクラスターの挙動としては以下のような事象があげられます。

   1. 役割を開始できない
   2. フェールオーバーが失敗する
   3. グループの移動 (手動でのフェールオーバー) およびクラスター コア リソース (クラスター グループ) の移動ができない

このような事象が発生した時、ディスクがオンラインにできないことが原因であるかどうかを確認するため、以下のどちらかもしくは両方のイベント ログが記録されているかどうかを確認します。

■ イベント ログ

エラー  Microsoft-Windows-FailoverClustering    1069    リソース コントロール マネージャー      "クラスター化された役割 'xxxxx' の種類 'Physical Disk' のクラスター リソース 'クラスター ディスク x' が失敗しました。 リソースおよび役割のエラー ポリシーに基づいて、このノードでリソースをオンラインにする処理またはグループをクラスターの別のノードに移動した後に再起動する処理がクラスター サービスによって試行される場合があります。フェールオーバー クラスター マネージャーまたは Get-ClusterResource Windows PowerShell コマンドレットを使用して、リソースおよびグループの状態を確認してください。"
エラー  Microsoft-Windows-FailoverClustering    1573    クォーラム マネージャー ノード 'xxxxx' がフェールオーバー クラスターを形成できませんでした。理由は、監視リソースにアクセスできなかったためです。監視リソースがオンラインで、アクセスできることを確認してください。

上記が確認でき、さらに DPM のフィルター ドライバーとウィルス対策ソフトがインストールされている環境の場合、フィルター ドライバーの競合の可能性を疑います。
さらに 切り分けを進めるには、影響を受けそうなフィルター ドライバーをアンインストールして、 事象が再現するかを確認する方法が有効です。

ご参考として過去弊社にお問い合わせのいただいた際に確認できた競合するドライバーとして、トレンドマイクロ社製のウイルス対策ソフトの報告がございました。
トレンドマイクロ社では以下のような情報を公開しております。
そのため、トレンドマイクロ社の製品をご利用であればレジストリー キーの変更で事象が改善するかを確認してください。

ウイルスバスター コーポレートエディション(TM) 10.0 Service Pack 1 Patch 2 (ビルド 2836)
https://www.trendmicro.com/ftp/jp/ucmodule/corp/win/100/SP1/patch/readme_corp100_servicepack1_patch2_r6.txt

上記サイトの "英語版Critical PatchおよびHotFixで修正された問題:" の下にある "問題24:ウイルスバスター Corp.クライアントの検索エンジンがMicrosoft Data Protection Manager 2010に対応していない問題" の設定を行って下さい。

この設定により、ウイルスバスター コーポレートエディションより、DPM のフィルター ドライバーである DpmFilter をバイパスするよう動作します。
※ この問題は、問題24 のタイトルに記載のある Microsoft Data Protection Manager 2010 以外のバージョンの DPM でも発生します。

- 免責事項
上記リンクは、マイクロソフトのサイトではございませんため、設定につきましての責任は負いかねます。
設定にあたってのご質問や懸念点につきましては、制作元との十分なご協議の上、実施いただくことを推奨いたします。