Windows Server 2008 以降のクラスターのクォーラム構成について

こんにちは。日本マイクロソフトの永野です。

 

Windows Server 2008 および Windows Server 2008 R2 のクラスタ (WSFC) は、

クォーラムの構成が "マジョリティなし" 以外の設定の場合、クラスタが

複数に分裂して動作する Split Brain を避けるため、クラスタの意思決定に

マジョリティの考え方が導入されています。

クォーラムを有効とし、クラスタを維持するためにはクラスタを構成する各ノードと

クラスタ コア リソースに含まれるディスク監視 (ノードおよびディスク マジョリティの場合)や

クラスタ コア リソースに含まれるファイル共有監視 (ノードおよびファイル共有マジョリティの場合)

を合計し、全体の過半数が動作している必要があります。

 

例えば、クラスタが 4 ノードで "ノードおよびディスク マジョリティ" の環境の場合、

  (4 ノード + 1 ディスク) / 2 = 2.5

となり、過半数は、3 となりますので、この構成の場合、クラスタが動作を継続するためには、

"ノード 3 台" あるいは "ノード 2 台とディスク マジョリティがオンライン"

である必要があります。

この動作の詳細については、以下の資料が参考になるかと思います。

 

フェールオーバー クラスターのクォーラム構成について

https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/cc731739.aspx

※ "クォーラム構成の図" の項を参照してください

 

なお、クラスタが残り 1 ノードになった場合には、ディスク マジョリティが

オンラインの場合でもクラスタを維持できず、以下のイベントが記録され、

クラスタ サービスが停止します。

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ログの名前:         System

ソース:           Microsoft-Windows-FailoverClustering

日付:            yyyy/mm/dd hh:mm:ss

イベント ID:       1177

タスクのカテゴリ:      クォーラム マネージャー

レベル:           重大

キーワード:        

ユーザー:          SYSTEM

コンピューター:       Machine Name

説明:

クォーラムが失われたためにクラスター サービスがシャットダウンしています。クラスター内の一部またはすべてのノードとのネットワーク接続が失われたか、監視ディスクのフェールオーバーが原因となっている可能性があります。

構成の検証ウィザードを実行して、ネットワーク構成を確認してください。状況が変化しない場合は、ネットワーク アダプターに関連するハードウェアまたはソフトウェアのエラーがないか確認してください。また、ハブ、スイッチ、ブリッジのような、ノードが接続されている他のネットワーク
コンポーネントにエラーがないか確認してください。

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上記イベントが記録された場合、もし他のノードがユーザー操作等による意図した再起動などで

サービスが停止している状況で、過半数を維持できていない状況であれば、これは想定された

動作となり特に問題ございませんのでイベントは無視していただいて構いません。

なお、このイベントが記録されることを回避する方法はございません。

もし、定期メンテナンスなどで上記イベントが記録される状況を

回避されたい場合には、過半数が維持できない状況が発生しないように

各ノードの再起動のタイミングなどを適切に計画してください。